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なぜはじめから、MICEのイベント会場用に植物園と府立大学の一部を召し上げる、とはっきり言わないのか?

なぜはじめから、MICEのイベント会場用に植物園と府立大学の一部を召し上げる、とはっきり言わないのか?

一万人のアクセス、一万人のイベント、一万人とは、花見客で植物園がごったがえす、桜のシーズンのしかも週末の人出だ。一万人の踏圧はすさまじい。

そもそもアクセスの良さと植物園は両立しない。草食動物のシカ、盗掘目的のヒトが、乗り越えられない高さと形状の高い柵に囲まれてはじめて、植物園は成立する。このことの理解なしに「植物園の面積は減らない」という行政のだましの手法に乗せられては「植物園という名の実質的公園化」は止められない。

なぜ「植物園の魅力向上」という議論に乗じてMICEを「ぶっ込んで」くるのか?なぜ無理矢理、植物園自身に身を切らせ、矢面に立つ園長・副園長の孤立を招き…植物園のため日々一丸となり努力している職員・現場との間を分断するのか?

イベント誘致と、静けさを求める植物園は両立しない。イベント誘致と、静かな学習・研究環境が求められる大学とも両立しない。従来の「北山文化ゾーン」…この言葉には、ごくあたりまえに前提としての静けさが含意されていた。京都府と(そして京都市も)MICE促進のかけ声のもと、これを壊そうとしている。いつ誰が、どんな議論を経て、こんなにも大きな都市計画の変更を決定したのか?

京都府の財政が厳しいことは明らかだ。自前で大学の体育館ひとつ、植物園の温室ひとつ建て替えられないのだろう。だからといってこんな風に敷地を切り売りするとは…あんまりだ。「植物園の敷地は削られません」「植物園の緑が広がるんです」よく言ったもんだ。

今一度、なぜ京都府は、11/9(火)のルビノ堀川での住民説明会で指摘されるまで、MICEについて語らなかったのか?なぜ図中の「MICE…」が読み取れないほど解像度の低い図を説明資料に添付したのか?行政手続きへの疑念、プロセスが見えないことへの底なしの不安、京都府への不信感…。

よもや…「植物園開園100周年未来構想委員会」がMICE促進、都市計画変更の根拠というわけではなかろう。私も委員会を「見学」した一人だ。あんな議論でこの北山エリアの重大な路線変更が決定されたとは思えない。そんなバカなことはことはあり得ない。しかしもしかして、植物園はだまされたのか?いや、共犯か?誰が?…疑心暗鬼が止まらない。

MICEは大型イベント誘致、そのものだ。一万人を収容できるアリーナ構想、都市計画を変更してまでの中高層ホテル建設計画。はっきりと見てとれる。せいぜい2000人の集客がいいところ、といわれるプロバスケットチームのハンナリーズのため?Bリーグ加入の条件クリア?いやいやハンナリーズすら、おそらくダシでしかない。エリア内に一万人を収容・移動させることを前提に、都市計画まで変更しようというのだ。

「北山エリア整備基本計画」=「北山文化ゾーンの破棄」

そもそもMICEの促進は、いつ、どこで、誰によって議論され、決定されたのか?府の所管は?府議会での議論は?京都市は?

住民説明会で登壇した人たちは、本当にMICEを住民に説明するにふさわしい人たちだったのか?

私は知りたい。

※MICEについての基礎知識はこちら
https://www.eventbiz.net/?p=63081