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●私と珈琲と衛星ができるまでの地図 〜はじめに〜●

まずはじめに断っておくけれど、この連載は喫茶店ができるまでの具体的な工程やハウツーではない。だからそれを期待して読むと期待外れかもしれない。
ただ、なんの資格も技術も持っていなかった人間が小さな喫茶店を開くことができたというのを知るのことはできる。
そして、それを語るには自身の生い立ちだとか性格だとかの自己分析を絡めながらでないと、まるで色も中身もない上辺だけのものになってしまうだろう。
だからとても複雑で回りくどい内容になる。それでも少しずつ始めてみたいと思う。誰かに何かを伝えることを、しないよりはきっといいはずだから。

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私がどのように人生を歩んできたかを誰かに知ってもらうには、とてもとても時間がかかる。
いろいろな方向から説明しなくてはならず、まるで絡んだネックレスのチェーンを解くように少しずつ少しずつ丁寧にしなくてはいけない。

珈琲と衛星ができるまでを伝えるにも長い物語がある。
端折って説明することもできるけれど本質からは離れてしまい、私の物語ではなくなるような気がする。
単に夢を叶えたという話ではないのだ。今までの人生があって、どうやって目的地を決めることになったのか、そしてそこに向かう道を作りながら歩いたという工程がないと珈琲と衛星にはならない。
大仰かもしれない。誰かにとっては、なんだそんなことと笑うような話かもしれない。でもなるべく仔細に、狂うことなく伝えてみたいのだ。横道に逸れるような話でも、迂回して結局は繋がる道であったり、逆にそれが合点の近道だったりする。中年になってやっとはっきりした意識で歩き出した人の人生というものを、ほんの少しでも何かの役に立つように、誰も彼も抱えているものは間違いではないと伝えるために書いてみる。

いろいろな角度からではないと伝えるのが難しかったりするので、時系列も話の筋もバラバラかもしれない。
それでも切れ端を繋ぎ合わせればやっと全体が見える地図にはなるだろう。
私という人間と、珈琲と衛星という喫茶店、そして世の中と繋がる地図に。

どれくらいの長さになるか今は計り知れない。
語ることはたくさんあるようにも思えるし、実際書いてみると意外に短いかもしれない。
私の人となりのこういう部分が珈琲と衛星に繋がっているというような内容になると思う。お店の話よりも自分の話の方が多くなるかもしれない。どちらかというと暗い話の方が多いかもしれない。

それでも読んでみようかなという方はどうぞよろしくお付き合いください。

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