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常識よりも大切な事。

味噌屋の二代目、三代目でもない僕は当然、大学や専門学校に行って醸造学を学ぶ必要がなかったので、独立すると決めた3年前はそんな学歴だったり味噌屋になる為に仕込み以外での常識、例えば組合に入るとか、味噌の流通の常識、味噌屋さんとの繋がり等、全く常識が無いままでの独立でした。

そんな常識を恐れるよりも自分の味噌を作る!という気持ちが強かった。

醸造会社に勤めていた7年間、独立を考え始めた頃には会社にあった味噌に関する本を読みまくりました。100年位続く味噌屋だったので、字が昔の字だったりして読めない所もあったりで大変でした。
そのお陰で自分が作りたい味噌の輪郭と軸が出来上がり、後は味噌を仕込む為の経験でした。独立を決めてからは毎日、気温、湿度、天気を記録し味噌に及ぼす影響を観察し続けました。気温が高くても低くても、湿度に関係なくcocoromisoを作れます。
僕は漁業と味噌屋を同時進行しているので、昔からある味噌の仕込みはこうあるべき!みたいな常識の範囲で味噌を仕込む事が出来ません。

僕が使っているカレンダーです。魚を捕る定置網漁、アオサ漁はこの汐見表を見ながら、海に合わせながら仕事をしていきます。味噌の仕込み(1回の仕込みは3日間)は月に2〜3回、しかも工場まで車で40分。
漁業も味噌も100%の仕事をするには海に合わせながら、作り置きはしたくないので、味噌の需要に合わせながらやらなきゃいけない。天気に合わせているわけにはいけなくて、、、過去の天気の記録帳を見ながら感じながら仕込んでいます。

先人たち築いてきた味噌の仕込みや考え方、常識の範囲で味噌を仕込んでいくのでなくて、誰のために、何の為に味噌を作っていくのか。そのために先人達の作ってきた常識を超えなければいけない。そして次の世代がまた常識を超えていく。
日本の伝統調味料【みそ】で幸せな食卓を未来に繋いでいくことが僕たち味噌屋の責任だと思ってます。


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