『汝、星のごとく』を読了して

凪良ゆう著 「汝、星のごとく」を読了した。

日頃の自分のもやもやを全て言語化されていて、びっくりした。
あまりにも鬱な話なんだけど、私の現実にも似ている気がする。

基本的にはずっと不遇な二人の男女が、その環境の中でも自力で生きようとする。絡まりあった愛の中で、正しいとは何か、幸せとは何かを考えさせられる名著だった。

私は1年目に頃に社内恋愛をしていた。
別れた後も彼は同じ事務所にいる。まさに目と鼻の先とでも言おうか。

彼には前に社内で付き合っていた人がいたのに、私はそれを知らなくて、彼のもとに行ってしまった。人を傷つけてしまった。
それでもどうしても彼が欲しかった。「正しい」ことよりも「自分の幸せ」を選んだ。
その道は、他の誰でもない自分が選んだ。

そんな決死に掴んだ恋愛は、自分の休職と共に、あっけなく終わりを迎えた。そして、彼の元恋人は、違う人と結婚した。
私がいなかったら。あの時、私がここに来なければ。

私の考えすぎなのか。私の思い違いなのだろうか。
どちらにせよ、私という存在は邪魔者にすぎなかった。
全てが終わったときに、ようやく恋愛の全体像が見えた。
夢中になってるときには見えなかった「人の気持ち」が分かった。

彼を見るたびに、あの忌々しい過去が、自分の未熟だった姿がありありと思い返される。
私はまだあの思い出を消化できていない。

前に進もうとするたびに、自分の過ちで生じてしまった重い十字架が自分の足取りを重くする。
そのくせ記憶の中の彼は、本当にきらきらしていて、現実の彼はいつもさわやかな仮面の下にじっとりと湿っているものを持っているように感じる。
いつの間にか、彼の存在が忌々しいものに変わっていった。
大好きだったはずの彼が、大嫌いで、それでいて誰よりも特別だった。
私はまだ彼の幸せを願えない。

もう年月が経つのに、いまだに思いだす自分がほとほと情けない。
叫びたい、孤独な夜をあと何回過ごせば許されるのか。

「もうめんどいから、早く死なないかな」
インタビューでとある俳優がそう話した。

死にたいとは思わない。それでも、さらっと消えられたらいいのに。
自分がしてしまった過ちと共に、消えたい。

それでも生きないといけない。
希望を持って、生きないといけない。

母から電話がきた。親もこんないろいろなことを経験しているんだろうか。
みんなすごいや、私は「生きる」ことに、耐えられそうにはない。

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