見出し画像

2019/06/23 GRAPEVINE @ KORIYAMA CLUB #9

6月23日、GRAPEVINE tour 2019のセミファイナルにあたる郡山CLUB♯9公演を観に行きました。トータル2時間20分のライヴとは言え、なんだかあっという間でしたが、ステージを重ねる毎にブラッシュアップされてゆく楽曲、その一曲一曲にある情報量が膨大なので結論からしてとにかく濃厚。終演後の充実感は半端なかったです。

バンドは頭からテンション高めでグイグイ飛ばしてる感じだった(特に低音がぐぐっと押し上げる感あった)。個人的には6月9日に観た広島がベストライヴだったので、その余韻を引き摺ったままセミファイナルを観ることになったのですが、だからなのか過去に観てきたライヴの中でも一番冷静かつ客観的にステージを観ることができたかな。

演奏も歌もかなりお遊びが進んでいるので、耳を澄まさないと気づけない細かなアレンジ(オマージュなどのネタがあちこちに散らばっている)や大胆に振り切ったアレンジもあり。同じツアーなのに、内容が化けに化けていったことって過去あったかしら…?そんなバンドの変化からは、今のバインが新たなタームに突入したのは確かだと思ったし、このライヴならあと1時間は余裕で観れました。それくらい今のバインのライヴはすごく良い。 

アルバム『ALL THE LIGHT』の楽曲もさることながら、過去曲の深化も私は素晴らしいと思いました。リリース時の音源と目の前で鳴らされているもの、どちらにもその時々の良さはあるのだけど、年を重ねたのバンドの演奏や歌となると、聴いている側としてもさすがに歌詞の解釈が違ってくるので、余計にグッと来てしまう。特に田中さんの歌声は40代入った今がピークに良いと思います間違いなく。人はみな満遍なく歳を取るので失われていくものも確かにあるけれど、その分その人から生まれる表現はより豊かになっていくのだと田中さんの歌声から実感する。

あと今回バインが郡山でライヴを行ったのはなんと16年ぶりだったそうで、改めて「16年前(つまり2003年)かぁ」としみじみしてしまったけれど、今回のツアー自体が『時の流れ』というものを強く感じさせられる内容だと思いました。前回観た広島の時も切に感じたけれど、やはり「すべてのありふれた光」の存在は田中さんにとって確実に大きい。この歌詞を書けたことで、光を照らしてほしかった自分が、今度は光を照らす側に立てていることを認められたんじゃないのかなって思う。冒頭で「冷静かつ客観的に観ていた」と書いたけれど、”それは違う”と頭を振って歌う姿にはさすがに泣いてしまいました。

特別何か節目を迎えたわけではないのに、2年前のバインがデビュー20周年を迎えた時のライヴとはまた違った感動が込上げてくる。バインを聴き続けてきた良かったと思うことはもちろん、年齢を重ねることもそう悪くないのだな、と気付かされる瞬間も多いです。

面白い記事をこれからも書き続けるための励みになります。読んでくださったあなたの心に少しでも引っ掛かるものがありましたら、ぜひサポートよろしくお願いいたします。