「これとこれと…あれも買って」
僕は我儘で欲が深いフリをする。彼は「してあげる」ことが大好きだから。
僕に物欲や我儘を言うほどの強い自我もない。だから彼の気を引くために毎日頭を働かせる。
本当は傍にいれば十分。でもそんな陳腐な自分を押し殺して、今日もまた彼の横で唇を尖らせるのだ。

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