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お〜いお茶新俳句大賞入賞メモ

はじめに

「パッケージに謎に俳句書いてあるな」
「これっていったい誰が考えているんだろう」

コンビニやスーパー等で伊藤園のお茶を手に取る際、いつも不思議に思っていたことが解明されたのは、今から約15年前。わたしがまだ学生の時分でした。

五七五からなる計十七音で見たことや感じたことを表現する俳句。

季語や定型など独自のルールを取り払い、もっと自由な表現を可能にしたのがこの新俳句大賞です。

国語の教材として取り上げる学校もあるため、この時期、授業の一環で俳句を作ったという方も少なくないのではないかなと思っています。

(わたしと新俳句大賞の出会いもそうでした。学校を卒業してからも趣味で応募を再開し始めたのですが、この話は特に面白くないので割愛します。)

近年では写真と俳句をセットでSNSに投稿する様式が仲間入りする等、広い世代に向けてさらにその間口を広げているようです。

入賞ってそもそも何?

今や日本で最も応募数の多い俳句大会と言われている新俳句大賞ですが、直近の第三十四回の応募数は1,921,404句。入賞と呼ばれる2,000句に入るための倍率は約960倍にものぼります。

▼賞
【入賞(佳作特別賞まで)2,000句】
「お~いお茶」のパッケージに掲載

【入選(佳作)5,000句】
賞状を進呈

正直、数字だけ見れば想像もできない値ですが、市販のペットボトルに俳句が掲載される佳作特別賞までの2,000句に入ることは決してむずかしいことではありません。

参考までにこちらが過去4回応募した際の受賞歴です。

▼過去受賞歴
第二十一回 佳作
第二十八回 佳作
第三十三回 佳作特別賞
第三十四回 佳作特別賞

個人情報の観点から掲載作品はお見せできないのですが、ここでは第二十八回と第三十三回の投稿で意識的に変えたことを入賞のコツとしてお伝えできればと思います。

入賞のための3つのコツ

まず、新俳句大賞の前提とも言うべき「なんでもない日常を素直に言葉にする」というテーマですが、俳句作りに悩まれる方の多くが「何を」俳句にするのかというよりも「どうやって」という部分に壁を感じられるのではないかと思います。

何か凝った表現をしなくてはならないのではと思われるかもしれないのですが、本当に素直に言葉にするだけで大丈夫なのです。

ここではそのアウトプットの方法についてお伝えします。

【1.応募可能総数をフルに使う】

新俳句大賞は最大6句まで応募が可能です。
単純に母数が増えれば通過する確率も高くなるため、6句埋めた状態で応募することをおすすめします。

【2.正反対の特徴をもつものを連想し並べる】

過去の入賞作品の傾向で再現性が高い構成方法の一つです。シンプルに正反対の特徴を持つものを併記します。
両者を比較することで表現したい対象のスケールが明確になり、俳句の世界観をより鮮明に伝えることができます。

例:
「太陽(大)」と「アリ(小)」
「やかんの湯気(温)」と「雪景色(冷)」

【3.対象を別の言葉で例える】

普段「〇〇って△△に似ているなあ」と感じたことはありませんか。それをそのまま俳句にしてしまう方法です。
日常の小さな気づきを一見関係なさそうな言葉で表現することにより、簡単に意外性を表現することができます。

例:
「布団にくるまった人間」が「恐竜の卵」に似ている。
「走り回る小学生」が「野を駆ける獣」に似ている。

作例:
恐竜の卵になって春を待つ
(まだ寒い冬の朝。布団にくるまりながら「春はまだ来ないのか」と思いながら詠んだ句です)

さいごに

いかがでしたでしょうか。凝った表現やむずかしい言葉を使わずとも、少しの工夫ではっとさせる構成にすることができます。

参考までに受賞時の選考の流れも一緒にメモしておきます。また、直近の第三十五回新俳句大賞についても書き記しておくので、もし、十七音の世界にご興味のある方は奮ってご応募ください。

▼佳作特別賞受賞時の流れ
11月〜翌2月頃まで:募集期間
4月頃:二次審査通過のお知らせが届く
10月末頃:受賞発表会
11月初旬:副賞のお茶と追加発注書が届く
※知り合いに配りたい方は追加発注(有料)すれば、自分の入賞俳句入りのお茶を届けてもらえます。

▼第三十五回 応募期間

2023年11月3日(金・祝)~2024年2月29日(木) 
当日消印・送信有効
https://itoen-shinhaiku.jp/personal_list/entry/

わたしも今から第三十五回応募に向け、日常の風景を書き留めているところです。

みなさんなら、どんな景色を十七音にのせますか。

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