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とびない旅館に泊まって【1】

今回2泊3日で訪れた青森県むつ市にあるとびない旅館。
座敷童が出るとか、サブカル好きの店主がマシンガントークでおもてなししてくれるが故にチェックインから寝るまで一切休むことができないとか、色々な角度でTVでも取り上げられることが多い。

店主の飛内さん曰く、最近では「泊まれるアトリエ旅館」を謳っており、プラモデル、特撮、モデルガン、造形、映画など、サブカルチャーに興味がないお客さん、また、出張客などただ”宿泊を目的”に来るお客さんに対しては電話予約の段階でお断りすることも多いらしい。
(旅館を名乗るうえでの基本がなっていない気がするが)

泊まることができても、上記の部分が理解できていないと皆不幸になる。
少なくともとびない旅館のことについて詳細に書いてくれているブログは数多くあるので、その辺を読み込んでからでないと、お客さんも飛内さんも不幸な思いをして、最悪、お客さんがカンカンに怒って帰ってしまうなんてこともあるらしい。(やはり、旅館としての基本がなっていないのでは…)

ブログ等で書かれていることは誇張ではなくぼぼ正しいので、そりゃそうだと思う。現に、以前私と一緒に2泊3日した友人は、人生に於いてとびない旅館で過ごして良い時間の全てをその3日間で使い切ってしまったとぼやいていた。

私は4年ほど前から年に一回程度ではあるが、泊まるルーティンができている。
最初は青森ブロガーで有名なねこぜさんのブログを見て存在を知り、青森を知る上で、どうしても忌避してならないような気がして、怖いもの見たさに訪れてみた。
最初は圧倒されたが、何回か通う内に、青森の実家的存在というか、非日常にどっぷり浸からせてくれる、遊び心が揺さぶられる時間になっていた。

プラモ作りなんていうのは小学校の工作クラブ以来だったが、とびないさんの作品を見てまた作ってみたいという気持ちにさせられた。
本人もよく口にしているが雑誌に載るようなプロモデラーの作品とはいい意味で違った、遊び心を掴む何かが飛内さんの作品には溢れている。

誤解しないでほしいが、飛内さんは田舎で変わったことをしている変なおじさんではない。活動が評価されて、県立美術館から呼ばれてワークショップなどを行っている正真正銘のクリエイターである。
日本全国のアウトサイダー・アートを紹介する櫛野 展正氏のクシノテラスでもアーティストとして紹介されている。

そんなとびない旅館へ、今回はプラモ合宿と称して、雪の中、栃木から約650キロ車を走らせ向かったのである。

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