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なぜ脊柱管狭窄症に陰部神経刺鍼が有効なのか?

脊柱管が狭窄してしまう脊柱管狭窄症。主に神経根型、馬尾型、まれに脊髄型、の3つがあります。狭窄してしまう要因は、椎間板ヘルニア、脊椎椎間板症、脊椎すべり症、黄靭帯肥厚など。

要するにどんなものであっても、脊柱管が狭窄すれば脊柱管狭窄症です。以前に「一つの病院では椎間板ヘルニア、別の病院では脊柱管狭窄症といわれた」という方がいました。医療機関によって診断が違う、と戸惑っていらっしゃいましたが、これは椎間板ヘルニアによって脊柱管が狭窄しているということです。もう少し詳しい説明があればよかったと思います。

治療法には、保存療法と手術療法があります。脊柱管狭窄症が、神経根や馬尾が物理的にストレスを受ける疾患であることを考えれば、この物理的ストレスになっているものを取り除かない限り緩解はみられず、最終的には手術ということになります。しかし保存療法でよくなるケースもあります。鍼灸治療は保存療法の一つで、中でも「陰部神経への刺鍼」は一定の効果が認められています。

陰部神経刺鍼とは、文字通り陰部神経に鍼をすることですが、なぜ神経を鍼刺激すると症状が軽くなるのでしょうか?

神経には、運動神経と感覚神経があります。手や足などの体の各器官を動かすための神経が運動神経、痛みなどの外部からの刺激を受け取って、その情報を脳へ伝えるのが感覚神経です。

感覚神経を鍼で刺激すると、その鍼の刺激によって、元の痛みが打ち消されます。例えば、体のどこかをぶつけた時に、無意識にそこを抑えるのは、抑えることで最初にあった痛みが和らぐからです。鍼を打ったからといって、脊柱管狭窄を引き起こしている諸々の物理的ストレスがなくなるわけではないのに、脊柱管狭窄症の症状が緩和されるのは、このようなメカニズムによるものです。

でも、その症状緩和は一時的なもので、しばらくすればまた再発するのではないか?と、そういう懸念はあって、これはやってみなければわからないのが本当のところです。しかし、一旦痛みに対する感受性を元(正常な状態)に戻すと、それ以来、物理的な刺激があったとしても、痛みなどの症状は再発しない、ということも実際にあります。これは椎間板ヘルニアがあっても腰痛がない人も大勢いることと同様です。

読んでくれてありがとうございます。

ストレッチなど自分でできることは自分でやって、それでも良くならないときは、鍼療法を受けてみるのも良いのではないかと思います。


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