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妖怪を飼う私たち
触れないで
いやいやそっちこそ
だからこっちだって余裕がないんだって
あなたの隣、隙間あるじゃない、詰めなさいよ
だから、触れるなっていってるだろ
じゃあ押してくるなよ
必ずしも彼らに悪気があったわけではない
ただ、群として映ったそれらの様相は、まるで悪気の温床であった
お互い様であるはずなのに、
みんな妖怪になってしまう
どんなに群での生活に慣れ、それを時には
心の底から感嘆してしまう私たちであっても、
群でいることに大いに哀れむことがある
そこには、
睨みの妖怪、
ため息の妖怪、
カバン押しの妖怪、
腕組みの妖怪、
バンザイの妖怪
・
・
・
などなど、たくさんの妖怪を目撃できる
なんでこんなところに居るんだろ
みんな妖怪へ変身する前に、誰しもがそんなことを思っている
みんなの中に飼われている妖怪は、いつ退治されるのだろう
いい妖怪もいるが、これらは悪い妖怪だろう
教えてくれ、だれか
世界のどこかに妖怪のいない街はないのか
もし知っている者がいたら、
まず日本を訪れ、妖怪を目の当たりにし、
もしあなたのアドバイスを生かせると感じたならば、恐れず
教えてくれ
いつかこのままでは、
飼っていた妖怪に私たちそれぞれが知らぬ間に、
飲み込まれていってしまう
もうすでに警鐘はならされている
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