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春の気配

季節が移り変わるときの雰囲気や気配が好きです。

からだ全体が受け皿のようになって、

空気感や風のやわらかさ、日の光、鳥のさえずり、なにかの匂い

などを、その中に取り込んではじめて、気配という目に見えないものを、感じられるのではと思います。



この日は、夜中に降った雨も上がり、朝から

春の気配

が漂っていました。


スノードロップの花も、日の光の中でかすかに開き始めました。



数日前は、曇り日だったこともあり、花はまだ、しずかに下を向いていました。


白にもさまざまな色があると感じますが、スノードロップの白は、ほんとうに白い。

白くて濃厚。

その名の通り、雪の白さが思い起こされます。


1カ月ほど前の1月半ば、何年かぶりにまとまった雪が降り、その翌日は、久々の青空となりました。

心を躍らせながら、雪景色の中に、白、青、光を感じました。






いかがでしょうか。

雪の白と
スノードロップの白は
ふれあっていませんか。


この街に住み始めて30年もの歳月が流れましたが、
今年はスノードロップの花を見て、ふと、

この花たちは、いつ頃からここに生きているのだろう

と、はじめてそんなことを想いました。


スノードロップは温暖な地域では、夏の暑さを越せないために、そこでは生息できないとどこかで読んでからは、ひとつの植物がそこに

在る

のは決して偶然ではなく、その植物が自らの居場所をきちんと知っているからなのだろうと、受けとめるようになりました。


スノードロップの花が薄茶色に枯れ縮み、緑の葉も茶黄色になり朽ちてしまった後もなお、その時々の気配を感じながら、土中で生き続け、次の春を待つだなと思うと、目の前の花たちが、このうえなく愛しくなります。


この地球という星はこれから30年後、どんな姿になっているのでしょうか。


温暖化が進んでも、スノードロップはこの辺りで、命をつなげていけるのか。

それとも、居場所が変わっていくのか。。。


わたしの命とて、30年後、ここに在るかはわかりません。


そんなことを想うとき、今ここに在るわたし自身や数々の出会いが、かぎりなく尊く感じられのです。


春の花が、今、わたしに語りかけてくることです。


Reiko











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