四色の話
「めちゃめちゃ意気合ってね?」
「俺たちのこと完全に忘れてるな……」
「警戒とかそろそろいいだろ、疲れたわ」
「そうだな……暇潰しにさっきの四色の話でもするか」
「あー…なんだっけ。絶対色覚が四色しか見れない理由?」
「ああ。創世記はいくつか種類があるが…お前は色の話は知ってるか?」
「いきなり話変えたな。いや、サッパリ」
「必要な話だ。この世界には、元々赤と青の二色しか無かったって話なんだが」
「は!? 全然足んねーじゃん。元素と星素基準で考えても合わせて六つもあんのに」
「そうだな。赤は明るい、青は淡いという意味で、昔は世界の全てがその二色で分けられていたとされてる。人間は善性の…清く正しく良い人間しか世界にはいないと、当時思われていたんだよ」
「ケッ、理解もしたくねえ話だな。んで、残りの白と黒は…あれ、待てよ……」
「気づいたか。白と黒、これらは創世記の色の話でも異界から来たとされている。二大星素の光や闇と同じだな。だけど星素の話と異なるのは、白と黒が世界に生まれたことにより、人間はようやく正しい認識の色覚を得たというところだ」
「異界からやってきてくれて感謝してるってことか」
「有り体に言えばな。白は濃く、黒は暗いという意味で、この二色が生まれた時に人間は清く正しいだけの生き物じゃなくなったとされている」
「はー。だから創世記ってやつは嫌なんだよ。都合の悪いことを一つの事柄に全部押し付けやがる」
「誰だって自分が最初から汚いとは知りたくないものだろ。…そんな訳で、世界の始まりに間に合ったのは赤青白黒の四つ。だから絶対色覚もこの四色で見分けられると言われている」
「なるほどなー! ルーク、お前めちゃめちゃすごいな! 天才! ……で、緑とか黄色はどこから来たんだよ?」
「……まだ説明するのか…もう勘弁してくれ……」
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