休職経験者、剣道を再開する。

学生時代は、剣道に明け暮れていた。

幾度となく辞めたいと思ったし、とにかく苦しくて、授業後はいつも憂鬱だった。

それでも稽古が終わった後の、爽快感や一本が決まったときの達成感は、何にも代えがたかった。
もう一度あの頃の青春が味わいたくて、気づけば道場を探していた。

会社帰りに行けるところ、そうして道場通いが始まった。

仕事終わりで疲れていて、ふらふらした足取りで道場に向かう。

袴をしめる。竹刀を握る。

そのどれもが、懐かしくて、本当に幸せを感じた。

面を打って、抜ける爽快感。
ああ、私が求めていたものは、これだったんだな。と思った。

剣道人生は長く続く。

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