あれは暑い夏の日、玄関にキラキラと光るサンダルを見つけた。シルバーにオーロラ色に色んな角度に光るその靴は叔父の彼女が履いていたものだった。幼稚園の年長だった私は可愛い!と心奪われ母に何度も何度も買って欲しいと強請った。 叔父の彼女は美容師で髪はいつも会う度に色が変わり元気の良い物静かな叔父とは真逆な人だった。 ある日、叔父と彼女が私達姉妹を水族館に連れて行ってくれた。 母と父も一緒に行くことになり、私は内心すごく残念だった。 母は父がいる時私達に目線を向けない、きちんと化粧
物心がつく頃、あれは3歳だったか4歳の誕生日に一緒に暮らす叔父がくれた大きな大きな犬のぬいぐるみ。ケーキや洋服や流行りのオモチャよりも 嬉しくて渡された時飛びついたのをしっかり覚えている。 茶色の毛並みを何度も撫でて顔を埋めてプラスティックの黒い眼を触りキルトの下を引っ張る。 わたしの1番のお気に入りになった、あのぬいぐるみはいつの間に捨てられたんだろう。 鉄筋コンクリートの三階建ての祖父の家は窓が少なくて陽の光があまり入ってこない、昼も冷たい廊下夜はもっと冷たくて母に連れ