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ランドスケープ編

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造園会社の現場代理人(文系)がランドスケープについて考えたことをまとめています。
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#ランドスケープ

栃木県高根沢「元気あっぷ村」再訪を、公園施設と地方創生の視点から予習してみる。

高根沢町を訪れる 高根沢とは、栃木県の中央に位置する町で、県庁所在地の宇都宮から地図の右上へ電車で15分ほどの通勤圏、人口3万人弱の小さな町です。 航空写真で見るとわかる通り、もともと水田が多い農村だけど、県庁所在地の宇都宮のベッドタウンとしてここのところ着実に人口増を続けているエリアでもあります。 栃木県には、学生仲間と鬼怒川温泉に行ったことがあるらいで宇都宮餃子も食べたことがないけど、高根沢町には縁があって2021年の夏に日帰りで行きました。 そのときに、町営施設の道の

森のオーヴァルを探して

森のオーヴァル。 開けた秘密の場所。 そこでは空は誰の空でもない、自分の空だ。 そんな場所、あるいは概念について。 森を歩きすすめると、ふと樹林がとぎれ視界がひらけ空がぽっかり現れることがある。樹林の中の小さな空地だ。そこに木が無いのは、湿地か沼や池があるからか、なにかしらの理由があるのだろう、木がない。そうすると、樹木のアウトラインに切り取られた楕円形の空が現れる。昼であれば、青くて丸い空。夜であれば森に切り取られたプラネタリウム。

¥3,000

記憶装置としての植栽(HONDA和光ビルのランドスケープ)

シーアイハイツ和光というマンションの集合住宅植栽とその歴史について、前回記事でまとめました。今回はそのお隣のホンダ和光ビルについて。 シーアイハイツの目の前にホンダの大きな敷地がある。あまり特徴が思い浮かばない和光市だけど、和光市といえばホンダ。次に理化学研究所だよね、と言われるほど和光市のなかでホンダの存在感は大きい。 和光市駅からすぐの広大な敷地に建つホンダ和光ビルはホンダの本社のひとつ。いろシーアイハイツと同じく竹中工務店施工で、どちらも建築の受賞歴がある。 隣接して