魔法を出す瞬間の話
「……なー、リオってさー、火とか出す時手のひら熱くねーの?」
「…攻撃魔法のこと? 基礎程度ならあなたもできるでしょ…わざわざ人に聞く必要ある?」
「オレは何かこう…魔法を使うと、急に体の熱が冷めるような感じするだけで、別に火の熱とかはあんまっつーか」
「私だって感じたことはないわよ。そもそも、前に攻撃魔法と元素の定義は同一ではないって言ったじゃない。火の攻撃魔法を使って火の熱さを感じる人なんて、余程元素に干渉できるのね」
「四大元素に干渉…つまり、利用できるっていうことは魔術師として優秀じゃねーの?」
「さあ? 元素に干渉することは優秀と言えるだろうけど、それと攻撃魔法の区別をつけられないなら所詮二流よ」
「…ほんっと手厳しいし上から目線だよなお前」
「何とでも言いなさい。大体、こんなこと子供でも知ってるわよ。もうちょっと勉強したら?」
「うるせーな…ここら一帯が暑すぎるから、風魔法とか水魔法でも使えば涼しくなるかもって考えちまったんだよ。忘れろ」
「真空で切り刻まれるか水圧で死ぬわよ、ばか」
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