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『感泣亭秋報』終刊号
昨年の晩秋、『四季』の血統を関西で継いできた同人詩誌『季』が115号をもって尻切れ蜻蛉のやうに廃刊しました。そして一年後の今秋、たうとう『感泣亭秋報』も18年18号の歴史を閉ぢることとなりました。
秋のひとつ星フォーマルハウトのやうに、寥々たる抒情詩文芸界のなかでひときは存在感を放ってゐた年刊雑誌だっただけに、巻を追ふごとにページ数を増やしてゆき、そのさきに終刊を迎へたことも何かしら“星の一生”を見とどけるやうな気持ちがしてなりません。
みなさんから惜しみない讃辞が寄せられた最終号。懐旧譚の中でも「小山先生三話(新井悌介)」、「つね子さん(梶三和子)」、「感泣亭に感泣(渡邊俊夫)」、「小山邸訪問記(瀧本寛子)」などが心に残りました。
そして事前に終刊の予告があり、依頼をいただいて一文を寄稿させて頂いた私自身もまた、8年越しで携ってきた先師田中克己の日記帖を丁度公開し了へたところであってみれば、尊父小山正孝の詩業顕彰に一区切りをつけられた正見氏と同様、やるべきことはなし終へたやうな感慨に、不肖の弟子ながらひたってゐるといふ次第です。
『感泣亭秋報』のこれまでの歩みについては、巻末に正見氏が記した「感泣亭アーカイヴス便り」が、誌面を学術誌並みの品格にまで高めた寄稿者の貢献について、簡潔かつ的確に紹介されてゐて遺漏がありません。18年の歴史の概略を知ってもらふためにも、是非読んで頂きたく茲に掲げさせて頂きました。
また私よりは過去に拙サイトに上した駄文も再掲いたします。
正見様、長きにわたる御編集、本当におつかれさまでした。
『感泣亭秋報』18号 2023年11月13日(毎年の詩人の祥月命日)発行
A5版 218頁 発行人:小山正見 発行所:感泣亭アーカイヴス
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