Tableauによるストーリーテリングの実践
はじめに
DATA Saber認定プログラムのコミュニティ活動において、Tableauに関するブログ執筆を実施する。その第2弾として今回は、自身の知識の習得を目的に公開データを元にしたストーリーテリングを実践した。
なお、DATA Saberに興味を持たれた場合、公式サイトを参照すること。
結論
データを用いてストーリーテリングをするには、4W(What・Where・Who・When)を意識してメジャーを可視化するとよい。
理論
ストーリーテリングとは
以下をストーリー(≒流れ)に沿って伝える手法である。
何を伝えたいのか
誰に伝えたいのか
どんな行動を起こしたいか
なぜストーリーテリングをする必要があるのか
記憶に残すため
人の心を動かすため
ではなぜ記憶に残し、人の心を動かす必要があるのだろうか。それはデータの羅列ではなく、そこにストーリー性を見出すことではじめて、他者の行動は変容するからである。
ストーリーテリングの方法
データを読み込む
ディメンションがどういう意味合いを持つか、以下の軸で整理する
物(What)
場所(Where)
人(Who)
時(When)
ディメンション毎にメジャーを可視化する
解釈を言語化する【重要】
3.で可視化した複数のグラフをつなげるストーリーを見出す
実践
学んだことを練習し自分に染み込ませるために、通信事業者の立場で、幹部向けに新たな収益の柱を確立する必要性を訴求するという仮想ケースを題材にTableauを用いてストーリーテリングを実践する。
1.データを読み込む
以下のサイトから2種類の時系列データを取得する。
総務省統計局の携帯電話契約数データ
厚生労働省人口動態調査の出生数データ
2.ディメンションがどういう意味合いを持つか、4つの軸で整理する
物(What):携帯電話の契約数及び出生数のデータがある
時(When):物(What)の年別推移のデータがある
場所(Where):物(What)の都道府県別のデータがある
人(Who):出生数は将来の見込み客とみなせる
3.ディメンション毎にメジャーを可視化する
Tableauを用い、4つの軸で可視化する。
4.解釈を言語化する【重要】
WhatとWhereの観点
携帯電話契約数の総数は右肩上がりに伸びているものの、地域別で見ると3つのセグメントに分けられる。
関東は単調増加の傾向にある。
中部・関西・九州は関東に次いで微増の傾向にある。
それ以外の地域はほぼ頭打ちの傾向にある。
地域別から1段掘り下げ、都道府県別の年間契約数を見てみると以下の傾向がある。
関東は東京が他と比べて多い。
中部・関西・九州地域の実態は愛知・大阪・福岡などの都市部が多い。
Whenの観点
前年成長率を見ると、2013年に一度増加しているもののいずれの地域も減少傾向にある。
2013年の増加の要因は、スマートフォンの普及と思われる。
直近5年で前年成長率がマイナスの地域が複数ある。
Whoの観点
将来の見込み客である日本人口が減少していることから、新たな収益の柱の確立が急務であると言える。
このようにデータにストーリーを持たせることで、幹部に対して説得力のある訴求を主張することが出来る。
参考
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?