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とろとろ系オムライスについて


オムライスとはご存知の通り、
チキンライスなどのご飯を薄く焼いた卵で巻いた
一手間加わった料理だ。
オムレツとライスの融合。
舶来文化を
「なんでも自国の文化に取り入れてしまう病」により
発明された日本料理である。
この料理は、美味しさもさることながら、
わざわざ「包む」という行程を組み込むことにより、
見た目の楽しさが加わることになり、
ちょっとしたワクワク感を伴う。

ここ近年においては、
半熟オムレツを作り、包丁で切れ目を入れて、
トロトロの卵がご飯の上からかかり、
デミグラスソースで食べるという調理法も外食においては見られるようになってきた。 

どちらもオムライスであるが、
トロトロ系オムレツは焼き手に熟練のスキルが必要になるため、
家庭ではなかなかお目にかからないものである。

一方家庭では、
ケチャップで遊ぶということが行われ、
新婚家庭においては、ハートマーク。
子供がいる家庭ではお絵かき、
私においてはおふざけタイムのキャンバスとして
活用されており、
幸せな家庭の象徴とも言える料理となっている。

もちろん寂しいシングル世代には、
秋葉原に行くことで解決される仕組みが構築されており全く問題ない。メイド喫茶だ。
日本はよく出来ている。

このように、さまざまな世代、場面において
浸透しているオムライスであるが、
原価を考えると、
ハンバーグやビーフシチューなどと比べると
かなり安く抑えられるはずであるが、
トロトロ系オムライスはそれなりの
価格設定がされていることが多い。

これは、技術料が乗っているからだ。
同じ食材を使っていても素人には 
再現できない技術が伴うことで付加価値を生み、
単価向上を見込むことが可能となったのである。

「原価厨」と呼ばれる原価を気にする人たちからは、
このトロトロ系オムライスは攻撃対象となる。
トロトロしているだけで高すぎるというわけだ。

しかし、私はこういった人たちには
同調しない。
外食においては原価にだけ
お金を払っているのでなく、
そのスキルや場所に応じたお金を払っているのだから。

もちろん、高いオムライスであればあるほど、
トロトロ加減が神がかったものでないと納得しないが。
しかし、高度な技術が垣間見えるならばそこには喜んでお金を払うのだ。

 
さて、最近は私の文章においては
歯に絹着せぬ一刀両断が多い中、
今回はどんなオチが来るのか、冒頭から期待して読み進めていた読者も多いと思う。

しかし、残念ながら、今回はハズレだ。
何を隠そう、私は日頃から
「はにゃ」とか「むにゅー」とか「だにゃあ」といった言葉を発する
キモおじさんであるのだ。
なんなら「おいちいでちゅ」とさえ言いかねない。
だから、実はトロトロ系オムライスは、
全然OKなのである。

予想が裏切られたら幸いだ。
また会おう。

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