彼が何も知らない理由

「何故コーンはばかなのか」
「突然の暴言」
「俺も同意だな。村でみんな同じこと教わったよな? 何でお前は一つも知らないんだ?」
「あの時間は剣の型を考えてたんだよ…ってえ!」
「何で真面目に人の話を聞かないの? ばかなの? 魔物の特性とか聞いておかないと戦いでは死ぬのよ? ばかなんでしょ?」
「だー! ばかばか言うんじゃねえよ!」
「考えてた割には、お前の型とか見たことない気がするが…」
「それがさー、考えてたやつは全部もう確立された型ばっかだったんだよ。おかげで剣術の時間では実践あるのみだったってわけ」
「だからあんなに動けてたって訳か…飲み込みが早い訳じゃなかったんだな」
「それにしても、何故教えを聞いてないことがバレなかったのかしら…」
「一応周りに合わせて行動はしてたぞ。先生を囲んで話を聞くときも混ざったし、紙に何か書くときは絵じゃなくて文章で剣術のこと書いてたし」
「あんたのその無駄な要領の良さが一番嫌いよ私」
「ふーん。オレはリオの頭良いとこすげーって思うけどな」
「リオに賛成だな。お前のそのやればできるのにやらないところが張り倒したくなるよ」

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