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コーヒースタートアップ1年目を振り返る

世の中のほとんどの方が経験することのない"スタートアップの創業と経営"という体験を自分の中でなるべくリアルに残そうと思い、noteを都度更新していくという決意を新たに始まった2023年。

振り返ってみればそんな余裕は一切なく、あっという間に大晦日を迎えてしまいました。

この1週間ほどは私も少し早い帰省をしていましたが、ゆっくりする間などなくずっと作業をしていました。お酒の一滴も飲んでいません。まあ、スタートアップ経営者の年末なんてそんなもんでしょう。
今は東京に帰る飛行機を待っています。その間に、慌ただしくはありますが株式会社Oriental Coffee Ventures の1年目を振り返ろうと思います。

悔しさ、不安、焦り

結論から言えば、年末に相応しい「達成感」や「晴れやかな気持ち」というのはほぼありません。
出来たことより出来なかったことの方が多く、個人的にはとても悔しい1年でした。日々津波のように押し寄せてくる不安や焦りとうまく付き合いながら、Lonich, やHeirroomのサービスがどうしたら皆様に喜ばれるか考えてとにかく毎日手と足を動かす、そんな日々でした。今日もそうです。

前職の商社はもちろん楽な仕事ではなかったのですが、他方でスタートアップの経営が決して楽だと思っていたわけでもありません。
それでもこのスタートアップ特有の"ひりつき"は、なかなか前々には想像が難しい感覚でした。

自信、期待

他方で、成長を続けながらも流通経路が限定的且つ分断されているアジアのスペシャルティコーヒー市場の中で、消費流通の部分の中核を担い、より多くの消費者に美味しいコーヒーを届けられるプラットフォーマーになり得るのは自分達であるという、描いている未来は間違ってはいないという自信があります。

また、今仕込んでいる案件などから、24年への大きな期待もあります。
そのうちの2つを紹介すると、1つはHeirroomにおけるオフライン接点の拡大です。
Heirroomは当然ECサービスですので、オンラインでの接点がメインにはなるのですが、スペシャルティコーヒーのプラットフォーマーとしてお陰様で全国の商業施設様やその他企業様から多くのお声掛け頂いております。
24年は全国でHeirroom Coffee Festivalを始めとした、オフラインの接点を設けることができるかと思います。

首都圏のロースターは地方のお客様と直接コミュニケーションを取りファンを作り、地方のロースターは首都圏のお客様と直接コミュニケーションを取りファンを作り、オンライン(EC)で継続的に商品を選べる。
オンラインでもオフラインでも、全国のロースターとお客様を繋ぐ流れを加速して参ります。
"コーヒーを買うならHeirroom" そんなポジションを24年に確立していきます。

2つ目は海外展開です。
Heirroomは1月下旬より、フィリピン/シンガポール/タイ/台湾向けにサービスが開始される予定です。また、Lonich, の海外店オープンも24年後半に予定されており、シンガポール/タイ/フィリピンでパートナー候補との協議が始まります。

類い稀な円安、また越境ビジネスがさほど困難ではないこと、さらに海外からの日本のロースターへの注目度が急激に増している昨今、日本のみで事業を完結させるのは非常に勿体無い。
この辺は元々商社にいたので特有の感覚かもしれませんが、日本で完結する事業の方が小さいし怖いしリスクです。

ぜひHeirroomと一緒にアジアへ出ましょう。

感謝

商社時代感じたことのないレベルの不安や焦りがありながら、なんとか先ず1年やってこれたのは、紛れもなく普段Lonich, やHeirroomを利用して頂いている皆様、パートナーロースターの皆様、そして過酷なスタートアップ1期目に飛び込んでくれた社員の皆様のお陰です。

悔しいことは多かったものの、23年は「出来たこと」はたくさんあります。
多分、普通のコーヒー会社やロースターの1年目と比較するとかなり沢山のことを「出来た」方だと思います。

1年目からVC様から40百万資金調達して、
オープンしたブランドは2ヶ月でめざましテレビに出て、
数多あるコーヒーブランドの中から出来て数ヶ月のブランドが蔦屋書店様やマルイ様、札幌ドーム様はじめとする館様と組んで出店して、
China Brewers Cup優勝者が使っている"LiLi Dripper Mini"と中国3大コーヒー器具ブランド"MHW-3Bomber"の日本向け販売権を取って、
中国 雲南省プーアルやアフリカからトン単位で生豆を輸入して、日本で初めて(多分)Best of Yunnan入賞ロット(Natural 2位)を輸入して、
Day1 から日本最大規模のコーヒー専門ECサイト"Heirroom"をローンチして
SCAJでは3小間取ってHeirroomを出店し、パートナーロースター様のお陰様で超絶満員となり、
Coffee Village やYokohama Coffee Festivalでは数多くの有名ブランドが出店されている中、Lonich, のブースに長蛇の列ができ、
バンコクNo.1 ロースターの「NANA COFFEE ROASTERS」とマニラNo.1 ロースターの「Yardstick Coffee」とコラボして。

等。

不安や焦りや悔しさがあっても、現場で時折出会う皆様の笑顔やSNSで見かける支持/応援に触れる度、心が洗われます。

まだまだ未熟なサービス、企業でありますが、24年もどうぞよろしくお願いいたします。
Lonich, は明日から営業開始しております。三が日は私が立っておりますので、ぜひお越し下さい。Heirroomも今後一生ご利用ください。



株式会社Oriental Coffee Ventures 
丸山伶介

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