見出し画像

パーム油問題のこと

ご覧いただきありがとうございます。

先日のワークショップで
お話しさせていただいた
「パーム油問題」。

さらっと事実のみを
お話ししただけなのですが
これをきっかけに話題が広がり
みなさんの様々な考えを聞くことができて
とても良い時間が過ごせました。

ざっくりご紹介します。


パーム油とは

パーム油とは
アブラヤシの果実から採れる植物油です。

アブラヤシの栽培に適しているのは
熱帯と呼ばれる赤道周辺の地域で
もともとは西アフリカ原産ですが
現在は主にインドネシアやマレーシアで
栽培されています。


パーム油の汎用性

パーム油は
世界で一番多く使われている植物油
と言われていますが
なぜそんなにたくさん使われているのかというと

石けんやシャンプーなどの洗剤類をはじめ
パンやポテトチップスなどの加工食品にも
多く含まれるなど
とても使い勝手の良い植物油だからです。

原料表示の
・植物油
・ショートニング
・マーガリン
・グリセリン
・界面活性剤
などがパーム油の別名です。

近年はバイオマス燃料としての利用も増えています。

苗を植えれば
年間を通して収穫できる時期が
約20年以上続くなど生産効率が高く
また価格が安いことも
パーム油が多く使われる理由です。

ここで問題発生

増え続ける需要に応えるべく
供給量を増やすため
東南アジアの多くの熱帯雨林や泥炭湿地が
開拓されプランテーションが作られました。

熱帯雨林が破壊されることにより
多くの野生動物が命の危険に晒されています。

また開発に伴う人権侵害や
プランテーションでの劣悪な労働環境など
人道的な問題も引き起こしています。

(問題は他にも色々たくさんあります。)

パーム油を使わないことで起きる問題

ではパーム油の生産に
こんなにも深刻な問題があると知った時
わたしたちはどう行動したらよいのでしょうか。

パーム油を使うのをやめる。

これは一つの選択肢です。
実際にパーム油を使わない石けん作りをしている
個人の石けん教室や企業も存在します。

需要が減れば供給が減り
発生している様々な問題も
小さくなっていきます。

ただ、パーム油を使わないことで
発生する問題もあります。

パーム油の生産が減り
プランテーションが減っていけば
そこで働いている人の
仕事がなくなってしまいます。

またパーム油を使わないとなると
代わりになる油を使うことになり
例えば大豆や菜種などの作物から
今のパーム油と同量の油を採ろうとすると
パーム農園よりもっと広い土地が
必要になってきます。
つまりさらなる森林破壊が生じるかも
しれないのです。

持続可能なパーム油

パーム油をめぐる様々な問題。
これらの問題を解決するために
環境や地域社会のことを考えた
「持続可能なパーム油」の生産が
必要であると言われています。

生産から流通まで
適正なプロセスを経て
生産されたパーム油を
生産しようという取り組みです。

これを実現させる手段として
RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)
という国際組織が作られました。

適正に生産されたパーム油には
RSPO認証マークが付いています。

日本でももともと取り組みが進んでいた
石けん業界に加え
小売業界や食品業界も
RSPO認証油を導入するなど
活動は活発化しているようです。

消費者としては
RSPO認証マークの商品を選ぶことも
問題解決のための選択肢の一つと言えます。

認証マーク

「パーム油問題」および
RSPOについてはこちらの記事を
参考にしました。


その他の取り組み

他にも地球環境を守りつつ
パーム油を使っていこうという
取り組みがあります。

生活の木で
ハンドメイドソープインストラクターの
講座を受けた時に聞きました。
生活の木やヤシノミ洗剤のサラヤなどが
行っている取り組みです。

パーム油を使った商品を販売し
その売上の一部で
ボルネオの森林を買い取り
森林や動物を守っていくというもの。

パーム油と熱帯雨林の
共生を目指した方法です。


ワークショップでは

「パーム油問題」について
初めて聞く方も
なんとなく聞いたことがある
という方もいらっしゃいました。

みなさんの色々な考えを
聞くことができました。

大切なのは
このような問題を知った時に
自分で考えることです。

ふーん、で終わらせることも
なにかやらなきゃ、と思うことも
できることを具体的に考えることも

どんな行動をとるとしても
自分の頭で考えること。

という結論に至った
ワークショップのお茶タイムでした。

ワークショップの様子はこちら

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?