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喫茶アトリエ【case1:古浜奨真・山浦弥桜】

ここは、喫茶アトリエ。日夜、暇を持て余した大学生たちが各々の人生について語り合っている。
ちょっと立ち寄ってみませんか?おいしいコーヒーをお供に、面白い話が聞けそうですよ。

古浜奨真:大学3年生。好きな俳優はウィル・スミス。劇団コギト一橋祭公演『7×7のモラトリアム』では、役者を務める。
山浦弥桜:大学4年生。好きな俳優は窪田正孝。劇団コギト一橋祭公演『7×7のモラトリアム』では、広報を務める。

古浜「恥の多い生涯を、送ってきました。」

山浦「何があったん?」

古浜「何があったん?って、流石に演技くさすぎますよ笑。」

山浦「あはは!笑」

古浜「まぁ、いざ自分の人生を振り返ってみると、恥が多いという、結論でございますわ!」

山浦「そうなんだ笑。例えば、どんな恥が?」

古浜「そうですねぇ。ぱっと思いついたのは、高校生の時に、海外研修みたいなノリで、1週間だけシンガポールに行ってたんですけど。」

山浦「シンガポール!」

古浜「まぁ高校1年生ですか当時。で、シンガポールといっても英語でちょっと授業を受けたりとかするんですけど、別につまらんわけですよ、全く。学ぶことなんて。」

山浦「まぁね。」

古浜「まぁだからほぼ、1週間の海外旅行に行ってるぐらいのノリだったんですよ。だから毎夜毎夜同じクラスの友達とか同じ部屋の友達とかと遊んで、もう夜遅くまで遊んで。寝て。朝フラフラになりながら起きて、昼ちょっと寝ながら授業受けて、みたいなね。そんな感じでやってたんですけど。最終日に、シンガポールの浄水場みたいなところに。」

山浦「浄水場?」

古浜「そう、浄水場みたいなところに、社会科見学みたいに行くっていうプランがあって。もう朝9時とかからバスで出発して。」

山浦「それ最終日なんだ笑。」

古浜「これ最終日やで。だから、午前中に浄水場に行って、午後にシンガポールにUSJのシンガポール版みたいな、」

山浦「あぁ、USS?」

古浜「USSに行くっていう、行程だったんですよ。で、朝から浄水場に行って。わしもうオールレベルで遊んでたんですよその前の日。もう気狂いそうなくらい眠くて。いざ、入口から入るじゃないですか。5分くらい周って、わし、眠すぎて死ぬって思ったんですよ。で、もう、添乗員さんに、『すみません。あの、めっちゃお腹痛いです。』って言って、トイレ行ったんですよ。で、そのトイレの、大に籠って、1時間寝たんすよ。」

山浦「えぇ!笑」

古浜「で、バって起きるじゃないですか。やべ、1時間経ってる!って思って。そしたらもう、添乗員さん見に来てるんですよね。『大丈夫?君、本当に。』って言われて。『あ!すみません!大丈夫です!もう治まりましたんで外出ます!』って言って。流す音だけ流して笑。パって出て。『正直もう、出すもの出したんで結構マシになりました。』みたいな感じで。『すみません。本当にありがとうございました。』って言って出たら。」

山浦「うん。」

古浜「私まだ入り口に居るわけですよ、浄水場の。で、入り口から、まぁちょっと寝ぼけてるから、行こうと思ったら順路と反対側に歩かされたんですよね。そんで入口出たら、その入口でた数分後に、みんな一周して帰ってきたんですよ。」

山浦「ちょうど!笑」

古浜「浄水場1周して帰ってきて。トイレで寝て、入り口から戻ってみんなと合流したんですよ笑。で、そのままUSSに行ったんですよね。」

山浦「え、ラッキーじゃん笑。」

古浜「ラッキー笑。まぁでも、恥ですよね。」

山浦「というか何でシンガポールで浄水場なの?笑」

古浜「それはマジで、知らんよ。当時高校生やから着いていったけど、今思ったらなんでやろとは思うで笑。」

山浦「もっとあるでしょ!笑」

古浜「まぁこれはパッと思いつきましたね、流石に。だから、情けないエピソード。遊びすぎて。」

山浦「その時は友達にはなんか言われたの?」

古浜「いやまぁ、『お前何やってんねん』とは言われましたよ。」

山浦「普通に1時間トイレに居たヤツ?」

古浜「『マジで寝てたわ笑。』って普通に言いましたよ笑。爆笑されましたよそれで。」

山浦「シンガポールで笑。」

古浜「シンガポールで1時間トイレで寝て、校外学習全スキップしたのが、私の恥ですね。」

山浦「逆にね、ラッキーやん、それは。」

古浜「正直まぁ、シンガポールで、全部英語の説明読んでもしょうがないんで、ラッキーではありましたね。」

山浦「ね、それはUSS行けただけやん。」

古浜「USS行けただけですね笑。だから、わしは1時間寝てるから。みんなは、オールで遊んでんのに1時間浄水場周って、でもわしは健康でUSSを回れたんで、ラッキーでしたね!笑」

山浦「それは~ね、恥かな。」

古浜「恥じゃない!?まさかの恥認定されない?これで?笑 そういう弥桜さんは、何か恥エピソードありますか?」

山浦「いやまぁ、私は、持久走がめちゃめちゃ嫌いなんだけど。」

古浜「持久走。」

山浦「私はね、もう小さい頃から本当に風邪を引かないのね。」

古浜「あー、なるほどなるほど。」

山浦「すごい健康なの。熱とかほぼほぼ出たことないし、インフルエンザも新型インフルエンザに罹ったことがあるぐらい。」

古浜「新型には罹ったことあるんですね笑。」

山浦「そう笑。小学3年生ぐらいの時に、新型インフルだけ罹って、他インフルは無しみたいな。本当に、健康優良児なの。」

古浜「健康優良児ですね!それは。」

山浦「でもなんかさぁ、持久走ってやらされるじゃん、人生。」

古浜「それはもう、逃れられないものですからね。」

山浦「しかも持久走ってすごい厳しくない?絶対に補修で受けてもらいますみたいな。水泳と持久走だけめっちゃ厳しいんよ、体育の授業において。」

古浜「はいはいはい。」

山浦「それでなんか、持久走の、何て言うの。建前がさ、寒い冬において免疫力を付けるみたいな。」

古浜「持久走って絶対冬ですもんね。それもウザいですもんね。」

山浦「そうそう笑。体力をつけるみたいな、文言なわけじゃん。でも私は本当に、体力があって健康優良児なわけで。」

古浜「なるほど!笑 体力があるのに走らされる意味がわからないと。」

山浦「そう!私は本当に持久走遅いんだけど。持久走遅いし、持久力もないんだけど、でも体力だけはあるのよ。」

古浜「意味が分からない笑。」

山浦「本当にそうなの!だって風邪引かないんだもん。」

古浜「風邪引かないのに持久走走る意味なんてないですもんね、それは。」

山浦「そうそう!先生たちは『風邪予防のため』って言うけど、私は風邪引かないもん、持久走走らなくとも。」

古浜「確かに確かに。」

山浦「っていうので、持久走が本当に嫌いで。でも、中学校3年間は、持久走大会っていうのが2月にあって。それで、校舎を10週くらい?させられるのよ。で、なんか絶対全員参加みたいな。絶対に休んじゃいけないみたいなやつで。私はそれが本当に嫌すぎて。だから、どうにかして休みたい。でも、下手な言い訳では休めない。から、本当に体調不良になるしかないわけよ。」

古浜「なれないのにね?笑」

山浦「そう笑。なれるわけがないのに、本当に体調不良になるしかなくて、だからどうしようと思って。本当に風邪を引けばいいんだと思って、前日に冷たいシャワーをね、お風呂入る時に浴びて風邪を引こうと思ったのね。だってそれしか方法がないわけじゃん。」

古浜「それしか方法がない笑。」

山浦「それで、冷たいシャワーを浴びたんよ。」

古浜「浴びたんすね、前日の夜に!」

山浦「髪の毛も冷たいシャワーで洗って、」

古浜「何月ですかそれ?」

山浦「2月だよ!」

古浜「2月の夜に!笑 冷たいシャワーを頭からかぶったんすね!」

山浦「で!次の日どうなったと思いますか?」

古浜「いやそれは風邪引くでしょ。」

山浦「なんだそのわざとらしい感じ笑。」

古浜「わざとらしいって、そら言うやろそうやって笑。」

山浦「まぁ、これを話してるってことは、風邪を引かなかったわけですよ。ピンピンで!」

古浜「ピンピンで!」

山浦「朝起きて、学校に行って、普通に10週走りました!何だったんだあの時間は。」

古浜「浴び損ですね、それは笑。そんで普通に走ったんかい。」

山浦「恥の多い生涯ですよ。」

古浜「まぁでもちゃんと走ってるからね!笑 先生からしたらただ真面目に学校来て走ってるってことやん。」

山浦「そうなんよ。私からしたら、冷たいシャワーを浴びたうえに、走らなきゃいけなかったヤツ。でも友達と先生からしたら、普通に朝来て、嫌々言いながら走ったヤツなんだよね。」

古浜「それはいつなんですっけ、中学生?高校生?」

山浦「中3。最後の1回だけ休んでやろうと思って。」

古浜「なるほどなるほど。」

山浦「まぁ中3にもなるとね、中2よりはさ、度胸が湧いてくるわけじゃん。やってやろうと思ったけどね。」

古浜「まぁ風邪は引けず、未だに健康で、何よりじゃないですか。」

山浦「いやー、まじで良いことだよね。これは本当に、ありがたいことなんだけど、その時だけは、笑」

古浜「本気で風邪引こうとしたんすもんね。」

山浦「あの時だけ、本気で風邪ひこうとしたのは。だって、バカじゃん冷水シャワーを浴びるなんて。」

古浜「バカですよ。だって2月だもん。」

山浦「そんなことはわかってるんだこっちも!けどそれを上回るくらい、持久走が嫌で、やったけど、自分の体力を示すだけの結果だったっていう、話です笑。」

古浜「まぁまぁ恥ですよね笑。そんなバカなことを、中学3年生の時にしたっていう。で、引けなかったっていう。」

山浦「他に恥あります?笑」

古浜「いやそりゃあ、いくらでもあるんやろうけど、いざ。思いつかへん。...…まぁでも小さい、中学生とか、さっき高校生の時の話しましたけど、そういうちっちゃい頃の方が、今思えばそんなことようしたなぁみたいな、エピソードはある気がしますねやっぱり。」

山浦「おっと?え、、、飛び降りた?」

古浜「飛び降りた?」

山浦「え、坊ちゃん。」

古浜「坊ちゃん?ごめんなさい、どういうヒント?笑」

山浦「あ、ヒント1:坊ちゃん。」

古浜「坊ちゃん。」

山浦「ヒント2。」

古浜「ヒント2?」

山浦「夏目漱石。」

古浜「夏目漱石?まぁ夏目漱石の坊ちゃんは知ってますけど。」

山浦「あれ?飛び降りんかったっけ、あの話。」

古浜「あんま知らへん。読んだことないから。」

山浦「無鉄砲〇〇~みたいな。」

古浜「まぁそんなんでしたね。」

山浦「ほんとに?笑」

古浜「いや読んだことないからわかんないですけど笑。」

山浦「……で、なんだっけ?飛び降りたんだっけ?」

古浜「...………いやわしは飛び降りてないですよ!?そんなまっすぐ見つめられても、わしがいつ飛び降りたって言ったん!?笑 びっくりした!」

山浦「あぁ……ちょっと、坊ちゃんと古浜君が混ざってたわ。」

古浜「勘弁してください本当に笑。」

山浦「それで、何だっけ?小学生の時?」

古浜「小学生とか中学生時代なら、意外と探せばそういう恥エピソードみたいなのは見つかりそうやなっていう話よ。」

山浦「恥≒黒歴史だもんね。」

古浜「そういうことですね、まぁ今思えばかわいい黒歴史なんかいくらでも見つかる気がするんで。なんかあるかな~。でも意外となんかもう、小中なんか先生に怒られたこと無いような優等生やったんで。」

山浦「私もね、あまりにも良い子な。...…中学校とか高校生の頃からさ、変わった?人格。」

古浜「いや、結構変わったと思います。」

山浦「そうなんだ!」

古浜「大学生になってから結構変わったなぁと思いますよ。」

山浦「どういう風に?」

古浜「元々そんな、よく人前でしゃべるようなタイプでもなかったんで。」

山浦「それは何が変えたの?」

古浜「なんすかね~。なんか、人慣れしたんじゃないですか?大学生になって、上京してきて。」

山浦「周りに人が増えてってこと?笑」

古浜「コギト入ってから変わりましたよ結構。元々役者なんてするつもりで入ってきてないんでわしは。」

山浦「え、最初...…あ、脚本書きたかったって言ってたっけ?」

古浜「そうそうそう。」

山浦「別に演じなくても、脚本、っていう感じだった?」

古浜「そう、そっちでいくつもりだったけど、役者やろうって言われてやって。ハマって。そのまま人格も変わって、ぐらいの感じです。」

山浦「人格笑。役者やることで変わるんだ。」

古浜「変わりますね、やっぱり。」

山浦「じゃあ私ももう一段階進化する可能性がある?」

古浜「まぁそれを進化と呼ぶかどうかはわからへんけど、変わる可能性はいくらでも。」

山浦「へぇ。私は結構中学校の時からずっと、地続きな気がするから。」

古浜「そうなんですね!このままの弥桜さん。」

山浦「わかんない。いや、中学は流石にもうちょい調子に乗ってたかもしれないけど。」

古浜「中学校何部やったんですか?」

山浦「ダンス部。」

古浜「あ、もう中高ダンス?」

山浦「中高一貫だったから、そう。ダンス部で。」

古浜「なんかダンス部で失敗した、みたいなの無いんすか?それこそ人前に出るものじゃないですか、ダンスって。」

山浦「うーん、何だろ、そのダンスの空間において、例えば、振りをミスったことなんていくらでもあるけど、それって別に話す価値はないじゃん。私が、『間違えちゃった!』ってだけで、面白エピソードではないから笑。」

古浜「確かに。」

山浦「まぁでも、確かに、ダンス部に入ったのは結構ターニングポイントというか、なんか意外な。私はピアノやってたし、なんとなく音楽?楽器好きだったから、吹奏楽部に入るもんだとばかり思ってて中学校行ったのに、いつの間にかダンス部入ってたから。そこは結構、ターニングポイントだけど、、、どうなんだろう?人格という意味では、そんなに変わったかなぁ。」

古浜「なるほどね〜。まぁ確かに、わかんないもんすよ。意外とぬるっと、多少変わってはいるんでしょうけど。」

山浦「それはそう、絶対に。え、なんかさ、昔の自分のLINEとか見返すとさ、何この口調!?みたいな。」

古浜「それはめっちゃ思う。え、いつからスマホ持ちました?」

山浦「多分ね、中2くらい。」

古浜「中2くらい?まぁわしは高校生からなんですけど、もうなんか、自分の変遷が分かりますよね。この頃は気取ってて、この頃は急にきれいな文章を使い始めて、みたいな。どうしたん?当時の自分、みたいな。」

山浦「そうそうそう!なんか、1番分かりやすいのでいうと、『笑』みたいなやつあるじゃん。昔は『www』だったの。でもなんか今『笑』しか使わないの、漢字の。あれ何なんだろうね。」

古浜「確かに。」

山浦「え、今どっち?」

古浜「わしは『笑』ですよ。」

山浦「なんだろうね。でも大学生ってなんか『笑』の人が多くない?」

古浜「『www』は恥ずかしくて使えないす。それこそマジで。」

山浦「恥ですか?笑」

古浜「それこそ恥かもしらへん。」

山浦「居るかもしれんよ?笑」

古浜「昔も使ってへんけど。」

山浦「え!」

古浜「わし使ってないすよ。高校時代は笑い2つ重ねてたんすよ、『笑笑』。が、恥ずかしくなって。」

山浦「待って!私『笑笑』別に使うんだけど!」

古浜「いやだからほんまにおもろいなってときは『笑笑』使ったりもするんすけど。これや!ここぞ!ってときに笑。」

山浦「え、私今も『笑笑』使うな、、、。」

古浜「そんな使ってます?弥桜さん。」

山浦「わかんない。じゃあそこまで面白くないのかもしれない笑。」

古浜「そういう話はしてへんけど笑。」

山浦「なんか、そこのね、変な感覚というか。いつの間に自分は『www』から『笑』になったんだろう?みたいなのはあるね。」

古浜「うん、結構ありますよね。そのだから、それこそ、いざさっきみたいなエピソードなんて話すほどのもんではないけど、いざ振り返ってみたら、恥で、ちょっと変えていこうみたいな自分が、過去振り返ってみたら居る、みたいな笑。」

山浦「いや別に、変えようとは思わないけどね、あれを。私はもう一回持久走大会があったらもう一回チャレンジするけどね!」

古浜「今、冷水シャワー浴びんの?22歳。」

山浦「22歳、冷水シャワー、浴びます。」

古浜「22歳の冷水シャワーはもう、伝説やで。絶対風邪引けへんし、どうせ。」

山浦「それはそうなんよ笑。でも持久走の方が嫌なんだもん。だから、恥か、嫌なことどっちを取るかっていうね。」

古浜「あ、その観点は確かにあるかもしれない。嫌なこととだったら別に恥を恥と感じないですもんね。だって、今恥エピソードとして喋ってるけど、当時冷水シャワー浴びたことを別に弥桜さん自身は恥と思ってないでしょ。」

山浦「後悔はしてない全然。だってほんとに、いやむしろ何で風邪引かなかったんだっていうところにだけ。」

古浜「そっちに後悔笑。本気でしたもんね?当時の弥桜さんは。だから意外とそういう、恥ずかしいことも本気でしたら、恥じゃないわけですよ。」

山浦「あ、そういうことかもね!......あ、やばい怒られるかも。」

古浜「何で怒られるねん。」

山浦「いや、なんか、わかんない。いやだってさ、演劇とかも普通に人前に出て演じるって結構ハードル高いことじゃん。」

古浜「まぁそうですよね。」

山浦「でもそれが好きなわけじゃん、コギトの人たちは。」

古浜「そうですね。」

山浦「そう、だから、そこにね?やっぱ同じ…………かなぁ?やっぱ違うかもしれない。」

古浜「何が?何と?」

山浦「やばいこれは怒られるわ……!」

古浜「冷水を浴びた弥桜さんと、演劇してるみんなが、同じかもしれないっていうのは、よくわかんないっす笑。」

山浦「やーばい。いや、違うって。待って待って……怒られるこれは!……いやでも、私のニュアンスを感じ取ってほしい。」

古浜「うーん。」

山浦「いや違うね?わかった、一般化するわ。」

古浜「はい!」

山浦「だから、その、例えば、ハードルの高いことがあるわけじゃん。冬に冷水を浴びる。」

古浜「ははは!まぁ高いですわ!笑 めっちゃ嫌やもん!夏でも嫌やもん!」

山浦「まぁあとは、人に依るかもしれないけど、その、人前で演じる。まぁ、ある程度のハードルがあるわけじゃん。」

古浜「はい。」

山浦「でも、それ以上に、成し遂げたいことがある!笑」

古浜「はい!笑」

山浦「から、ね?人はそこに向かうわけじゃん!……できてるかな、これ。一般化笑。」

古浜「一般化と呼ぶんだこれを笑。めっちゃおもろいわ。まぁ確かに納得させられたんで、一緒なんでしょうね、きっと。」

山浦「でも怒られないか心配だな今の部分……。」

古浜「でもそれこそ、恥って言ったら難しいなって思うのが、舞台上で失敗しても、恥にはならんなって思って。」

山浦「それはそうじゃない?」

古浜「初めて役者やったんが、昨年の一橋祭なんですけど、2日目の初ステかなんかで、衣装間違えたんすよ。」

山浦「えぇ!一平?」

古浜「一平の時に、わしは縞々のボーダーTシャツ着てたじゃないですか。で、一橋祭っていったら11月も半ばを越すわけで寒いじゃないですか。」

山浦「それはそうだね。」

古浜「めっちゃ半袖短パンでやってて、裏がめっちゃ寒くて、裏で待機してるときはコギトパーカーを着てたんですよ。で、出番前に脱いで行くってことにしてたんですけど、そのステでわし、脱ぐの忘れて。あのシーンあるじゃないですか、シーン0の、タオル投げ合うシーン。あれコギトパーカーで行ったんですよ。演出の先輩ですら気づいてなかったんやけど。」

山浦「へ~!」

古浜「後で『マジで衣装間違えましたんすけど。』って言ったら、『気づかんかった。』って言われたから。でもお客さんも多分わからへんと思うから。」

山浦「逆にね?あのシーン0だからこそ。」

古浜「そう、0だからこそ、あそこは一平人格じゃないから。で、その後が暗転で、ダーって舞台上で脱いで、暗転中に舞台袖に放り投げたんすよ。」

山浦「そっか!1まで捌けないのか。」

古浜「捌けないから、そのまま出ちゃうから、シーン1で。で、その時にはボーダーになってることに成功したから。ギリギリリカバリーはできたんすけど、マジで焦ったんすよ。」

山浦「良く気付いたね。」

古浜「まぁでもいうたら、恥じゃないですか。舞台上で、衣装を間違えるって大ミスやけど。」

山浦「うーん、や、でも、恥じゃなくない?」

古浜「そう、恥じゃないねん。」

山浦「いやわかるかも!恥の定義かもしれない。」

古浜「そう、恥の定義の話をしましょ。」

山浦「だってその、古浜君からしても別に恥じゃないと思うし、私がその話を聞いても、全然違うと思う。けど、何だろう定義。」

古浜「なんですかね~。失敗って恥ずかしいことじゃないですか。」

山浦「まぁ、ね~。」

古浜「でもこの失敗って恥とかじゃなくて、なんかもう、後悔とかじゃないですか。恥とかの感情にならない。見てる側も、やった側も。」

山浦「ムズイな。でもさ、何だろう。例えば、そこにすごい、熱い気持ちがあるわけじゃん。……熱いこと言った今?笑」

古浜「言ってないっす笑。」

山浦「言ってないか笑。ね、すごい、素敵な気持ちがあるわけじゃん、演じてる中にね?でも、その素敵な気持ちがあるから、恥にならないかって言われたら、別にそうでもない気がしない?それが別に定義になるわけではなくない?」

古浜「まぁそれはそう思いますね。」

山浦「だって私……やめようか。」

古浜「なんすか、何言おうとしたんすか。」

山浦「いやまぁ私も、熱い気持ちがあったけど、それは恥なわけで。」

古浜「あれは恥なん?笑 だから、マラソンの話やろ?」

山浦「いや、わかんない。私からしたら、」

古浜「熱い気持ちがあったんすもんね?本気でマラソンを走りたくないっていう熱い気持ちを、冷やすために、冷水シャワーを浴びた結果、風邪を引けなかったっていう、それは弥桜さんにとって恥じゃないわけじゃないですか。」

山浦「なんか、なんだろ。自分から見たそのエピソードと、自分が客観視してるエピソードがあるわけで。まぁ客観視したら恥、でも自分からしたら必死。」

古浜「なるほど笑。」

山浦「まぁだからムズイよね笑。でも、え~、気持ちが伴えばそれは恥じゃないかって言われたら、そんな簡単な話でもない気がするけどね。」

古浜「うーん、まぁ我々さっきから恥エピソードみたいなん話してるけど、突発的に恥ずかしいって思ったエピソード一個も話してないじゃないですか。」

山浦「わ!いくらでもあんのにね!?」

古浜「そう、後から思ったら、ちょっとあれ情けないことしたな、みたいなのを恥と名付けて喋ってるだけで、当時は、弥桜さんからしたら必死で冷水シャワーを浴びてるわけで、わしはただ眠いからトイレで寝てたわけで、で、舞台上でガチでミスってるわけで。当時恥ずかしいって思ってなかったのを、今話してるっていう。」

山浦「なるほどね?後から考えてるんだ。」

古浜「だから、当時恥ずかしいって思ってたエピソードは、今一個も頭に思い浮かんでないわけで。」

山浦「あぁ、もう忘れようとしてる?」

古浜「忘れちゃうんだ、勝手に脳みそが。」

山浦「なるほど、恥ずかしすぎると、忘れちゃう笑。......あ、つまり、恥=きょ、きょくう?」

古浜「きょく?どういうこと!?どっから出てきたんそのひらがな3文字は笑。」

山浦「合ってないかな?笑......本当の恥は、思い起こそうとしたときにはもうそこに存在しない。」

古浜「はいはいはい。」

山浦「だから、無かった。きょくう。」

古浜「あ、きょくうか。きょくって言ってるんかと思った。ほんまに怖かったわ。」

山浦「え、何だと思ってたの?笑」

古浜「曲って聞こえたから。急になんか、バンドマンみたいなこと言いだすんかと。」

山浦「違う違う笑。え、きょくうだったらわかってもらえる?」

古浜「言いたいことはわかりますよ笑。ワンテンポ遅れてもうた。...…きょくうって日本語ほんまにあります?」

山浦「いや、わかんない。なんだ?虚無?虚無ではないよね?」

古浜「きょくう?虚構?」

山浦「あ、虚構だ!」

古浜「虚構の方が近いんちゃう?きょくうはちょっと違うんちゃいます?笑」

山浦「だから、その、パラドックス笑。」

古浜「ちょっとあの、難しい言葉使おうとするのやめましょ笑。もうなんかおかしなってる笑。それが恥かも。今恥ずかしいんちゃう?」

山浦「ね~やめてよ~!そんなイキリ大学生みたいなさぁ!笑」

古浜「だってもう何言ってるかわからへんもんさっきから!笑 でも今みたいな感情は後からエピソードにしようと思っても話されへんから、だいぶ、伏線は回収できてますよ。」

山浦「ほんとに?笑 まぁだから恥は、恥ずかしすぎて、脳が忘れちゃうから、思い返そうとしたときにはそこには無い。」

古浜「そういうことですね。」

山浦「めっちゃ正解じゃない!?」

古浜「そうですよね。だから自分自身もすぐ忘れてまうし、他人から言われることもない、他人も気にしてないから。恥ずかしいって感情は、一時のものなんやと。」

山浦「おぉ~!...…じゃあ、人生ガンガン行こうぜってこと?」

古浜「人生ガンガン行こうぜってことです。」

山浦「これ結論?」

古浜「これ結論ですわ。最終回みたいなこと言ってますけど。」

しばし沈黙。

山浦「……今日は良い1日でしたか?」

古浜「ははは!もう夜ですからね笑。今日は良い1日です。」

彼らの会話はもう少しだけ続くようですが、今日はここらで終わりにして。
次はどんな会話が聞けるのでしょう?喫茶アトリエはまだ開店したばかり。またお越しくださいね。

公演情報

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劇団コギト2023年度一橋祭公演
『7×7のモラトリアム』
脚本・演出 高尾友季
「喫茶店は、道の途中で立ち寄る所。そんな場所に彼らは住んでいた。」
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◆出演
伊藤朝輝 杉本周平
羽尻結衣 藤田ひかり 古浜奨真

◆日程
11/24(金) 11:00~ / 14:30~
11/25(土) 11:00~ / 14:30~
11/26(日) 10:30~ / 14:00~
※開場は開演の30分前です。
※上演時間は約80分を予定しております。

◆料金
無料(カンパ制)
*本公演は無料ですが、ご予約も受け付けております。お席はご予約の方を優先いたします。
下記 URL よりお手続きください。

◆会場
一橋大学⻄キャンパス学生会館 1F アトリエ
アクセス
JR中央線 国立駅南口より 徒歩15分
JR南武線 谷保駅北口より 徒歩25分
*会場がわかりにくくなっておりますので、お時間に余裕を持ってお越しください。

◆スタッフ
舞台監督   佐藤愛佳
舞台監督補佐 陽美雄月
演出助手   小田悠生 中村紘夢 らむ
舞台美術   佐藤あい 富田皐央 濱野あすか
       陽美雄月 山田彩絵 リーナ
制作     岩田大煕 齋藤よしみ 298
衣装     近江天音 菅野咲名 土屋陽菜 山葵
小道具    久保聡琉 長月小雨 らむ
宣伝美術   久保田広輝 錆田 ひらお
広報     川井直太郎 川口芽萌子 宮野浩真 山浦弥桜
照明     黒崎陽人 山本翔
音響     中嶋悠太 成田明由
音響補佐   千足海都
作曲     高尾友季
編曲     中嶋悠太
応援     天野友花梨

◆お問い合わせ
一橋大学 劇団コギト
連絡先
cogito.pr@gmail.com (制作 岩田)
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