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相手を嫌っているつもりが! 〜相手を嫌う人の心理2〜

前回の記事では、相手を嫌う人の心理として、

1)感じたくないものを感じさせられる相手
2)自分の中で嫌っている人を無意識に重ね合わせてしまう相手

という2種類のケースについてお話ししました。

それ以外に、1)、2)と少し似ているのですが、

3)自分のこころの中の嫌っている要素を感じさせられる相手

というものがあります。

これの、きつ〜いやつをシャドウと呼びます。

シャドウ

こころの中に、ある要素が存在するのだけれど、それがとても嫌な場合。嫌すぎて、それが自分の中にあること自体を否定して、自分にはそんなものはないことにしてしまうことがあります。

そうすると、どうなるかと言うと、周りの誰かにその要素をすごく感じてしまうことになるのです。

その要素のことは、とても嫌っているので、当然その相手のことも嫌います。

例えば、よくありがちなケースで、自分の中にある"怒り"をすごく嫌ってしまうとします。

あまりに嫌うばかりに、自分の中に"怒り"があること自体が許せなくなって、ないことにしてしまいます。

すると、周りで平気で怒る人などがいると、その人をとても嫌ってしまうのです。

嫌うだけではなく、「なぜそんなことをするんだ!」「もっとこうすればいいじゃないか!」そんな言葉が頭の中でグルグル回り始めます。

これがとてもしんどいわけです。

そうすると、ますますその怒る人のことが許せなくなって、ますますグルグルしてしまうという悪循環にはまってしまうのです。

とても怒ってしまう人

かつて、わたしが仕事で関わった人の中に藤田さん(仮名)と言う、すぐに怒ってしまう人がいました。何かというとすぐに怒ってしまう。

わたしも藤田さんに怒りを向けられたことがあります。自分の中にも怒りがわいてくるのを感じました。うっかりすると、口論になってしまいかねない場面。わたしは、深く息をして、そのわいてきた怒りのエネルギーをスーッとおさめてみました。

そうすると、それまで怒っていた藤田さんも怒りがおさまっていったのです。

それ以来、藤田さんとはすごくいい関係を築くことができて、よく飲みに連れて行ってもらったりしました。

そんな中で、藤田さんから悩みを打ち明けられたことがあります。自分がすぐに怒ってしまうのをなんとかしたいと思っていると。

ある日、藤田さんが「すごくいい本があったんですよ」と一冊の本のことを教えてくれました。

シャドウを見せてくれた本

藤田さんがお薦めということなので、どんなことが書いてあるんだろうと興味が湧いて、わたしも買って読んでみました。仏教の僧侶の人が書かれている本です。

読んでみると、怒ることをとても厳しく戒められていました。「怒ってはダメだ!」「怒るなんてとんでもない!」と言ったことが繰り返し書かれています。

それを読み進めていくうちに、なんだか可笑しくなってしまいました。

著者は、怒ること、怒る人のことをダメだダメだと厳しく批判されています。ところが実は、著者自身がこころの中で、とても怒っている人なわけです。(笑)

きっと、自分の中の怒りが嫌いすぎて、怒りなんて自分にはないものにしてしまったのでしょうね。

あなたの周りにも、他の人のことをすごく批判する人がいたりしませんか。その人が言うことをよ〜く聞いていると、「それあんたのことちゃうん」と言いたくなることないですか。

批判している相手は、その人にとってシャドウなのかもしれませんね。


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