コドクお化け
後ろからトントン、と肩をたたかれる。
後ろを振り向くと
あれ?
誰もいない。
気のせいか、ってまた前を向いたら
トントン
ん?
後ろは誰もいない。
前を向こうと思ったけど
誰か気になってうっすら後ろを見ようとしてたら
わぁーっ‼︎
肩を叩いてた犯人が目の前にいる!
いつの間にか僕の周りを囲い込んでいる
もっと友達と遊びたい
もっとお母さんのご飯が食べたい
もっとお話しを読みたい
僕の願いは届かないのかな
…‥…‥
泣きたくなる
寂しくて悲しくて
ポロポロ涙がでてくるんだ
コドクのお化けは怖いね
楽しいことがあると前ばかり見て
お化けが近づいてくることに気づかない
僕が走って逃げれるといいんだけど。
コドクお化けは一瞬にして僕をつかまえるんだ。
僕はね、いつかこのコドクお化けをやっつけるんだ。
みんなが怖い思いしないように
僕が戦うんだ!
温かい肌の感触で目が覚める。
「お母さん、おはよう!」