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セララの禁忌について

医師から「モビプレップ出そうとしたら禁忌ってアラートが出るんだけどダメなんですか?」と問い合わせを受けました。
確かに他のシステムでもセララと相互作用禁忌でアラートがよく出る印象です。

実際の禁忌情報を見るとカリウム製剤との併用に禁忌があるので(ただし高血圧症の適応の場合)アラートが出るんですね。腸管洗浄剤は塩化カリウム入ってます。

3号液でも出ますしビーフリードでも出ますし、経腸栄養でも出ます。大抵スルーです。
ダメな場合は「カリウム製剤」つまり、「カリウムの補正を目的としている製剤」が禁忌ということだそうです(メーカー回答)


まずはセララについて

エプレレノン
エプレレノン(Eplerenone)は選択的アルドステロン受容体拮抗作用を持つスピロラクトン系高血圧治療薬である。商品名セララ。慢性心不全の補助薬としても用いられる国がある。心筋梗塞後の心血管イベントのリスクを低下させる。エプレレノンはスピロノラクトンよりも鉱質コルチコイド受容体選択性が高く、性ホルモン受容体や糖質コルチコイド受容体への拮抗作用は小さい。そのためスピロノラクトンで見られていた女性化乳房、月経異常などがエプレレノンでは少ない。エプレレノンはカリウム保持性利尿薬であり、血中カリウムを低下させずに水分を排泄させる。
エプレレノンはファルマシア社が開発したが、2002年にファイザーが買収し、同社から販売されている。米国で販売承認されたのは20029月(高血圧)と200310月(心不全)、日本で製造販売承認されたのは20077月である。欧州でも承認されている。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/エプレレノン

カリウム保持を目的とした利尿剤なので、カリウム過多になりやすく、時に致命的になるので禁忌となるという感じです。

メーカーに確認したところ、カリウムの補正を目的としない補液、経腸栄養は除外とのことでした。モビプレップについても聞いてみましたが、やはり除外という認識で良いとのこと。ただし、血清カリウム値の測定など十分注意して使用することとのことでした。

 ではなぜシステムが禁忌でないのにアラートを吐くのか?これはおそらく相互作用データベースを作ってる会社がそんなになくて、私が触ったシステムでは同じデータベースを使用してるんじゃないかなと思います。
 で、そのデータベースではFalesafeに則ってあえて広めに設定してるんだろう…と思います。
とはいえ、いくつかの電子カルテで同じ状況なので、相互作用データベース作ってる会社ってそんなに無いのでしょうか?

 ちなみに、入院中の患者にカリウム補正を目的としているアスパラカリウムとかとセララは、結構平気で併用出たりします。疑義照会しても大抵そのまま。検査値見ると血清カリウムを早く補正しないといけない患者だったりします。血中濃度は注視ですが、入院中は出ることも多々あります。
 でも疑義照会はしてくださいね。

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