ミミズに脳はない
脳を持たない動物は腸で思考する。
植物は構造で現実に対処する。
怪我をすると治るのは化学反応。複雑に設定されたピタゴラスイッチで治るように出来ている。
脳を持たない生き物は繁殖して数を増やし、一か八かで過酷な環境にその身をさらし、たまたま生き残ったらその手法を保持して繁殖する、を繰り返す。
後手
脳は未来を予測する。起こっていないことに対処する。
なにかが起こったら、たまたま生き残ったものを正解とする生物は、運が悪いと絶滅するおそれがある。こうなったらおしまい、という破滅に対してはそうなる前に事前に対応し、先手を取ることしか生き残る手段がない。
そこで脳が作られる。
脳は未来を予測する器官。
起こってもいないことを可能性として想像し、不安に感じることで不安そのものを実害とし、その対処をすることで破滅するまえに問題を解決する。未来を変える力。
その力の空回りで、ありもしないことの為に必死で苦労して対策する、架空の希望と絶望に翻弄される人生が生じる。
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