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注意散漫になる時、
大概、その理由は、下のいずれかにあてはまる。

何か忙しいことに追われている友達に対し、実際なかなか連絡が通じず、
それでもなお、彼女と話したい。
素敵な本と出会って、思わずガッツポーズを取りたくても取れず、代わりにその余剰エネルギー分を、心で包摂しようとするが故にリミッターが狂い、
一時、身体性が異常に高まってしまう。
訳も分からない何かに悩んでいる。
結局それは、自分がそんな錯覚に陥っているだけとわかる、オチ付き。
強引に輩が私の集中を阻害してくる。
これは同時にイライラを引き起こす触媒的な役割も果たすので、
もうそうなれば最後。
私は1日中、何もできないくらい荒れ狂う。ヒトを卒業する。
新しい場所にたどり着き、高揚感よりも不安が勝る。
私の言っていることが相手に伝わらない。
相手の言っている意味が全く分からない。これはよくある。

注意散漫だからと、私には憂鬱なことではない。
集中できないってことは、
単純にそれだけ刺激を浴びているとも解釈できるから。
私は解釈の達人だ。
がしかし、
散漫な状態に陥ってから、集中する状態へと変態するのには失敗する。
解釈はこの場合、力及ばずだ。

昨日、私の目の前に、
頭をわずかに前後に揺らし続ける中学生が座っていた。
相当な睡魔と彼の中の自制心とが熾烈な格闘を展開していたのだろう。
時々垣間見せる彼の表情が、渋柿のように険しい形相を呈していたから。

さぁ、そんなこと気にも留めず、読書に集中するぞと心決めるも、
彼の様子、少し先の未来の彼の様子を観たくて想像してしまって、
読書に集中する一寸の間さえも保てなかった。

だが、
結果を気持ち良いものに収めようというとき、
解釈は力及ぶ。

人間は生き物なんだから、と。

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