15分で読めてすぐわかる、すごくわかるマインドフルネス超入門 


#創作大賞2024  #ビジネス部門

パート1

【はじめに】
皆さんこんにちは!
マインドフルネスで幸せになる!
マインドフルネスで幸せな社会を創る♪
心のトリセツ研究所・精神科医の藤井英雄です。
 
マインドフルネス!!
数年前からマスコミでも話題になっていますから
あなたもきっと、耳にしたことはあると思います。
 
「聞いたことある!テレビでやってたよ」
「雑誌でみたよ。瞑想とかヨガみたいな?」
「メンタルにいいって聞いたよ」
 
しかし、あなたはまだ
マインドフルネスがどんなもので
何の役に立つのか正確に知らないでしょう?
もし知ってたらとっくに始めているし
日々の生活に活かしているはずですから
 
「う~~ん、でも瞑想って怪しくない?」
「身体がかたいからヨガは無理!」
「習いに行く時間もないし」
「いまさら恥ずかしくて聞けない…」
 
大丈夫です。
この本は「マインドフルネス超入門」です。
 
この本ではこんな疑問に答えます。
マインドフルネスとは何か?
何の役に立つのか?
どうやってマインドフルネスを練習するか?
日常生活に活かす方法は?
 
この本は「マインドフルネス超入門」です。
まずはクヨクヨ・イライラ・ソワソワを引きずってしまう人!
この本はあなたのための本です。
あなたのクヨクヨ・イライラ・ソワソワを手放す助けになるでしょう。
その他にもこんな人に読んでほしいのです。
 
1)「マインドフルネスって何?今はじめて聞いた!」
おおっ!マインドフルネスに出会えたあなたは超ラッキーです!
この本を入り口にマインドフルネスの世界に触れてください。
 
2)「聞いたことあるけどやったことないね。瞑想すればいいの?」
「知ってる」と「やってる」の違いは無限大です。この本を入り口にマインドフルネスを実践してみましょう。
 
3)「ああ、マインドフルネスね!まあ、リラックスできるけどね。で?」
なんともったいない!あなたはまだマインドフルネスの真髄には触れていません。
この本を入り口にマインドフルネスを深めてください。
 
4)「マインドフルネス瞑想は毎日やってます」
すばらしい!もう何も言うことはありません。しかし、新しい気付きがあるかも!
この本を入り口にマインドフルネスでもっと幸せになってください。
 
5)「私はもう幸せだから関係ないよ」
確かに!幸せだったらわざわざマインドフルネスする必要ないかもしれません。
でもそんな人はこの本に興味あるはずありませんからもしかしたら違うかも!!
この本を入り口にマインドフルネスの世界に触れてください。
 
【マインドフルネスとは】
<感情の原因は?>
よく使われるたとえですが、コップ半分の水をみて、もう半分と考えるか、まだ半分もあると考えるのかでどう感じるかが変るというのがありますね。今の状況でいえばマスクの方がリアリティがあるでしょう。
(注:この原稿はコロナ禍に書いたのでご容赦ください)

ここにマスクが3枚あるとします。
「やば!あと3枚しかない!」と考えると不安になります。
「まだ3枚ある♪」と考えれば多少安心できるでしょう。
 
つまり感情の原因は思考なのです。
3枚しかないと考えるから不安になるし
3枚もあると考えれば安心できるという理屈です。
 
思考が感情の原因、感情は思考の結果というわけです。ネガティブ思考がネガティブ感情をうみ、ポジティブ思考がポジティブ感情をうむのです。
 
不安にならないためにどうすればいいかと言えば常に「3枚もある」とポジティブ思考しておけばいいですね!めでたしめでたし♪
 
…あれ?
 
しかしこの状況で「マスク3枚もある」とポジティブ思考できる人がどれだけいるでしょう?いったんはポジティブ思考で来たとしても、すぐに「そうはいってもねえ…。やっぱり3枚しかないって心配しちゃうよ!」
 
そうです!私も3枚しかないって不安になってしまうでしょうね。
 
 
<不安にとらわれると?>
 
マスクがあと3枚しかない!どうしよう!!不安だ!!!
 
わかります。
 
しかし不安にとらわれていては正しい判断ができなくなります。
 
毎朝ドラッグストアに並んでマスクを探し、
かえって感染の機会を増やしてしまうかもしれません。
 
少ないマスクを取り合って
ぎすぎすとした人間関係になるかもしれませんし、
先に手に入れた人を恨んで免疫力を下げてしまうかも!
 
ちなみにネガティブ思考にとらわれて
ネガティブ感情にひたっていると免疫力がさがります。
 
コロナにかかったらどうしようと心配すれば
免疫力が下がりますから感染する危険性は増えるでしょう。
 
さりとて、歯を食いしばって
「い、いやまだ三枚もあるんだ!」
と無理やりポジティブ思考したって
そんなのすぐにメッキが剥げます。
 
いや、ポジティブ思考が得意ですぐにできる人はそうしていただいてもかまいません。マインドフルネスよりそのほうが早いですから。でも、ポジティブに考えると決意しても、ふと気づくとまたネガティブに考えていた、というなら続きを読んでみましょう。
 
 
<不安を客観視する時>
 
イライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨしている真っ最中にふと、自分が「イライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨしていること」に気付いてしまうことってありませんか?
 

たとえば、怒り心頭に達し、頭ごなしに怒鳴り散らしている最中にふと、我に返って怒りの火に水がかかったようにおさまってしまったこと、とか
 
たとえばクヨクヨしている時にハッと気付いて冷静になり、「ああ、そんなに悩まなくても大丈夫かも…」と思えた。みなさんもそんな経験をしたことがあるはずです。
 
ネガティブに考えてネガティブ感情にひたっている時に、ふと我に返ったりハッと気づいた瞬間、ネガティブ感情のボルテージはさがります。自らを客観視した時、ネガティブ感情の渦から逃れ、一瞬だけ自由になることができるのです。これはマインドフルネスの一つの形であり、マインドフルネスの効用です。
 
その一瞬の自由をどう使うか?

そこが問題です!
 
ほっとけばすぐにネガティブ思考・感情の渦に戻ります。だって、ネガティブの元は「今、ここ」にまだあるからです。マスクが3枚しかない!今日使えばあと2枚だ!!その事実は変わりません。
 
マインドフルネスには現実を変える力はありません。マインドフルネス瞑想をしていたら空からひらひらとマスクが降ってくるなんて奇跡が起きるわけではありません。
 
イライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨにとらわれて冷静に考えられない状態から、ほっと一息ついて冷静に考えることができる状態になる!それがマインドフルネスの効用です。
 
「もうだめだ!どうしようもない!」と追い詰められたように思い込んでいた時にほっと一息ついて冷静になってみると、ふと「こんな手があるんじゃないか?」などと天啓のようなすばらしい解決策が浮かんだりもする、それがマインドフルネスの効用です。
 
「じゃあ、マスク3枚でどんな手があるっていうの?」
 
それは私にはわかりません。マインドフルな状態でほっと一息ついた時に、あなたがあなたの「今、ここ」の現実の中で思いつく解決策、それが天啓なのですから。
 
 
<マインドフルネスの欠点>
 
「そりゃすばらしい!今後はピンチの時はマインドフルネスで乗り切ろう!」そう思った方はちょっと待ってください。マインドフルネスには2つの欠点があるのです。
 
欠点その1:いざという時に意図的にマインドフルネスになれない。
 
「なんじゃそれ!役に立たないじゃんか!」って思いますよね。でも、イライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨにとらわれて冷静に考えられない状態で「よし、ここらでマインドフルネスになるぞ」なんてできません。はっと我にかえる、とか、ふと気づくっていうのは偶然の出来事ですから。
 
でも大丈夫です。ふだん、マインドフルネスの練習をしていると、いざピンチという時にハッと我に返りやすくなりますから。
 
欠点その2:マインドフルネスは長続きしない
 

いったんマインドフルネスになっても、ほっておくとすぐにマインドレスネスに戻ってしまいます。(注意 マインド[フル]ネスVSマインド[レス]ネス)
 
イライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨ→ハッと我に返る→いつのまにかイライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨにもどるという感じです。
 
「なんじゃそれ!役に立たないじゃんか!」って思いましたか?大丈夫です。これもふだんの練習で何とかなりますから。
 
つまり、マインドフルネスは凄く役に立つけれど、ちゃんと練習していないと使えないということですね。だからこの本を書いています。マインドフルネスの練習方法を解説する前にもうちょっとマインドフルネスについて。
 
 
<マインドフルネスの歴史>
 
歴史は知らなくてもマインドフルネスはできますけど、一応、簡単に説明しておきます。マインドフルネスはおそらく人類の歴史とともにあったでしょう。なぜなら、マインドフルネスとは何か特別の手法や流儀によって習得されるのもではなく、ある心の状態だからです。
 
「今、ここ」の現実を客観視できていること。これがマインドフルネスです。とりわけ大切なのが自分が何を考えていて何を感じているかを客観視できることでしょう。
 
たとえば、「3枚しかない!」とあたふたしている時に「自分は今、3枚しかないとあたふたしている」と気付いて客観視できていればマインドフルネスです。だから人類が心(思考や感情)を持った時からマインドフルネスはあったでしょう。
 
マインドフルネスが大切だと知り、大系だて人に伝えようとした最初の人はおそらくおしゃか様です。瞑想によって悟りを開いたおしゃか様は座禅や瞑想によってその悟りを伝えようとしました。
 
 

おしゃか様の智恵は中国を通り、日本に伝えられたのが禅であり、東南アジアやチベットには瞑想として伝わりました。欧米、特にアメリカに瞑想が伝わってマインドフルネスと呼ばれるようになり、グーグルやインテルなどの大企業の研修に採用されて大ブレークし、日本にも紹介されるようになりました。今では日本マインドフルネス学会ができてメンタルヘルスの領域でも大きな役割を果たしています。
 
 
 
【マインドフルネスの練習方法】
 
マインドフルネスとは「今、ここ」の現実に気付き、客観視できていることですから、「今、ここ」の現実に気付いて客観視するように心がけること、それがマインドフルネスの練習方法になります。
 
たとえば瞑想です。呼吸に注目することを通して「今、ここ」の現実を客観視します。「今、ここ」の現実と言っても漠然としていますね!最初は一か所に絞って注目して感じて実況中継してみましょう。

さっそくやってみましょう。
 
おなかに手を当ててみましょう。呼吸すると動いていますね。しばし(10秒くらいでOK)あるがままの動きを感じてみましょう。
 
 
 
 
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10秒間 感じてください。
 
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気付きましたか?たいていの人は息を吸えばおなかがふくらみ、息を吐けばおなかがへこみます。もし逆でも構いません、それがあなたのあるがままの呼吸ですから、ね。
 
では次です。今度は1分くらいやってみてください。
 
ふくらんだことを感じたら「ふくらんだ」と実況中継します。
へこんだことを感じたら「へこんだ」と実況です。
 
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1分間 実況中継してください。
「ふくらんだ~」「へこんだ~」「ふくらんだ~」「へこんだ~」…
 
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呼吸の早さによっても違いますが、1分間ならだいたい10回前後できたのではないでしょうか?
 
以上で瞑想の一番大切な所はおさえました。
 
「えっ?足の組み方とか座り方とかは?雑念をはらうとかしないの?」
 
はい。とてもいい質問です。基本的に姿勢はどうでも構いません。坐禅道場で座るならそこの流儀に従う必要があります。結跏趺坐(けっかふざ)とか、手に印を結ぶとかですね。座りやすくて長続きする姿勢であり、全身の気の流れをスムーズにするなどの効果はあると思います。
 
しかし瞑想で一番大切なのは「今、ここ」を感じ、客観視することのように思います。姿勢は二の次であり、姿勢や環境にこだわってそちらに気をとられていては瞑想の美味しいところを逃します。
 
ただ、寝っ転がって瞑想していては眠くなるのでそこはご用心!座っているか立っているか、もしくは歩いているか、眠くならない工夫はしてください。
 
もう一つの大問題、「雑念」をどうするか!こっちはきちんとした説明が必要です。結論からいいますと、雑念は払う必要はありません。いや、雑念は払えないものです。考えまいとするその計らい自体が雑念ですから。
 
ではどうするか?
 
雑念に気付いたら→「雑念出た」と実況中継して→おなかに注意を戻す
 
これだけです。どんな雑念がでてもひるまずに「雑念でた」と実況です。そしておなかの動きに戻ります。するとまた雑念出ます。また「雑念でた」と実況しておなかに戻ります。
 

 
瞑想開始(呼吸に注目)→雑念→雑念出たと気づく→雑念を棚上げして瞑想に戻る→
 雑念→雑念出たと気づく→雑念を棚上げして瞑想に戻る→
雑念→雑念出たと気づく→雑念を棚上げして瞑想に戻る→…この繰り返しです。
よく、瞑想始めたらかえって雑念増えた~!って悩む人いますけど違います。雑念は最初からありました。ただ気付かなかっただけです。瞑想で心が静かになると雑念に気付きやすくなります。だから見かけ上、増えたように思うだけです。心配いりません。むしろ、今まで気付けなかった雑念に気付く力が付いてきたのです。
 
そう、瞑想の目的の一つは雑念に気付き、瞑想にもどる練習をすることです。これがうまくなると、普段の生活の中で「ネガティブ思考→気づく!→マインドフルネスになりネガティブ思考を棚上げして手放す」がうまくなります。
 
さきほど、マインドフルネスの欠点の一つにマインドフルネスは長続きしない。すぐにネガティブ思考に戻されるというのをあげました。そう!瞑想によってネガティブ思考に気付き、そしてネガティブ思考を棚上げしてマインドフルネスに戻る基礎練習をしているのです。
 
<瞑想のタイミングなど>
 
ご自分の好きなタイミングで瞑想してください。最初は5分くらいからはじめて15分くらいできるようになると効果が増してきます。ただし!何分やるぞととらわれてしまうと、「今、ここ」に気付くことをわすれていつの間にか雑念(妄想ともいう)の中にとらわれ、戻ってこれなくなるかもしれません。タイマーが鳴って気付いたらほとんどの時間、考え事をしていたということに!最初は長くても15分くらいまでにして、長くしたい時は疲れたら休憩してもういちど瞑想するというのがいいでしょう。
 
テレワークしていると生活のリズムが崩れますから朝一番とか寝る前などルーティンの時間を定めておくと生活のリズムを整えるという効果も期待できます。
 
あと、仕事中につかれたら1分とか10秒とか短い時間で瞑想するのもおススメです。
 
えっ!10秒で瞑想?と思われた方はこちらに参考文献を貼っておきますので参考にしてください。
1日10秒マインドフルネス 藤井英雄著 大和書房 2018
http://amzn.to/2BjrLex
文庫版 1日10秒マインドフルネス 藤井英雄著 大和書房 2024
【URL】
 
どんなに忙しい人でも10秒なら大丈夫!
もう忙しくてできないなんて言わせません♪
 
さて、マインドフルネス超入門!パート1では下記についてざっと解説しました。
 
☆マインドフルネスとは何か
☆マインドフルネスの効果
☆マインドフルネスの歴史
☆マインドフルネスの基礎練習→瞑想
 
 
しかし一日に1時間瞑想しても(毎日1時間瞑想するのはとても大変です!!)その他の時間は瞑想していないことになります。まあ、8時間寝るとして起きている時間が16時間、そのうち15時間くらいは瞑想していない、すなわちマインドフルネスではない時間を過ごすということになります。かといって修行僧のように毎日起きている時間のほとんどを瞑想に費やすわけにはいきません。そんな贅沢な時間の使い方はほとんどの人にはできませんよね。そこで!
 
パート2では日常生活のほとんどすべてを瞑想の練習にしてしまうとっておきの手法と、さらにマインドフルネスを活用してコロナに勝つためのあれこれを解説しますのでこうご期待!
 
 

パート2

パート1では以下の項目について紹介しました。
マインドフルネスとは何か
マインドフルネスの効用
マインドフルネスの欠点
マインドフルネスの基礎練習としての瞑想
 
瞑想をしている時だけのマインドフルネスではもったいない!
そこで、パート2では24時間フルタイムのマインドフルネスを目指します!
あっ!実際は寝る時間があるので24時間ではありませんね♪
 
 
<なぜ、フルタイムマインドフルネスが必要なのか>
 
パート1では
マインドフルネスの基礎練習としての瞑想を紹介しました。
基本は瞑想です。
瞑想していないとなかなかマインドフルネスは上達しません。
 
でも瞑想だけでは足りないんです。
瞑想していない時間の方が圧倒的に多いからです。
 
じゃあ、一日8時間やったらどうか?
じっさいヴィッパッサナ瞑想のリトリートでは
そのくらい瞑想します。
でも、日常生活ではとても無理ですね。
 
というわけで瞑想していない時の
マインドフルネス鍛え方というアプローチが必要になるのです。
 
 
 
<改めて、マインドフルネスとは何ですか?>
 
マインドフルネスとは
「今、ここ」の現実を感じて客観視することです。
 
あなたにとっての「今、ここ」の現実は何ですか?
 
おそらく多くの方は「この文を読んでいる」ことがあなたの「今、ここ」の現実でしょう。
目は字を追っているけど頭の中では別のことを考えていたら?
その場合は「考え事をしていた」が「今、ここ」の現実になります。
それ以外のシチュエーションはあまり考えられませんね。
 
というわけで、
「この文を読んでいる」もしくは
「考え事をしてた」が
「今、ここ」の現実、ということになります。
 
基礎練習としての瞑想では
「今、ここ」の現実として
呼吸によって動くおなかに注意を向けました。
そして、
ふくらんだことを感じて「ふくらんだ」、
へこんだことを感じて「へこんだ」と実況中継しました。
 
実況中継することによって、「今、ここ」に気持ちを向けて集中することになります。逆に、「今、ここ」に気持ちがとどまっていないとなかなか実況中継することはできません。
 
つまり、実況中継することによって「今、ここ」に気持ちを向けること、
すなわちマインドフルネスが実現できるのです。
 
ただし、実況中継をうわのそらでやることもできます。
たとえば瞑想中に「ふくらんだ」「へこんだ」と心の中で唱えながらも
頭の中では「これが終わったら何食べよ♪」と考えることもできます。
 
したがって実況中継に込めるマインドフルネスの濃度は
自分で決めることになるのです
 
そしてどれだけの濃度でマインドフルネスを実現できるかは
毎日マインドフルネス瞑想をすることによって自分で鍛えていく必要があるのです
 
さて、あなたにとっての「今、ここ」の現実は?
 
そう、「この文章を読んでいること」です。
さすがに今、ぼんやりと別のことを考えている人はいないでしょう。
 
しかし、私がこう問いかけるまで、つまり
あなたにとっての「今、ここ」の現実は?
と質問するまで
「自分はこの文章を読んでいるのだ」
と自覚できていた人は少ないでしょう。
今なら実況中継できます。やってみてください。
 
「この文章を読んでいる!」
 
ほら、できましたね?
つまり、この瞬間はマインドフルネスになっています
しかし!おそらくあと数分後には
あなたのマインドフルネスはどこか虚空に消えさり
マインド[レス]ネスのままで熱心にこの文を読んでいるか、
もしくは退屈して別のことを考えているかどちらかです
 
面白い本や熱中できる映画、勉強に熱中するあまりマインドレスネスとなることは何の問題もありません。おそらく、そのほうが楽しめますし、内容が頭に入って勉強ははかどります。
 
問題はあなたがイライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨなどのネガティブな感情にひたっている時です。そんな時間が長ければ長いほどユウウツな気分が深刻になり、自己肯定感を損なってしまいます。
 
だからこそ、フルタイムマインドフルネスが必要なのです。
 
ただ、どんなに練習したとしても24時間(マイナス睡眠時間)すべての時間をマインドフルに過ごすことはできないでしょう。それでもマインドフルネスが必要なときに、すなわちネガティブ思考し、ネガティブ感情にひたっている時に1秒でも早くマインドフルネスを取り戻すことが重要なのです。
 
 
イライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨ
→ハッと我に返る
→ほっと一息つく
 
しかし「イライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨ」のもとがそこにある限り、ふたたびネガティブ思考に戻されるかもしれません。だからこそ、せっかく訪れてくれたマインドフルネスを無駄にせず、有効活用することが必要ですね。そうすればこうなります。
 
イライラ、ソワソワ、メソメソ、クヨクヨ
→ハッと我に返る
→ほっと一息つく
→解決策を思いつく♪
 
マインドフルネスを無駄にせずに有効活用する方法が
「マインドレスネス3秒ルール」です
 
 
<マインドフルネス3秒ルール>
 
3秒ルールと聞くとおそらく多くの人はあれを思い出すでしょう。
「お菓子を落としても3秒以内に拾えばばい菌がつかないからセーフ!」
 
その通りです。
その3秒ルールをヒントにして私がつくったのが
「マインドフルネス3秒ルール」です
 
はっと我に返った!
自分がネガティブ思考していることに気付いた!
自分がネガティブ感情にひたっていることに気付いた!
 
その瞬間、ほんの少しの間ですが、
自分を客観視できています
 
それは、
「自分がこの文を読んでいるのだ」と気付いた一瞬と同じです。
 
心穏やかな時のマインドフルネスは比較的長続きします
(それでもせいぜい30秒くらいでしょう)
 
ネガティブ思考・感情で心が揺れている時は
マインドフルネスはそんなに長続きしません
もってせいぜい3秒です!
 
だから、その3秒のうちに、
偶然訪れてくれたマインドフルネスを強化・固定・維持したいですね!
 
お菓子を落として3秒以内にひろえば
 →ならばい菌がつかない
 
ネガティブ思考に気付いて3秒にあることをすれば
 →マインドフルネスを維持、強化できる!
 
さて、どうするか?
 
ネガティブ思考に気付いて3秒に
実況中継を始めるのです。
 
「ネガティブ思考していた!」
「ネガティブ感情だ!」
 
もっと具体的に
 
イライラしていることに気付いたら
「イライラしてた!」
 
ソワソワしていることに気付いたら
「ソワソワしてた!」
 
メソメソしていることに気付いたら
「メソメソしてた!」
 
クヨクヨしていることに気付いたら
「クヨクヨしてた!」
 
そのように実況中継してしまいます。
 
それで客観視の濃度が上がります
マインドフルネスの持続時間が長くなります
「今、ここ」で必要な知恵がわくかもしれません
 
 
 
<瞑想と3秒ルールの関係>
 
パート1ではマインドフルネスの基礎練習として瞑想をとりあげてこのように解説しました。
 
心穏やかに座り(すわらなくても可)
おなかの動きに注目して
ふくらんだことを感じたら「ふくらんだ」と実況
へこんだことに気付いたら「へこんだ」と実況
 
雑念に気付いたら
→「雑念出た」と実況中継して
→おなかに注意を戻す
 
どんな雑念がでてもひるまずに「雑念でた!」と実況しておなかの動きに戻ります。するとまた雑念出ます。また「雑念でた」と実況しておなかに戻ります。
 

 
瞑想開始(呼吸に注目)→雑念→雑念出たと気づく→雑念を棚上げして瞑想に戻る→
雑念→雑念出たと気づく→雑念を棚上げして瞑想に戻る→
雑念→雑念出たと気づく→雑念を棚上げして瞑想に戻る→…この繰り返しです。
 
瞑想とマインドレスネス3秒ルールはずいぶんとちがうものに感じるかもしれませんね。でも基本は同じなのです。日常生活の中のマインドレスネス3秒ルールも全く同じです。
 
ネガティブ思考に気付いたら
→「ネガティブ思考だ」と実況中継して客観視し
→ネガティブ思考を棚上げして手放す
→そしてマインドフルのまま生活にもどる
 
パート1ではこのようにも解説しています。
 
「瞑想始めたらかえって雑念増えた~!って悩む人いますけど違います。雑念は最初からありました。ただ気付かなかっただけです。瞑想で心が静かになると雑念に気付きやすくなります。だから見かけ上、増えたように思うだけです。心配いりません。むしろ、今まで気付けなかった雑念に気付く力が付いてきたのです」
 
同じように、マインドフルネスの練習をしたらかえってネガティブ思考・ネガティブ感情が増えたという方が時々おられますがそれもまた、ネガティブ思考・感情に気付く力が付いてきているのです。
 
気付いて客観視できたものは力を失います。すなわちネガティブ思考、ネガティブ感情をきちんと客観視できれば、一歩引いた視点に立ち、冷静にものごとを観て判断できるようになるのです。すると、「今、ここ」で必要なことがわかります。
 
さて、ここまででマインドフルネスの基礎はほぼ解説しました。あとは練習あるのみです。健闘を祈ります。
 
 
【著者プロフィール】
 
藤井英雄 心のトリセツ研究所代表
 精神科医・医学博・マインドフルネス実践家
 あがり症克服協会顧問・日本キネシオロジー学院顧問・
 
臨床医、産業医として通算1万人以上の相談にのり、イマココに生きることがメンタルへルスの極意と知る。そして自らのネガティブ癖を解決した経験をもとに、イマココに生きることでネガティブを手放すマインドフルネスの普及につとめる。従来の瞑想中心の枠組みを超え、取り組みやすい「イマココ3秒ルール」などの画期的なスキルや「読むだけ!マインドフルネス」「1日10秒マインドフルネス」「1日1行だけ日記」などの革新的なコンテンツで読者の自己肯定感を強化し悟りへと導く。あがり症克服協会顧問、メンタルへルスとマインドフルネスに関する著書10冊
 
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