0.1ミクロンラッピングフィルムを使ってみた。

タイトルの通りですが、いわゆるファーストインプレッションのメモです。有料記事である『ラッピングフィルムを使った西洋剃刀の研ぎ方』の補遺にもなります。https://note.com/coda66/n/nc41180702757

トラスコ中山が販売している研磨剤の粒径が0.1ミクロンのラッピングフィルムを入手したので使ってみました。結論から言うと「調子良さそうだが、慣れと工夫が必要」という、今の所スッキリしないものになります。

なぜそんな細かい研磨剤を使ったか

西洋剃刀趣味者の間で広く使われている仕上げ砥石は#12000から#16000程度の人造砥石、凝りたい人が天然の仕上げ砥石といったところでしょうか。私も天然砥石と1ミクロン(#14000付近)を使っています。

ところがこの先の精度、具体的には粒径が0.1ミクロンの研磨剤まで段階的に磨いていく人たちがいて、大変に快適であると。曰く「1ミクロンフィルムからはっきり一段上の仕上がり」曰く「慣れれば両刃カミソリに匹敵する切れ味を達成できる」

興味が出ますよね。

具体的には平面を出したバルサ材に、ダイヤモンドの研磨剤を練り込んだペーストを塗り込んで「砥石」とするそうです。が、ホコリや番手違いの研磨剤による汚染対策をかなり神経質に行う必要性があります。

その点フィルムであれば管理も使用も慣れていますし、そもそも使う度に流水で洗うのでホコリ対策は問題なし、違う粒度の研磨剤が混ざることもありません。

使用感など

天然 / 1ミクロンの後で0.3ミクロンのラッピングフィルムを使った事はあり、その時にはポツポツと出血してしまう刃が付きました。つまり0.3ミクロンの研磨剤で磨くことはできて、1ミクロンで磨いた刃から表面の状態が変わったという事です。

今回は1ミクロン>0.3ミクロン>0.1ミクロンと研ぎ進めましたが、出血はしなくなったので0.1ミクロンで磨くことはできています。切れ味は1ミクロンからやや上がったかなあ?という具合ではっきりとした向上は感じられず。

問題は研ぐ時の手応えです。

0.3ミクロンの時も下方向に張り付く力を強く感じたのですが、今回の0.1ミクロンは平らすぎるのかして、スムーズな動きができないくらいに張り付きます。試しに刃を半分ほど砥面からはみ出させてみたところ、張り付きは起きなくなりましたがこれでは全体を研げません。

中性洗剤を足してみても改善されず、結局は水分を拭き取って空研ぎすることで対処しました。この辺りは何かしらよい工夫を見つけたい所です。よい潤滑剤が見つかってスムーズな圧力管理ができれば良い刃が付きそうなんですけど、なかなか上手く行かないものですね。

結論(今のところ)

・張り付き対策さえできれば、かなりよさそう。

となります。

スムーズに剃刀を動かす事ができれば圧力のコントロールもでき、よりよい結果が得られると思うのですが、いかんせんそれができない。0.3ミクロンのような出血もなく切れ味は良くなっている感じなので、うまい潤滑剤を見つけてきちんと研いでみたいなあ。まともな潤滑剤の見当たらない現状では、1ミクロンできちんと研いだ方がよさそうかなあといったところ。

管理が面倒そうだけど、バルサにペーストもいずれ試そうと思います。

2020/05/10

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