イレクターパイプと段ボールと新聞紙

家を作りたがる子がいる、パッと開くテントみたいなのをあげたら喜んでたけど3日で飽きてしまった、
というお話を、私が最近尊敬してる作業療法士さんに話したら、
「イレクターパイプっていうのがあって、簡単にがっしりとした家が作れるよ。」
と教えてくださいました。

エネルギー持て余してる系の子は、重量があった方が良いみたいです。

ものすごく納得してホームセンターにイレクターパイプを見に行きました。
が。
なんとなくこれじゃない感がよぎって、しばしあちこち彷徨いました。
(年度が終わった時の処置も悩むし…)

で、結局、引越し用の巨大段ボールにしました。

翌日持っていくと、大喜びで家を作り始めました。
友だちを巻き込んで、屋根はこうしたい、ドアはこう、窓はこう、と。
書き込んだり切ったり折ったりして、夢中でした。
1日で完成し、喜んで中に入ってました。

が、それも持ったのは一週間でした。

そのうち飽きて廊下に転がし、今度は新聞紙で家を作り始めました。
一学期に図工で新聞紙で遊び倒す単元があって、友だちと新聞紙テントを作ったのですが、
それを再現したいようでした。

まず、細ーい棒を作って、四本を上で束ねて支柱にし、新聞紙で壁を作っていきます。
でも、あれは、図工の時間でみんなで協力して作って、その時間だけ遊んだからできたことで、
普通に授業しながら数日かけて作るには新聞紙は弱過ぎます。
みんなが手伝ってくれて支柱の棒は30本くらいできたけど、結局3日かけてもテントは完成せず、作りかけのままボロボロになりました。

三匹の子豚で言うと、レンガの家じゃなくて、木の家を建てたけど、藁の家に戻った、みたいな感じで、ちょっと面白いんですけど、

これ、その子が欲しいのは家なのかな?とふと思いました。
いや、もちろん、家は欲しそうなんですが、一番欲しいのは、一緒に作り上げる時間なんじゃないかなと思ったのです。
作り上げるのが難しい新聞紙で何度も挑戦したがるのは、作り上げる時間が好きなんじゃないかな、と。

もし、私がイレクターパイプで家を作ってあげたら、どういう感じになったんだろうなー。

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