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【19才のシルバーリング】第1話 〜運命の出逢い編〜

《あらすじ》

高校3年生の秋、主人公のじゅりには毎朝同じ場所ですれ違う他校生がいた。すべてはそこから始まった。どんな芸能人にも抱いたことのない、強い憧れは生まれて初めての感情だった。これは恋なのか、はたまたただの錯覚なのか。憧れの彼とは卒業を機に会うこともなくなってしまう。そんな矢先、誰も予想だにしなかったまさかの展開が繰り広げられていく。憧れの彼との運命はいかに?2人の純愛が、キセキを起こしていく。涙なしには語れない、3度のキセキが織りなす、実話をもとにした感動の完全オリジナル恋愛ストーリーです。


高校3年  ~秋~

私は同じ高校の彼氏と別れた。

地元が同じ年下の彼だったから、登下校は毎日一緒に自転車通学していた。

片道約10kmもあるような場所だったから、
一緒の方面から通う友達がいなくて

その人と別れてからは1人で自転車通学するようになった。

彼氏がいる時は他の男が目に入らなくなる私は、

やっとまわりの世界が見えるようになっていった。

ずっとその人しか見てなかった私の目に、やっと他の人が映るようになった。

今までだって他の人はいたはずなのに、見えてなかったんだから不思議だった。

そこで毎朝必ずすれ違う、
ど真ん中ストライクな子を目に映しちゃったのだから。

本当に“ズキューン”っていう感じだった。

キムタクを可愛くした感じの、カッコカワイイ子。

私のめちゃめちゃ理想のタイプだった。

今まで見たことがなかったから、なんとなく年下なのはわかった。

私『おはよう!ねーねー!聞いて聞いて!!今日もあのカッコイイ人とすれ違ったのー!!!!!』

友達『どんな人なの?そんなにカッコイイの!?』

私『まじヤバイよ!もーホント見れるだけで幸せ♪まだ心臓バクバク言ってるもん!!!』

友達『あんたのカッコイイはあてになんないから(笑)』

私はよくまわりから、

『付き合う人はカッコイイけど、いいなぁって思う人の趣味がわからない。』

って言われるんだよね。。。

友達と好きな人がかぶるとか男を取り合ったことって今までなかったし。

私『ホントにかっこいいんだってば!!』

友達『じゃあ今度写真撮って来てよ!』

冬になる頃には、もう新しい彼氏がいたし
その人とどうこうなりたいって気持ちはなかった。

ただその強いアコガレは、芸能人を見てる感覚に似たものだった。

なんていうの?雲の上の存在ってやつ??

私たち3年生は2月からもう学校へ行かなくなるから、それまでに絶対一緒に写真撮ってもらおう!

私にとったら、芸能人のプロマイド的なものだ。

毎日、制服の上着のポケットに使い捨てカメラを忍ばせてスタンバイしてたのに、声を掛けられる勇気なんてなかった。

彼は、私の態度が明らかにおかしかったのか、毎朝目が合ってはニヤニヤしていた。

《え、顔に何かついてる!?もしかしてパンツ見えてる!?》

いつもそれが不思議だったけど、相変わらず声はかけられなかった。

一度すれ違うあたりの道に子猫がいて、そのネコをかまっていた姿が忘れられなかった。

すっごく無邪気な笑顔で優しい表情をしてたから・・・

私も一緒にネコのところに行ったら話せたのだろうけど

そんなことをしていたら完全に遅刻だし、近寄れなかったんだよね。

使い捨てのカメラを握り締めて、声が喉まで出掛かった時もあったけど

結局私が声を掛けることはなくそのまま卒業を迎えた。

もう会えなくなるんだぁ・・・ってちょっと心残りだったけれど

私には彼氏がいるわけだし、

当時はカッコイイ男=遊び人だという偏見を持っていたし、

まぁいいやって言い聞かせた。

4月から新しい生活が始まって、新しく忙しい日々の中

そのアコガレの彼のことは、だんだん記憶から薄れていった。

短大に入って、女の子だけのバンドをやろうってサークルを作った。

弾ける楽器はエレクトーンのみの私の担当は“ギター”

ギターなんてやったこともないし、
まわりの子たちも“ベース”経験者1人だけという無謀なサークル(笑)

夏休みに弟のギターを借りて、バンドをやっていた友達の家に練習に行くことになった。

その友達は年下なんだけどモトカレの友達たちで、
みんな顔見知りだったし仲良しだったから久々に会えるのも嬉しかった。

その友達の家はたまり場にもなっていたけど
バンドの一式が揃ってるから、練習には最適な場所だった。

『じゅりさん、ひさしぶり~!短大はどうよ??』

『ちょっと大人びたんじゃないの~?』

みんな久々に会ってもあの頃のままで、短大生になっていた私を見てはうらやましそうに

『俺も早く高校卒業してぇよ!』

そんな風に言っていた。

そうして“私のギターの特訓”が始まったのだけれど、その腕前は…ガタガタ(笑)

指が短いのか届かないし、何度説明を受けてもわけがわからないし!

『じゅりさん、次の時までにここまで出来るように練習してきてね!』

『この鬼コーチー(>_<)』

『そんなこと言ってるともう知らないよ(笑)』

私はしぶしぶ

『はーい、やってきますよ!』

と返事をして帰った。

次の練習日になって、言われていたことをやってなかった私は

行くのをやめちゃおうかなとも思ったんだけど

約束してるしな…と

どんよりしながらその友達の家に向かった。

『じゅりさん、ちゃんと練習してきたのぉ~笑』

ほらきた!

『・・・バッチリ・・・』

私がそう答えた瞬間、

『じゅりさんでしょ?』

その中で一人、見かけない子が声をかけてきた。

『え?誰??』

私はその見かけない子に問いかけた。

『俺だよ、ほら毎朝土手ですれ違ってたじゃーん』


え???

あ!!!

『えーーーーーーっ!!!なんでこんなところにいるのーーー!?!?!?』



第2話 〜はじまり編〜
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第3話 〜あゞバラ色の人生編〜
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第4話 〜19才のジンクス編〜
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第5話 〜涙の獅子座流星群編〜
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第6話 〜おなじ星編〜
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第7話 〜予期せぬ過ち編〜
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第8話 〜一生分の後悔編〜
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第9話 〜悲しみの中の太陽編〜
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第10話 〜心の恋人ピリオド編〜
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最終話 〜思いもよらぬ再会編〜
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#創作大賞2024 #恋愛小説部門

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