夢をかなえるゾウ③
■笑わせる
かなり昔、某牛丼チェーン店に入った時のこと。
当時は牛丼ブーム真っ只中でなんと並盛280円。
(冷静に考えるとめちゃくちゃ安いな・・・)
学生の私は「ネギだく&汁だく」派の中二病。
ちょっと通ぶった注文をしてさあ食べるぞ!
と箸を取ったところで事件発生。
「ちゃんとやったのか!?ああ!?」
突如店内に響き渡る怒号。
どうやらベテラン店員さんが新人店員さんに
キレ散らかしていらっしゃるご様子。
期待に膨らみまくった食欲は一瞬で萎えてしまい
(おいおいケンカはやめてくれよ・・・)と
いたたまれない気持ちで牛丼を食べ終えた私に
満足感なんてあるはずがありません。
私は大きな学びを得ました。
「食事の環境ってめっちゃ大事!」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
こんな風に「空気が悪いところ」って
なるべく近づきたくないです。
こっちの心までマイナスに引っ張られるから。
でもね、私たち人間の中には
それはそれは特殊な才能を持つ人がいます。
険悪な空気だろうがなんだろうが
カラっとすがすがしい空気に変えれる人。
そんな稀有な才能を目の当たりにした話をひとつ。
学生時代のことですが、クラスの話し合いで
「あーでもない、こーでもない」とまとまらず
疲れた、だるい、もうやめようぜ、的な空気が
広がりまくっていたときのこと。
クラスのリーダー的存在A君が言いました。
「ちょっと待って、何か聞こえない?」
教室が静まり、全員が聞き耳を立てるとなるほど
教室の外、中庭の辺りから歌声のようなものが
どんどん近づいてきたのです。
「ブラック、ブラック、ブラック、
す~ぱ~ブラック!
ブラック、ブラック、ブラック、
す~ぱ~ブラック!!」
理由は分かりませんが一人の男子学生が大声で
謎の歌をリピートしながら練り歩いていました。
そして歩調も歌も止まることなく
歌をリピートしながら去っていきました。
その間、私たちのクラスは全員無言でしたが
やがて示し合わせたかのように教室全体が揺れる
大爆笑が起こりました。
もう何もかもが意味不明すぎておかしくて
その思いをクラス全員で共有できたのがまた
面白すぎて腹がよじれるほど笑いました。
笑いというのは空気を変えることができます。
笑わせるというのは「空気を作る」ことに等しい。
意図的に人を笑わせることができるっていうのは
空気を作れるとんでもない才能なんです。
人を笑わせるって、すごい。
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