なぜ「障がい福祉」という「仕事」に辿り着いたのか ③
第3章「就職したはいいものの‥」
【 用語すらわからない 】
就職初日、所長から軽く面談?注意事項的なものを受け、その後他のスタッフに職場内を案内してもらいました。事務所内もさらりと。
その後は特に何も指示などなく、サロンに来られた方に自己紹介したり、雑談したりしてました。
そして、相談に来られた方の対応をするよう、先輩スタッフに声をかけられ相談室へ。
え?えぇ?初めてなのに一人で?
資格は持ってるけど経験0。尋ねられたことに答えられる知識もないのに?
手元に資料もなけりゃ、事務所で飛び交う用語もわからんのに?
ビビりました、いやマジで。
でも、でもですよ、来られた方は本気で悩んでて、こっちが来たての新人なんて関係ない訳ですよ。とにかく何とかして欲しくて来られてる。
腹をくくるとはこういうことか?と内心不安はありつつお話を聞き始めました。
近隣の病院のケアマネさんでした。
本人は居ませんでした。
【 この相談が私を支援員にしてくれた 】
個人情報保護のため、少しフェイクだったり、はしょったりしてますが、要するにそのケアマネさんが担当してる高齢者を、虐待している「可能性」がある子(といってももう中年男性)が、障がいの「可能性」がある。とのこと。
「だからその息子に会いに行ってなんとかしてください!」
そして、なんとケアマネさんは息子さんのことだから、「私はついて行けませんが」とのこと。
お分かりでしょうか?
高齢者虐待の可能性なので通告義務がある。保健所の保健師を連れて行くこともできる。もちろん、うちに相談に来ることも間違ってない。
が、「ついていけない」の意味がわからない。
本人に会ったこともない、いきなり初対面の私が「あなたは虐待をしていて、しかも障がい(何か病気)ありますか?」と、訪問するのか?
正直、まだ対応の仕方もサービスだの制度だのわからなかった私でも、言葉を選ばず言わせてもらえれば「この人、さっさと手を引きたい。自分を楽にしたいんだな。」そう思いました。
どうしたって?
行きましたとも。一人で会いに。
ケアマネのためではありません、話からして息子さんがなぜそうしてしまうか原因はあるはずだから。会わなきゃ、生活状況見なきゃわからないですから。
私は基本的に人から聞くのはその人の主観が入ったり、話が少し変わってしまったりすると思ってます。なので、自分の目でみて、本人と直接話すのを基本としてます。
これは今でもそうです。本人から家族の相談を受けたら、必ず直接コンタクトをとります。親子や夫婦間、家族間でも言う側によって話は変わってくるので、どちらかだけの話で後の方向性は決めません。
ちょっと話がずれました、、
会いに行ってからは意外と早かったです。
どうしたか?
当時の職場、みなさんたくさんの担当を抱えられてて余裕がない。ピリピリしてて、質問もしづらい。
その頃には私も30過ぎてたので、みなさん勝手にできるもんだとでも思われていたのでしょう。指導係もついてない。(後に新人が何歳でもつくようにしてもらいました。)
調べまくって、担当課に行きまくって、知識と人脈をとにかく広げました。
そして、必要な人を連れて何度も訪問し、息子さんが再度通院できるように。そして、私の訪問から息子さんが来所するように徐々に切り替え、気分転換の外出。障害年金の手続きも済ませ、お金の問題もクリア。
笑顔が見えるようになりました。
初訪問からほんの3、4ヶ月後のことです。
当時の私の特技?長所?は、馴れ馴れしいこと 笑
雑談してふっと懐に入って「昔から居た人みたい。昔から知り合いみたい。」とよく言われてました。本当に仲良くなりたい訳じゃないですけどね、これは後々本当に役に立った。←小賢しい 笑
このおかげで、この方の対応もできたきがします。
いきなりの相談が様々な要件を含んでいて、色んな対応が必要だったため、失礼ですが支援の仕方を一気に身に付けられたと思います。
ただ、、
これは仕事の時だけ、プライベートとなると真逆の人間。仕事モード、スイッチってあるんですね。仕事なら別に苦手な人でももちあげてでも動いてもらうのに‥
プライベートでもできてたら、今休職なんてことにはなってないのか 苦笑
【 なぜ私に解決できたか 】
なぜ?
そこに困っている人がいるから。
なんとかしたいから。
んで、必死だったから。
それだけです。
私がこの担当者イヤだから‥とか、家族の課題なのにこっちの担当だから‥関係なくないですか?
結論はこうです。
寝たきりの父を一人で介護していた。
その父から息子は虐待に近い育てられ方をしていた。だから男性が怖い。
父は寝たきりといいつつ、いきなり飛び起きてわめきちらし暴れる。
息子はうつ病だったが、父の介護費用(生活費は父の老齢年金のみ)などでお金に余裕がなく、受診を何ヵ月もできていなかった。その体調で介護をしていた。
母は亡くなっていて兄弟は県外、近所に親戚もいない。
あなたなら、正常な(落ち着いた)判断でゆとりを持って介護できますか?
私なら無理ですね。
25年ほど前?介護保険がまだない当時、私も同居の祖父の介護を手伝っていました。中学生でした。当時はヘルパーさんもおらず、家族や親戚で交代で何とかしてました。みんな疲弊してました。なので、家族介護の大変さは多少分かるつもりです。
だから、息子さんだけを責めるつもりには全くなりませんでした。
こんな中でも、息子さんは父のために食事を作り、オムツを交換していたんです。
でも、ケアマネからすると、オムツ交換頻度が低い、お父さんに暴力(本当は暴れる父を押さえつけてた)をしている。となっていた。父のために入っているホームヘルパーや訪問看護のスタッフに話聞いてくれた?息子さんの話聞いてみました?
すみません、決してケアマネさんを否定していません。制度や制限、色々ご事情もあったと思います。
ただ、この方の件で私は色々なことを学び身に付けたので、あえてそのまま書いてます。気分を悪くさせていたらすみません。
この職場への就職のキッカケは娘のことでしたが、初相談対応は障老介護(障がいや病気のある子が高齢な親の介護をすること)に関すること。
でも、自分もそうなるかもしれない。なにより、身近でこのような家庭があることに驚きました。と同時に、「私はこの分野で福祉をやってみよう」そう思ったのです。
それからは、徐々に児童や未成年の相談を多く受けていくこととなります。
またまた長くなってしまいました。
続きははまた次回。
さぁ、明日はどう生きよう。
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