光
見上げた夜空
厚い雲が月を隠す
流れる雲間から
時折見える月の輝き
周りの雲さえも
輝きの一部となり
眠れぬ私たちを照らしてくれる
*
次々と消える街の灯り
今日はどこで眠ろうか。
怖いと泣くわが子を見て
ただ身体を温めるしかできない
誰かこの子を助けてくれたら
想いは届かず
ベトベトの油をかけられる
何も出来ないまま
ここで終えようか
怖いと泣くわが子
静かにしないとまた怒られる
近づく足音に身を寄せ合いうずくまる。
見知らぬ顔
悲しそうな目
優しそうな手
この人なら大丈夫
どうかわが子を助けてください
私はひっそりと隠れて見る。
抱きかかえられるわが子
あの声を聞くことはもうできないのね。
安堵と悲しみが入り混じった、
なんというのだろうか、この気持ち。
どうか、幸せに、、、
*
厚い雲が月を隠す。
流れる雲間から薄っすらと見える月。
またもなお、周りの雲さえ輝かせる。