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BanG Dream! It’s MyGO!!!!! 感想4 #7 〜奮激〜

このブログを読んでくださっている方、こんMyGO!!!!!
今回の記事では予告通り#7の一本勝負で行きたいと思います。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!!は正直に言うと#6までは、
一定のファン数は確実に獲得しながらも
数ある2023年夏に放映されているアニメ作品の一つであり、
話題性がバンドリ!界隈以外で高いわけではない事実がありました。

その評価もひっくり返す反逆が始まったのが#7であったと記憶しています。
個人的には数あるバンドアニメの歴史に革命を起こしたと言っても過言ではないほどに凄い回になっています。

今回もネタバレ全開でいくのでお願いします。



#7 今日のライブが終わっても

あらすじ

バタバタしながらもついに初ライブの日。
震える足で燈はステージに立つ。
「迷子のままでも進みたい」

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! 公式HP ストーリーより
BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

初ライブ〜舞台裏〜

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

#7では全編通してMyGO!!!!!(この時は名前もないバンド)の初ライブをリハーサルから本番の後の舞台裏までこと細やかに描かれました。

当然、一番の見どころは本番のライブシーンなのですが、それ=ライブシーン以外見どころがないには決してなってはいません

まずはリハーサルのシーンです。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

作中で描かれる時間は短いですが、それでも伝わる”ぐだぐだ”。
それもそのはず、#6での展開ではライブ前日なのに練習から逃げる作曲担当のドラムにそもそも練習に無断欠席を繰り返すギタリスト、前のバンドのことしか頭にないベーシストに、バンドに前向きなのは初心者同然のもう1人のギタリストと大声を出すのがまだ苦手なボーカルという見事な全員迷子。
新曲も未完成なものをギリギリで形に仕上げたと推測できます。
むしろ、しっかり当日に全員リハーサルの場に一回集合できただけ状況としてはだいぶマシな方です。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より
BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

そしてそんな後輩達を見守る先輩バンドの面々。
そこには自分達の主催ライブにギリギリで出演を快諾してくれた感謝と新しいバンドへの期待感、それに加えたとえ新人のバンドでも自分達の主催ライブに出演してくれる以上ホストとしての責任を果たそうとする成長が見て取れます。この後のケータリングのシーンもそうですが何かハプニングがあっても大丈夫だという確信が持てます。

そして、その後は楽屋でのシーンです。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

このシーンでは緊張で落ち着かない雰囲気はありつつも、どこか落ち着いた5人の会話劇が展開されます。
基本的にはこの後の壮絶な展開の前の静けさのような安心して見られるシーンではあるのですが、色々な新事実が公開されたシーンでもありました。
・立希はAfterglowのファンであること。
・燈は未だにCRYCHICでのライブのコメントを気にしている。
・愛音は緊張に弱く、心配性な一面がある。
特に立希がAfterglowのファンであったことは、立希の音楽的嗜好にも影響を与えていそうでMyGO!!!!!に青春パンクロックの曲が多いのも上手く説明された展開でした。

また、カメラワークにも注目してほしいシーンです。
今までのシーンとは違い、隠しカメラで定点映像のような画面構成は普段は見ることができないアーティストの舞台裏を覗いている感覚になります。

そして最後は楽屋からステージまでの移動のシーン。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

初ライブを終えると、ライブが終わるまでは必ずやると誓った関係が一度終了してしまい、再び居場所を失うのではないかと怖がる燈にそよが発した言葉、「今日のライブが終わっても、これからもバンドをやっていこうね。」
これをそよに言わせた。この後の展開を知っているとこのBanG Dream! It’s MyGO!!!!!の脚本の”良い意味”での性格の悪さが光る大事なシーンです。

初ライブ〜演奏〜

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

そして、ついに始まってしまうライブ。
しかし、緊張で愛音は出だしからミスを連発。
立希は愛音に対して「ちゃんと、やって!」。
ちゃんとやればやれることを立希は知っているからこそ出る言葉。
愛音に一定の信頼を寄せているのがつい表れちゃったシーンです。

しかし、そんな愛音より深刻なのは燈の方でした。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

歌いたいけど大きな声が出せません。
これはCRYCHICでのトラウマで〜、だったり大きい声を出すのが恥ずかしいからといったことではないと思います。
久しぶりにカラオケに行くと一曲目に歌ってもなかなか声の出し方がわからずに、戸惑ってしまうことに近いのでないでしょうか。
人前で歌う経験も数える程度、カラオケに行って歌う趣味もない少女が急に堂々と歌えるほどBanG Dream! It’s MyGO!!!!!の世界は優しくありません。

そして、それは人間の本能的な部分の話で、もし改善したいと現実で相談されたら、練習、カラオケ、ライブなんでもいいから歌うことに慣れるしかないと答えると思います。
つまり、その場で声を出せるようにするのは結構難しいです。

しかし、今回は予想外が起きました。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

祥子が客席に居て、燈を叱りつけるように睨みつけました。

CRYCHICを脱退した理由が記事を書いている段階では不明なのでなんとも言えませんが、今でも祥子にとって燈の歌詞と歌声は”離したくない”大切なものであったのだと信じています。

だからこそ、本来の目的はそよとの決着でしたが、そんなことよりも燈の今の姿の不甲斐なさに居ても立っても居られない心情になったのだと思います。燈同様祥子も自分の素敵だと思うことが正しく理解をされない状況が嫌いでたまらない性格なのかもしれません。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

そんな祥子の思いは燈に届いたのでしょうか。
曲の後でのMCで燈は「頑張れと言われた気がして」と語っているので気持ちは届いたのでないでしょうか。
BanG Dream! It’s MyGO!!!!!は時に言葉だけでは解決しない問題が立ち塞がります。話し合うことも大事だが時にはそれ以外の手段も必要になる。#4や#5では話し合うことでバンドが正式に結成され、愛音も覚醒しましたが、#6では話し合おうとしたら逃走劇が始まり、2人で仲良く転ぶことがきっかけで解決しました。
どうすれば正解になるのかは誰にもわからない
だから迷いながらでも進む以外に方法がない
話し合うことも、言葉以外で気持ちをぶつけ合うのも正解にも不正解にもなり得てしまう。現代における社会問題の全てに共通することではありませんか。だからせめて”迷うことに迷わず”愚直に突き進むことで(根本的解決は無理でも)少しは良くなるのではないか?というメッセージを感じます。

この後の燈のアドリブMCも感動的なものでした。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

自分の歌のせいでCRYCHICが終わってしまったのではないかと思っていた燈にとって、このMCは祥子への別れの告白であったのではないかと思っています。そよとは違い、過去のCRYCHICではなく、”今のステージの5人”を何より大切にしている燈の決別の心情が表れた感動があり、だからこそあの悲劇の”引き金”を引いてしまったのだと思います。

あと、カメラワークも楽屋でのシーンとは打って変わってだいぶキャラクターに近づくし、移動しまくるしでダイナミックなものになっていますよね。
楽屋とのシーンでの対比でよりライブシーンに没入しやすくなっているシーンになっていますね。

碧天伴走

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

いつもはおまけコーナーで楽曲を最後に紹介しているのですが、MyGO!!!!!の音楽はその歌詞やメロディにセリフ以上の役割があることが多いので、劇中での挿入歌で差し込まれた場合はその都度紹介していこうと思います。
(そうしないと#10の感想が詰んでしまうので。)

そして、記念すべき、後にMyGO!!!!!になる5人のバンドの初演奏かつ最初のオリジナルソングとなった碧天伴走。

曲調は王道の青春パンクロック。歌詞も燈の歌詞にしてはかなりポジティブ。燈の生きずらさを綴ることが多い歌詞が多い中、「頑張ってる 十分 君はもう」をサビの最初に持ってきている通りエールソングに仕上がっています。

しかし、この楽曲の成り立ちを考えるとエールソングの歌詞になるのは必然であったと思います。

碧天伴走は立希の作曲話が間に挟まってしまうために忘れがちですが、もともとは愛音が春日影をその場でアレンジして演奏した楽奈に対抗するために燈に作詞(本当は作曲)を依頼したから生まれた曲だからです。

その歌詞は#6の冒頭にメンバーに共有されたので、燈にとってはかなり愛音に寄り添ったものになるのは当然でしょう。

それを前提に入れて歌詞を見直すと、
「人知れず 肩落としている君」
「迷っても 君と進んでみたいよ」
「誰かには ちっぽけなものだっととしても
               君にとっては なりより大事なこと」
「”僕なんか”言うのは やめるよ 君にも言ってほしくないから」
「思うようにいかない そんな毎日だって 頑張ったと 知っている」

本当に#5での水族館のシーンや天文学部の部室で絆創膏をつけながら必死に練習するシーンが思い出される歌詞ばかりです。
愛音はもしかしたら気づいていないかも知れませんが、
燈の愛音への尊敬と自分の気持ちを愛音に重ねて自身にも励ましを送っているのではないかと感じさせます。

極め付けは、落ちサビの
「頑張っても ダメだと 思う日も この手をつなぐから ぎゅっと 力込めて」
は#5での最後の手を繋いだシーンが燈にとって印象的に残っていたと言うことでしょうし、
ラスサビの
「逃げてもいい 道が見えなくても 迷っても 君と走っていたいんだよ 一緒に」という燈が一番伝えたかったメッセージを一番最後に持ってくるが個人的には大好きな箇所です。

あと個人的な話なら燈が最後の「一緒に」のところで一回右手を胸に寄せて拳を握り、そのままスピード良く人差し指を伸ばして前を指差す振り付けが大好きです。
3Dアニメの難しい滑らかな手の表現を可能にした技術力もすごいですし、もともとアニメ前のライブの「ティアドロップス」や「swim」にそれこそ「迷星叫」の最後に右手を空に伸ばす仕草だったりオリジナル・カバーともに羊宮さんがライブで演じる燈はかなり独自の振付が多い印象でそれが情熱的でかっこいいのでその遺伝子がアニメにも引き継がれていて嬉しかったです。
実際に5th Liveの碧天伴走ではアニメを再現する振り付けをしていたのでそれを生でみれたのは嬉しかったです。

他のメンバーもみんな純粋な笑顔で弾いているのも印象的で何気にMyGO!!!!!にとっては貴重なライブシーンですね。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より
BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より
BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より


そして・・・


春日影 ~MyGO!!!!!ver~

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

そんな神曲、碧天伴走の余韻を全てぶち壊した爆弾が投下されました。
「春日影」この曲はここまでBanG Dream! It’s MyGO!!!!!を視聴している人はとっくにご存知でしょうが、祥子が燈の歌詞に合わせて作曲したCRYCHICの楽曲です。

ただ、燈にも一度指摘されていますが、
CRYCHICの春日影とは全く別のものが春日影 ~MyGO!!!!!ver~です。
それはもちろん肝心のメロディが優しい祥子のキーボードから楽奈のイカついギター演奏に変わっている物理的側面が大きいのは間違い無いのですが、
燈の”変わってしまった”はそれ以上の意味が含まれているのだと思います。
それこそ春日影の歌詞でおそらく一番印象的なワードの「離さないでいて」という意味は燈の中でCRYCHICの解散前後で同じ解釈になるはずがないんですよね。

よくこの時の春日影は楽奈がアドリブでメロディを弾き始めたから始まってしまったので楽奈の自由奔放さが戦犯にされてしまっているし、それは決して間違いではないのですが、楽奈は自由奔放に見えて無路矢での歌詞でもわかるように音でなら心が繋がれる=空気が読めるキャラクターだと個人的に思っている節があるので、燈が今春日影の音を求めていたのを感じとったのだと私は解釈しています。

ではこの解釈が仮に正しかったとして燈はなぜ春日影の音をこの場で祥子がいることを知っていながら求めたのか。
それはMCのところでも書きましたが、祥子との決別だと思ってます。
もちろん、この決別は怒りや復讐とは意味合いが違います。
祥子の事情は知らないし、今でもCRYCHICのなぜダメになってしまったのかは確証が持てないけど、
燈にとって確実なのはCRYCHICの時の自分と今の自分は違うし、それを私は受け入れた。だから”それを純粋に祥子にそれを一番わかりやすく伝える春日影を通して見てほしかっただけ”なんじゃないか、だと思います。

ただそれが祥子では別の意味で聞こえた可能性が高いですよね。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

歌詞を何より大事にしていたし、それを共有していた燈と祥子の関係値。
祥子にとっては自分を責めているように感じたのかもしれないし、ただ燈に申し訳ない感情が溢れてしまったのかもしれない。
祥子の涙の理由はまだ明かされていませんが、
BanG Dream! It’s MyGO!!!!!にとって重要なのは春日影を演奏して5人で祥子を泣かせた=傷つけたと”そよ”が解釈した事実だけです。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より
BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

余談ですが、#12まで放映された今でも感想で、祥子がCRYCHICを脱退した理由や睦の心情を早く明かしてほしいという意見を多く見かけるのですが、
もちろん、私自身それが気にならないと言えば嘘ではありますが、
MyGO!!!!!の物語にとっては実はもうどうでもいい話であるというメッセージ性を感じます。
CRYCHICというバンドがダメになった。
留学したら挫折した少女が転校してきた。
ギターが天才的な野良猫がライブハウスに出入りしている。・・・etc
その事実だけが大事で、その理由はあまり重要視していないという姿勢が徹底されていると見ていて感じています。
リアルでも全知全能の神はいなく、原因がなんでもわかる人はいないし、
わからないことだらけでも、正解じゃなくても、迷っても、
進むしか無いのが現実で、非常な現実を恨んでも何も変わらなくて、
だから結局進むしかない。

それを描いている物語だからこそ、BanG Dream! It’s MyGO!!!!!が自分は好きなんだと思います。

では、なんで祥子をはじめとしたサブキャラクターも必要以上に描くのか?

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

それはMyGO!!!!!とは違う物語に必要だから・・・?

激昂

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

「なんで春日影やったの!!!!!」
BanG Dream! It’s MyGO!!!!!には人気なワードが多いですが、1番に人気になってしまったのはこのセリフでしょう。
そよの心情はまた次の回で語る方がいいと思うので今回はあまり語りませんが、完全なすれ違いですね。
言葉以外で気持ちをぶつけ合うのは良いコトであるみたいに前述してしまっているのですが欠点として誤解を生みやすいという事実もあります。

ただ、自分含めて多くのMyGO!!!!!ファンはこのシーンはついにそよの本性がやっと表れた場面であり、全13話中7話という折り返しにして、まだまだアクセルを踏み続けていくことが確定したのでワクワクしていたのではないでしょうか?

総括#7

#7の感想記事でのタイトルは奮激を選ばせてもらいました。
今までのタイトルはMyGO!!!!!に関わるワードをチョイスしていましたが今回は自分が一番合っていると思うワードを考えてみました。
そしたら一番合っているのは”奮激”以外あり得ないと思いました。

奮激=激しく奮い立つ、心を奮い起こすという意味ですが、
ライブシーンを通してMyGO!!!!!全員に祥子と睦?に先輩バンドの面々、たまたまMyGO!!!!!の船出に立ち会えたRiNGの観客たち、そして画面越しに存在する視聴者、アニメを製作したスタッフやキャストの皆さん関わった全ての人・キャラクターを興奮・感動・悲しみ・そして怒り、感情は各々別々だけど奮激させたのではないでしょうか。

そしてこの記事の序盤に革命と言ったのか。
それはいろいろあるのですが、特に大きい2つを語りたいと思います。
1つ目は王道バンドアニメのライブシーンの役割は、練習などで喧嘩→本番までに涙の仲直りでライブで感動のラスト。だいたいこのような形式美が間違いなく存在していますし、その王道も自分は好きです。
ただ邪道=ダメではないことを証明したのがこの作品ではありませんか?

最後の春日影ではそよは前半は困惑、後半が怒りの感情を持って演奏していました。しかし、そよ以外の4人はこれが最終回のライブであっても遜色無いレベルで楽しそうに音を全力で楽しむ姿が同時に映るその気色悪さ。さらに観客のテンションは最高潮で共同主催のバンドの1つであるPoppin'Partyに最高のバトンを渡すという大成功のライブから始まるバンド崩壊。落差があるのではない、最高と最悪が共存する矛盾した空間を作り出してしまう恐ろしさ。見たことのない何か新しいものを見てしまった確信があります。

2つ目はライブシーンそのものの革命です。
バンドアニメの唯一かつ絶対的な弱点が残念ながら存在しています。
それが演奏シーンのコストの高さ、
それが理由でライブシーンの楽曲がshort verになってしまうことです。
実際バンドアニメで名作と呼ばれるものは多いですがそのほとんどがライブシーンではshort verであり、最終回だけでもFullサイズで披露されれば神アニメとして最高の評価を受けていたことでしょう。
バンドリ!のアニメも例外ではなく、Film LiveやEpisode of Roseliaの最後の「song I am」はBlu-Rayでは完全版としてFullサイズでアニメ化されましたがそれでもかなりギリギリの製作で頑張った結晶であることは素人の自分でも伝わります。
BanG Dream! It’s MyGO!!!!!でも3話のCRYCHICの春日影はshort verでした。
でも、曲というのはFullで聴かないと魅力が半減してしまうことも多いですよね。特にMyGO!!!!!は燈の歌詞が根底にあり、それがストーリーに繋がる曲だらけなので不完全なもので披露してしまうと本来伝えたいメッセージが伝わらずアニメ自体が成り立たなくなる可能性が否定できません。
それをしっかり製作の人達は理解していたのでしょう。
なんと碧天伴走と春日影の2曲ともFullで描き切りました。
いくら3Dアニメといえど生半可な覚悟で可能になることではありません。
それも前半の山場であるとはいえ、最終回でもない回で。
”きっとこんなアニメは今後作りたくても作れない。”
”真似しようとも真似できるものではない。”
これはそのレベルです。

7話でこれなら最後のライブはもっと期待できるのではないかとすら思えた本当にスゴすぎる回でした。

BanG Dream! It’s MyGO!!!!! #7より

と、#7の感想はこれで終わりです。
前回は#4〜6までの3話で9,900文字でしたが、今回は#7の1話分で8,300文字を超えてしまいました。#7だけで記事1つにしたのは正解でしたね。
公式から配布された画像も#7は8割以上使ってますね。
感想記事も今回で4回目ですがざっくり計算すると4万文字近くまでいくのではないかと思っており、自分でも少し驚きがあります。
ただ、ちゃんと感想や考察を入れて、読んでいて楽しい、役に立つものを提供しようとするとここまでになってしまうのがこのBanG Dream! It’s MyGO!!!!!という作品なんですよね。本当に濃密なアニメです。
そして次回は#8と#9の2本で一つに記事にする予定です。
かなり精神的に辛くなる回ですが考察しがいがさらに上がる回でもあるので頑張っていこうと思います。

おまけ#3

需要があるかわかりませんが恒例のおまけコーナーです。
OPとEDを既にやって、挿入歌を本編で紹介したらおまけでは何をやるのかと思っていると思いますが、この感想記事ではアニメ以外のMyGO!!!!!の活躍も知ってほしい気持ちもありますので、(感想記事1はその最たる例)
おまけコーナーでは本編では紹介しないであろうMyGO!!!!!の楽曲たちを紹介していこうと思います。(ただ、知っていてアニメを見ると得することもあるので全く無関係ではないのですが。)

そして今回は「影色舞」を紹介します。
理由としてはちょうどこの記事を書き始めた9月3日がMyGO!!!!!のAnimero Summer Live 2023 -AXEL-出演から1週間で、感想でも影色舞を好きになったという感想が多かったからです。(あと、潜在表明と無路矢は本編と少しリンクしている箇所があり、それに相応しい回のおまけで紹介したいからです。)実際MyGO!!!!!の昔からのファンの方でも影色舞は人気でライブ映えするので人に最初に勧めやすい曲でもあるので納得の評判ですね。

影色舞が初公開されたのは3rd Liveの直前にYouTubeでMVで公開された、ライブで初公開することが多いMyGO!!!!!では珍しく事前に聴いてきてほしいというメッセージが出された曲です。

そして、影色舞の最大の特徴はそのキャッチーさであると思います。
ダンスナンバーであるリズム感やノリの良さ。
イントロのギターフレーズの中毒性。
ツーステップにワイパー、クラップといった初見でも一緒に盛り上がりやすい振り付け、それら全てがライブにおいて非常に映えます。

同時にそのキャッチーさの裏で狂気を孕んでいるのがこの曲の奥深さ。

「あと一匙の憂鬱で 壊れそうなんて」
曲の入りから限界寸前の精神状況であることが窺えます。

暗い曲調で生きることの苦しさを曝け出した潜在表明ですら、
最後には声抱えて生きることを決意する前向きな方向性に向かうのに、
影色舞では「もうなにもかも 忘れて 今宵は シルエットダンス」
完全に現実逃避をしているように思えます。

辛いことだらけで何もかも嫌になって、それでも今宵=今だけは何も背負わないで自由に踊り続ける。
救われているようで何も救われていない残酷さ。
個人的には童話「赤い靴」を連想してしまいます。
赤い靴の魅力に取り憑かれ、靴を履いたら足が踊り出して止まらない。
そんな、呪いや依存といった怖さが感じられるのです。

燈を演じる羊宮さんも何かのインタビューで影色舞の歌詞について言及していた記憶があるのですが、そのインタビューでも影色舞の歌詞に綴られている悲しい言葉を感じたと語られていて、そんなキャッチーさと歌詞のギャップを知っていると影色舞の見え方がかなり変わるので解説しました。

ただ、ライブではそんなことも忘れて一緒に盛り上がることがMyGO!!!!!にとっても本望でもあるので、聞く機会があれば全力で盛り上がってくれると嬉しいです。

おまけは以上です。


今回の記事はここまで、
気に入ったら次回も読んでくれると嬉しいです。

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