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本当の恋

涙が頬を滑り落ちる。

いつもと変わらない朝食の食卓。
突然のことに父も母も逆に何も聞かない。

恋が終わった。
終わるとわかっていた恋の方が突然終わる恋より厄介だ。
その瞬間までの間に思い出を美しく飾り立てて
振り返ってダイヤの涙を流す。
そしてその思い出をいつまでも美しいまま持ち続けてしまうから。

でも。終わった時に流す涙は全然違う温かい涙だった。
そこには意志は存在せずただひたすらにどんどん溢れ出してくる。

そしていつまでも涙は止まらず声を上げて泣いた。

先のことなど考えずに泣き続けた。
この恋の美しい鎖にいつまでも縛り続けられるのだろうか・・。
明日に向けて歩き出せるのだろうか・・。

そんなこと今は何も考えずにただひたすら泣きじゃくった。



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