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海産物解体備忘録(1)

交通費で赤字が出ないところに、破格で魚買える場所(ようは漁港の近辺市場)を発見したので、タンパク質としてパック肉の単価を下回らないかやってみる。(なお人件費)
当たり前だが記事中に死んだ魚や、魚を殺傷する場面、あるいは魚を即死させるのに失敗した話が出てくるので、生き物が死ぬ描写にダメージを受ける人は注意されたい。
個人的な思想だが、生きている限り、遠かれ少なかれ他者の生命を剥奪するのは生命の基本的な原理(植物ですら競争相手の成長を遮り、時に死に追いやるものだ)であり、可愛い顔をし、同じ血の色をした生き物に直接手を下し解体することは、我々がホモサピエンスという動物の一環であり、我々だけが生命が根底からもつ残酷性から免れ得るといった、幻想的な傲慢から目を覚まさせてくれる……ような気がする。
メメント・モリやトーテンタンツのような悪趣味も含まれていることはいると思われるが、家庭崩壊やただでさえ手帳ピープルなのにコロナで失職した金銭的事情も大きいので、その分道楽感は減衰していると思う。

買うときと捌く時の諸々


価格
漁港で上がる魚の値段は、漁獲量で底値の3倍ぐらいは変動する。
スズキなんかはいい例で、同じようなサイズの個体が3匹1000円の日の翌日、1匹1400円のにもある。
なんとも原始的な経済で興味深い。
「食費を下げる」のが目的の場合は、この価格の変動に適応して、「その日安くなってる魚を捌ける」ことが必須スキルになる。ようは「なんでも捌ける」状態にならないとコストパフォーマンスとしてはよろしくならない。
高いのか安いのかわかんない場合は100gあたりの値段で想像する。
正直エビと貝はほぼ常時高い。カニは論外。
食うにあたっては、捌きにくい魚は、エラさえ取れれば丸ごと煮付けにすれば可食部位が多くて良かろう。だが頭のでかい魚はそもそも胴体が小さくて、ニッチもサッチもだったりする。

家の事情
「一家三人分捌く」
個人的なハードルである。安くても小魚過ぎると膨大な量になって処理しきれない。解体難易度が高すぎても膨大な作業量になる。
安くてもこの辺の条件が噛み合わないと難しい。

機材費
調理器具、高い。
自宅の場合は、たまたま親の出刃と柳刃とそこそこのまな板、割としっかりした冷凍室のある冷蔵庫、それにうろこかきが既にあったからよかったものの、一人暮らしだったら絶対にやらなかった。これらなしに三人分の魚を解体するなどとてもやっていられない。
全部揃えたらすごい値段になる。他人に安易に自炊しろとは口が裂けても言えない。
海有り県にいて魚がさばけるとエンゲル係数はたしかに下がるが、他人の食生活に口を出すなら機材一式、特にそれなりの冷凍庫を与えてから言えば説得力が出せる。

個人的な鮮度の見分け方
顔が可愛いもの。
魚は目が劣化していく。
新しい魚は目がクリクリでかわいい。上質なドールアイのようだ。新しい魚を頭の上から見ると、眼球と体のラインがシームレスにつながっている。
目事態は冷凍焼けして曇ってることもあるが、これも綺麗なドーム状ならちゃんと光を反射するので、やっぱりかわいい。

対して古い魚は目玉が凹んでいくので可愛くない。
一番上のトップ画像はちょっと古いブリで、目に光沢がなく、あまりかわいくない。血も回ってしまっていて赤い。安物のレジンアイみたいだ。
このままほっておくと最終的には眼窩が落ち窪んで、カルデラ地形みたいになってしまう。ドールアイの裏から目を印刷して紙張りをしたような顔しているのは、すでに食い物ではなく単なる死骸である可能性が高い。

目が小さい魚は思い切ってエラ蓋を開けてエラの色を見る。
エラ蓋を開けさせてくれない店ではそもそも買わない。
ちなみに、親切な店だと、エラ蓋を開けようとした時点で、鮮度が良くないとこっそり教えてくれることがある。ありがたい。
新鮮な魚のエラは鮮血の色をしている。私たちと同じ色の血が流れているのだから当たり前だ。
対して古い魚は血が抜けた肉の色になっていく。
女性に説明すると、最終的にくすんだピンク系の口紅の色になる。ルージュなら使いやすい色だが魚のエラとしてはいただけない。口紅にできそうな色してたらやめた方が良く、口紅にするならちょっとケバいなぐらいが良い。
有名な話だが、イカタコの血は青く、貝の血は赤かったり青かったり透明だったりするので赤けりゃいい海産物は魚だけである。

あとぬめりが綺麗なものとかもあるが、証明に何度も騙されたので個人的にはあてにしてない。

生命の剥奪の難しさ

これまた個人的な話だが、軽度の協調運動傷害があり、パワーが全くないので普通と違う捌き方をする場面がとにかく多い。
利き手の握力が18kgしかない。
ここまで軟弱だと出刃包丁に振り回され、手からすっぽ抜けるリスクが出てくる。「出刃で叩けば落ちる」はほぼ「危なくてできない」になる。
体感、体重をかけても(実は体重をかけるという動作がうまくできない、なんと無駄な体重なことか)出刃で頭を落とせるのは30cmの魚体までで、後は切れ込みを入れてねじ切っている。巨大な魚を購入時に締めてくれる店の人のありがたみを死ぬほど感じる。
三枚おろしにしても腹骨がもう切れないので、魚を立ててそのまま身を剥がしている。なので解体後はこんなふうに骨が残る。

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非力なフレンズは、腹骨を切るよりそのまま剥がしたほうが楽だと思う。


解体した魚たち

イシガレイ
マコガレイと間違えて買ってきた最初の魚。
鱗を剥がそうとしておかしいことに気づいた。イシガレイには鱗がなく、体の一部に石のようなぜいごのような硬いものがくっついている。
タコほどではないが、ヌルヌル究極生命体なので、心を無にして塩で擦りまくる必要がある。
インチキみたいな生命力の生物で、氷締めされたイシガレイだと思って4匹買ってきたら、なんとクーラーボックスで4匹全部が蘇生した。
こうなったら締めるしかない。
頭の中にゲーム・オブ・スローンズの、ロブ・スタークとシオン・グレイジョイの斬首の手際の対比が浮かぶ。
無事一発で背骨としっぽの骨を切ることには成功し、ロブ・スターク側の人間になったと思われた。
ところが、この生き物は背骨を二箇所切ったぐらいではその後30分はバタバタ動く。多分この生物は神経じめしないとどうしようもない。
待っている間に脳を壊せばいいと気づくのだが、次の瞬間イシガレイの頭の上には名の通り巨大な石のようなものが乗っかっているのに気付いて途方に暮れるのである。当然だが剥がそうとすると暴れる。この辺からラムジー・ボルトンが現れそうな心情になってくる。

生命を生きたまま捌くのは素人には不可能に近い。
ファーブル昆虫記を読んだ事がある人は、無麻酔で芋虫を解剖しようとして挫折するファーブルに引いたことがあると思うのだが、まさにそのとおりである。
放血させたら動かなくなったカレイからなんとか内蔵を抜いてエラを抜こうとしたら、咽頭歯で盛大に噛まれた。指先に形容し難い肉の感触が残る。中型インコが指先を握るぐらいの強さだった。
このアホ面の珍奇な形状の強靱な生き物は、我々に生命を剥奪する難しさを教えてくれる。まな板の上においてなお、「慈悲の一撃」は職人芸だ。
後日、頭の石の下から柳葉を斜めに入れると脳に届くらしいことを教えてもらった。難しそうだが、次はきちんと即死させてあげたい。

かれい

アホ面とか言ってしまったが顔はかなりかわいい。即死させるのに失敗し、緩やかに死んでいくのを眺めるのは結構罪悪感がある。
野生のカレイは地域によっては好奇心旺盛で、ダイバーに寄ってくることもあるようだ。
煮付けにしたが他の食い方がわからない。


スズキ
シーバスともいうらしい。
出世魚なのでサイズで名前が変わる。小さいとやすくなりやすい気がする。

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撮れる場所によっては臭いらしいだが、買ってきたのは臭かったことがないのでわからない。
とにかくトゲが多くて危ない。切り落とすとか軍手するとかを推奨する。
背びれが手にぶっ刺さらなければさばきやすい部類だと思うのだが、内臓はくさい。今のところだと体感一番内臓が臭い魚かもしれない。デカくて肉がたくさん撮れるが内臓がすげえくさい。さっきまで生きていて、肉が無臭の個体でも内臓くさい。私の内蔵も臭いのだろうな。
関節に出刃を入れると頭が取れるなどと言われているが、私の力では取れない。ねじ切っております。
とりあえずムニエルにするかトマト煮にして食べている。

ブリ
コスパ目的で魚を買っているので、でかい立派な奴ではなく、価格が暴落しやすい小さめで、まだ脂が乗ってなさそうなのを選ぶ。ブリも出世魚なので、このとき呼び方がブリではないことが多い。あとよくハマチと間違える。
ヘッダー画像もブリだ。うっかりちょっと古いのを買ってしまい、陸に未処理のまま上げて3日目ぐらいの個体だと思う。食べれるか不安だったが、加熱したら匂いはきれいに飛び去って普通においしかった。
顔は目がクリクリで相当かわいい。頭だけになってもずっと見ていられる。特筆して顔の可愛さで鮮度がわかる生きものだと思う。
とりあえずムニエルにして食べていたが、思いつきで天ぷらにしたら美味しかった。

ブリは弾丸のように爆速で遊泳する生物で、こういう魚はどんどん水の抵抗が少ない形状になっていく。
泳ぎの上手な元気なブリは、正面から見て綺麗な楕円の形状をしている。扁平なのはあまり栄養状態が良くない。


アジ
言わずと知れた魚解体の教科書。
数人前作ってもそんなに労力いらない優等生(なお刺身)
初心者に血の処理の重要性を教えてくれる。
血がくっせえのでとにかく洗う。洗ったらベッドで一緒に寝られるまで拭く。
説明が無限になされている魚なので、あとは特にいうことがない。
強いて言えば、皮はキッチンペーパーで掴んで手で引っ張ると剥ける。
目が大きくて可愛い。


ツキヒガイ
ホタテの仲間だが、見た目は全く似ていない。

ツキヒガイ貝殻


生きている貝をこじ開けて貝柱を食べる。
一応貝ヒモも食べられるが、洗う手間が凄まじいので貝ひもへの熱意のない人にはオススメしない。私はヒモが好きなので頑張って洗う。
一応生殖巣も食えるらしいが、個人的に生き物の臓器が好きだった試しがないので避けている。
嗜好品なのでコスパは良くないが、たまに暴落するとジェネリック安価にホタテが食べられる。

貝は基本生きている貝を食うのだが、ツキヒガイの死貝の見分け方がどこにもなかったので買いておく。
ツキヒガイは貝殻が閉じない貝なので、横から覗くと中身が見える、これで鑑別する。
↓は開いた状態のツキヒガイである。

つきひがいのなかみ


生きているツキヒガイは、汚い。
こんな感じで貝ひもの黒とオレンジ色のまだらのところにイカスミみたいなウロ?やがベットリついている。貝殻を開く前だと、ホタテ特有のヒラヒラのその奥から無数の眼点がこちらを見ている。目が多くてかわいいが、人によっては啓蒙が上がるかもしれない。
一方、死んだツキヒガイはこのウロが溶けて何処かに行ってしまう。こうなると臭いも出てきてくさい。
当たり前だが内臓が溶けているようなのは論外、飯ではなく釣り餌。

特に問題なく解体できると思うが、一回カクレエビのような生き物が中にいて、盛大に手を挟まれた。血は出ないがかなり痛い。


ミシマオコゼ
これキビレミシマな気もする。

写真 2021-01-07 15 01 41

オコゼとついているがオコゼではない、名前詐欺勢。
毒はない。
毒はないのだが、とにかくトゲが多い。トゲを避ける以外の記憶がない。キッチンばさみでもトゲが落ちなかったので、軍手したほうがいいと思うが、多分軍手しても刺さる。気をつけたい。
口元がプニプニしているので視認しづらいのだが、牙が結構鋭いので、私のように調子に乗って口に指を突っ込むと悲しい結末になる。
頭がでかいので言うほど肉は取れなかった。
からあげにしたらかなり美味しかった。

顔がめちゃくちゃ面白い。ひょうきんというか、妙に愛教のある顔をしている。

写真 2021-01-07 15 34 57


人間には必ず似ている魚がいると思うのだが、この魚のような顔をした政治家は世界のどこにでもいるのではないか。いつか私に似ている魚とも出会いたいものだ。


イネゴチ
買う気なかったんだけどパック売り買ったら入ってたシリーズ。
こちらもトゲトゲがものすごい。急いでいたので画像がない。
どう食べていいかわからなかったので唐揚げにしてしまった。おいしかったが正解ではない気がする。
顔がカエルに似ていてかわいい。コチの仲間の鑑別が苦手なのだが、カエルっぽくてかわいいとイネゴチのことが多いらしい。


アンコウ
自分で捌くと価格崩壊する魚ナンバーワン。
なぜなら解体がたいへんだからである。900円で買ったアンコウで4人前ぐらいのアンコウ鍋ならぬアンコウ煮ができた。だが4人前のアンコウを解体するのに3時間かかった。その後の下処理にまた時間がかかる。
お金ないけどアンコウをバカスカ食べたい人なら、捌ける熱意を得られると思う。個人的にそこまでアンコウに思い入れはないが、コスパが凄まじいのでまたやるかもしれない。

あん肝を食いたがる人が多いが、私は動物の肝臓を美味しいと思ったことが一回もないので外してしまう。
というかぶっちゃけ皮とかも外して、筋組織しか食べてない……やはり肉。
多分何をしても美味しいのだが、加熱すると絶望的に見た目が悪い。特にヒレは地獄の死者みたいになる。
元がぷよぷよしてかわいい生き物なので残念感が高まる。

アンコウといえば、捌く過程で別の生物がリリースされることであろう。この状態で普通に販売されている。

画像8


魚の胃袋を好奇心に負けて開ける人は多い。消化されかかってると激臭なので、私は基本的に開けません。
だがアンコウにはこれが通用しない。アンコウのおやつが口からはみ出ていて捌けないからである。
これの外し方が本当にわからない。解体しながら外せばいいのだが、邪魔で仕方ない。
画像は比較的新しいチダイなのでまだいいものの、溶け掛けのイカが口から溢れていたときには参った。


シマウシノシタ
ウシノシタ界のアイドル。(?)おしゃれな縞模様のウシノシタ。
顔はかわいいが、どっちかというと知性ゼロの顔をしている。
ヌルヌルの上に鱗が強いので毎回皮をひっぺがしてしまうのだが、毎回あの縞模様がなくなると毎回悲しい気持ちになる。
ちなみに皮は肉との間に頑張って切れ込みを入れて、キッチンペーパーで引っ張ると剥がれる。ほかの生き物と同じ要領で皮が剥がせると思う。動画などだと簡単に剥がせると言っているが、私は全身全力で引っ張らないと剥がせないので良い運動になる。ウシノシタの皮を剥き出してから、初めて自分の人体に三角筋の存在を感じた。

小さくてペラペラだが、それを加味してもとにかくやっすいので、三枚おろしにしてムニエルにしても全然元は取れる。

シマウシノシタの三枚おろし

ペラペラなぶん、ちまちまきれいにはがせるとめちゃくちゃ気持ちいい。シマウシノシタを三枚にする作業が一番好きかもしれない。
しましまだけどウシノシタの仲間なんでおいしい。他の靴底フレンズと比べるとモッチリ感のある弾力系……だと思う。


クロウシノシタ
ウシノシタ第二弾。
シマウシノシタと同じように皮が剥ける。
裏返すと黒い縁取りがあるのでほかのウシノシタと鑑別できえう。
ウシノシタの仲間特有のなんやしょうもない顔をしている。目はつぶらでかわいいが、口の形がおかしすぎる

クロウシノシタの顔おかしくね?


あとおいしい。

そういえば、これを捌くときに体表になんだかわからない生き物が潰れてくっついていた。毒があっても困らないようキッチンペーパーで掴んで除去したら、横で見ていた家族が「魚って、海の訳わからない生き物が平気な人じゃないと捌けないね」とコメントを頂いた。そういえばそうかもしれない。


キス
魚界の優等生。
うまい、かわいい、捌きやすい。
欠点はグラムあたりで見るとやや高額なところか。

しかしシロギスの頭はなんか使い道ないのだろうか。こんなにかわいいのでゴミにするのはもったいない。しかし食うとなると耳石があるらしい。
とはいえ魚の剥製というのは素人が作れるものではない。
魚はクリクリの目が可愛いので、死んでしまうと惜しくて仕方ない。


コショウダイ

コショウダイ

頭の上の切れ込みは店の人が締めてくれた後。
まな板からはみ出る巨大な魚が500円という値段にも、実はイサキの仲間で全くタイじゃないのにも騙された。

魚にクレームを出したいぐらい捌きづらかった。
まずヒレが鋭すぎる。見るからに危ないので落とそうとしたが、硬くて出刃でもキッチンばさみでも取れない。諦めて気をつけて掴むことにした。
次に鱗が剥げない。うろこかきを弾くぐらい、ぴっちりウロコ一枚一枚が深く体にぶっささっており、ごり押せば取れなくもなさそうだが、子供や私のような軟弱者はどうしようもない。
「すき引き」ができるようになってからか、その練習に買った連れ帰った方が良いであろう。
タイじゃないのでそんなに骨が固くないらしいのだが、私がやると当然頭は落ちない。店の人が締めてくれてなかったら大変なことになっていた。
その後には、限りなく90度に埋まっている腹骨が待っている。
私は力がなくて腹骨を切れないことが多いので、3枚おろししながら身をはがしてしまうのだが、こいつはどうしようもなくてキッチンばさみでなんとか切った。そして切ったはいいが剥がせなくて最終的にその部分は諦めた。
誰かこの骨の始末を教えてください。
こうしてキンキンに死後硬直していた魚がぬるくなったころに、ようやく綺麗な白身が取れた。
次はすき引きを覚えるまで買いたくないが、すき引きは何で練習するのが良いのだろうか。

肉の量は巨大な体格は相応に取れる。
顔は目がイサキの仲間らしくつぶらだが、タラコ唇であんまり可愛くない……いや見慣れるとかわいいだろうか?口元がプニップニなので、魚とチューしたい人は好きかもしれない。口元に指先を突っ込むとちょっと気持ちいい。

冷凍庫に突っ込んだので味はまだわからない。後で追記したい。


タコ
クソめんどくさいのがわかっていたので避けていたのだが、家族じゃない方の毒血縁者が無責任に3匹も持ち帰ってきた。
賢くかわいい一年の寿命を持つ生き物を生ゴミにするのはあまりにも忍びないので、始末をする。
滑りを剥がさないといけないのだが、全く取れない。
インターネットで調べるとみんな試行錯誤しているようだ。
結局3匹を2時間ぐらい塩で揉んだ。
正直酢の方がいいかもしれない。
あと、いきているタコに吸いつかれるとかなり痛い。センターにうっかり触ると噛み付いてくる。軍手で触った方がいい生き物だ。

暗い余談だが、生命と食事と生ゴミの扱いが雑な奴と同居するのはものすごいストレスだ。
このような同居人に悩んでいる人は、直ちに別居を考えるべきだ。もちろん直ちに実行できなくても大丈夫、なんなら長期的な作戦を立案しても良い。倫理観のない世界に耐える方法は唯一つ、自分も倫理観を失うことである。現代社会においてばっちく雑な人間に適応してもまったくいいことはない。機能不全家庭から家庭崩壊に進化しつつある我が家でも居住区域分離作戦が遂行中である。
成人の衛生観と倫理観が外部圧力で改善することはほぼない。


おまけ:手についた魚臭の落とし方

1、洗濯石鹸(個人的にウタマロ石鹸がオススメ)で油分を完璧に落とす
2、手を水分が残らない良う拭く
3、調味料コーナーに売ってるシナモンパウダーを手にぶっかけてモミモミする
4、流す

あら不思議
手が魚臭からシナモン臭に

シナモン臭が抜けると魚臭もいなくなるのがすごいところ。
香辛料の流通が世界貿易になった理由を身をもって実感できる。
これでもまだ気になる人はメンズビオレとかの男性用体臭対策石鹸の一番強いやつをぶっ放してください。

ちなみにこれに気づいた理由は、休憩中にチャイをいれようとして、シナモンスティックとカルダモンを割ったら手の匂いが全部消えたから。
試したら揉みが必要だったが、シナモンパウダーでも全然いけた。
喫茶趣味のある人は思い切ってチャイを作るとよりロスが少ないと思う。


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