「デブス」に厳しい日本の小学校

私の身長は168cmある。
日本人女性としてはかなり背が高い方で、今住んでいる台湾でもよく「日本人にしては背が高いね!」と言われる。

私はこの体が嫌いで嫌いで仕方がなかった。

日本人女性の平均身長は158cmだそう。
私は小学校6年生、12歳の時点で162cmも身長があった。
大人になった今考えると、私は単に他人より成長が早かっただけで、実際にその後今に至るまで6cmしか伸びていない。
でも、小学生で162cmあると、もちろん背の順は一番最後。
時には先生よりも背が高くなってしまうので、嫌でも目立ってしまう。

高身長でスリムで美人、いわゆるモデルのような見た目だったら私のような経験はせずにすんだと思うけども、私はそうではなかった。
低い鼻、丸い顔、ぽっちゃりとした頬。
そして高身長なだけではなく、ぷくぷくした体。おまけに運動神経も悪かった。(未だに悪いけど)
12歳でも160cmに満たない子がほとんどの中で、私についたあだ名は「和田アキ子」だったり、
デブ、ブス、など言われるのは挨拶代わりだった気がする。

運動が得意ではないため、体育の時間ではチームスポーツの足を引っ張ったり、笑われたり、もしくはあまりの出来なさに同情の目で見られたり。
母に連れられて服を買いに行っても、同級生の”普通サイズ”の女の子たちが着ているような服に私のサイズはなく、大人の服売り場へ行かなければいけなかったり。

私は醜い、と子供心に常に思っていた。
細くないしかわいくないから、かわいい服を着る権利はない。
そんな思いから、「女の子っぽいもの」から遠ざかり、体型が出ないバギーなTシャツやパンツスタイルばかりを好んで着ていた。
髪も短くするのが好きだった(というかロングヘアのかわいいスタイルはする権利がないと思っていた)ので、よく男の子に間違えられもした。

そんな中、一番傷ついたのは、今でも忘れない。
保健の女の先生からの一言。
身体検査の日に、私の体重を測り終えた先生が笑いながら放った一言。

「先生よりも重くなったね」

当時のこの先生に、悪気はなかったのかもしれない。
でもこの一言で、私の自信は立ち直れないほどに崩れ去ったように思う。

大人の女性である先生よりも、私の方が重いなんて、私はとにかくデブなんだ、と。
大人の先生にそんな事を言われるなんてきっと、先生はデブでブサイクな私を見て、笑ってるんだ。おもしろいと思ってるんだ。
もしくは哀れんでいるんだ。
本来なら同級生に意地悪な事を言われた時に、味方でいてくれるはずの先生にそんな事を言われるなんて。
もしかしたら、先生にまでそう思わせてしまうほど私は肥満でブサイクなのかもしれない。

そうやって、10歳~12歳ごろの私はどんどん自尊心と自信を失っていった。

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