私の本当の部分④

それからね　良い距離を保ちながらの関係。

同じ趣味を持っているから、そのことの話とかその程度。時々顔を合わすけれど、なにか関係が変わることもなく。

その時には気持ちが安定してたから、会いたいと思うことはあっても「会えなくて寂しい」とは思わなかった。

私が彼を想う気持ちは、彼がどんな状態であろうと変わることはないし、求めるものは無いし、私の気持ちをわざわざ伝えることもない。

一度だけ「必要な人」だと伝えてあるので、知ってはくれている。それだけでいいかなと。

彼には奥さんがいる。想う気持ちはどうにもならないけれど、関係を変えることはルール違反。こちらから何かに誘うことはない。

誘うことはないし、「どこかに連れて行って」なんていうのは下心がある間柄じゃないと言わない言葉。

それに私は彼に対して変な関係を求める気持ちよりも「一緒に仕事がしたい」ていう方が強い。

ある時突然思ったの「一緒に仕事したいな～」って心底思った。何をしたいとか何もなかったけど　ただ一緒に何かを作り上げたいと思った。

それは今でも変わらなくて、親友のような関係で協力していきたい。私たち二人が共鳴しあって何かを作り上げたい。

そして一番重要なのは、彼が幸せに暮らして欲しい。「寂しい」気持ちをずっと抱えたままの彼に幸せになってほしい。奥さんともちゃんと向き合って寂しさを解消して強くなって欲しい。

私はそれをちょっとだけサポートできる存在でいられたらいいなと思ってる。

でももうそれも出来なくなっちゃった。手放しちゃったから。

放したくなかったけど、そうしないと私の気持ちがいっぱいっぱいになって壊れそうだった。私の勝手なの。彼は悪くない。

私は彼のすべてを受け入れたかった。良いところも嫌なところも「しょうがないな～」と思って受け入れられる。

頑固なところも、歪んだ優しさも、すぐ弱っちゃう所も、自由気ままなところも、変な拘りも、信じやすい所も。

でも一個だけ受け入れられない。これだけは嫌。それを聞かされた。この前。

それは女性関係。

女性にだらしない部分は見たくない。今度デートするんだと報告を受けた。そこで一気に私の激しい感情がいっぱいになった。

ある所へ二人で行くと。「連れてって」って言われたと。女性っぽい女性は嫌いだと散々私に言っていた彼は　女性らしい「連れてって」て言葉で女性とデートへ行く。

しかも私が知ってる女性。

それが一番許せなかった。私の怒りが一気に込み上げてた。二人にいっぺんに裏切られた気分になった。

でもそれは私には関係ない。怒る資格も権利もない。怒っていいのは奥さんだけで、私は赤の他人。

何かの繋がりがあったとしてもなんの加勢のもならない。

それを聞いた途端　空っぽになった。怒りだけが頭の中を占領して何も言葉が出なくなった。

その後その怒りをどうにか誤魔化そうと何かをしゃべっていた。焦ってた。どうしたらいいのか分からない。

それからのことは覚えてない。ただ頑張って笑ってようと思った。とりあえずこの場を済ませて後で考えよう。

本当はその場で倒れこんで泣きたかった。私は彼が必要だけれど、彼にとって私は必要じゃない。単なるたまに会う知人。居ても居なくてもどうでもいい人。

なにか同じエネルギーを持っている気がしてたけど。繋がってる気がしてたけど、そう思ってるのは私だけで、彼がそれを感じることは一切なかったのかと。

どんな関係だったとしても、気持ちが大事。

赤い糸で繋がってる相手だったとしても、誰を選ぶかは自由。相手と縁を繋げていきたいかどうか、意図した相手と繋がっていける。

それに私は選ばれなかっただけ。

他の女性と遊んでるところも受け入れていけるのなら、繋がっていけるだろう。でも自分の心を握りつぶしてまで傍にいるのは辛いと思った。

そのあとどうなるのか見届けられる強さを持っていたら、きっと彼は私のことを信用して頼ってくれるようになるだろう。

でも私自身もダメだと思った。何らかの形で繋がっていたら、また同じようなことが起きて、私は嫉妬をして彼にまた文句を言うかもしれない。

それじゃ私はダメになる。私は私らしく強く行きたい。

自分から彼を手放さなければいけない。そのタイミングが来たと思った。