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新作と初心

こんにちは。
2023年が始まってしまいました。

この記事は私の他の記事よりもっと赤裸々に話しているため、文法がぐちゃぐちゃだったり、専門的なことは語彙力の無さゆえ伝わらないということが多々あると思います。まあ肩の力を抜いて流し読みしてくれたら嬉しいです。

後半は演奏を作るときの私の考え方も書きましたので、一個人の考え方として演奏職人の方々にはぜひ読んでいただければ幸いです。




去年は本当にたくさんお世話になりました。実は2022年を振り返る記事に、唯一載せられなかったコースがあります。
それがこちらです。

ファイトソング - Eve


まさかの12/31に完成したコースです。自分の計画性の無さにガッカリしました。実際のところ前半はだいぶ早い段階で完成していたんですけど、それで調子に乗ってサボっていたが為に後半に着手したのが12/31の午後っていう。ある意味いつものパターンです

そして、このコースは完成したタイミングで大晦日中に投稿しようと決めていたので、一部の方には今日の夜投稿ですと伝えました。これ宣伝ですかね。何か言われる前に謝っておきます、ごめんなさい。

常連さんの熾烈な一番乗り争いを見守りながら、何とか2022年中に投稿できたことに安心する気持ちが大きかったです。でもこれを投稿した段階で、何か私が昔から楽しんできたものが足りない気がしていました。伸びかと言われれば違うとは言い切れませんが、それよりもっと自分の中で楽しみにしていたことを忘れている気がして。

それで、年明けすぐにコースをもう1つ作ろうと決意しました。


ニュー・マイ・ノーマル
- Mrs. GREEN APPLE


このコースは前述の通り12/31に作ろうと決意して、1/1からの着手だったので、制作期間としてはそこまで長くありません(制作時間は結構長いですが)。でも、実は最近のコースの中ではかなり思い入れのある演奏です。

演奏コースなんてどれも同じだろと思う方もいるかもしれませんが、私にとってこの演奏コースは他の自分の作品よりも少し素敵で、少し特別なものです。

このコースと、その前に投稿した「ファイトソング」の決定的な違いはいくつかありますが、最も大きい要素は、

ゲリラ投稿

という点だと思っています。「KICK BACK Speedrun」あたりから常連さんの方々に進捗をお伝えしたり、制作が全く進まない自分の姿を愚痴ったりしていましたが、今回はそれも無しです。完全に秘密で作ってました。

まあ、思えばそれが普通ですよね。

マリメだけ遊んでいる人にとって、Twitterとかの発信源が無いなら基本はすべてゲリラ投稿のはずです。最近は少々予告をしすぎたなと自分の中で思っていたこともあって、少し意地悪してみようという魂胆でこのような形をとりました。

正直めちゃくちゃ楽しかったです。昔の自分を思い出すような感じがあって。ある意味この形式だと常連さんが遊んでくれるという保証も無いわけですから不安というのと、逆に顔見知りの方よりも先に一番乗りを貰っていく初めましての方と出会えるかもしれない、それがキッカケで仲良くなるかもしれない、といった楽しみもあって、この「不安と期待の入り混じった感覚」というのはまさに自分が1番マリオメーカーにハマっていた頃に感じていたものに他ならないと思いました。

そんな訳なので、今後も気が向いたらこっそり制作&予告無し投稿というのをやっていこうかなと思います笑


ちなみにこのタイミングでニュー・マイ・ノーマルなのはミセスの大森さん本人がなぜか突然その歌詞をツイートしたからというのもあります
なんか背中を押されている気分になりました
そんな訳ないんですけど






(ここから少し専門的な演奏の話になるので
 そういうの興味無いという方は読み飛ばして   もらって結構です)


さて、さらにこのコース、いつもの私なら滅多に使わない逆走演奏ON-OFF周回を使っています。我ながら少し欲張りすぎました。

最近の私の考え方でいくと、メインエリアとサブエリアをめいっぱい使ってサビが足りる走り演奏の場合は、サビだけの演奏でスピードランを足したいと考えるのが自然です。実際、お風呂の中で構想を練っている段階ではそれでいこうかなぁと考えていました。

しかしこの曲、厄介なことにサビが16小節です。片面に入る限界は12小節なので、とりあえずメイン・サブエリアをどちらも使うことになるわけですが、そうなると8小節 :8小節で明らかにどちらのエリアも4小節分、すなわち合計8小節分(コース全体の3分の1に相当する)使わないスペースができてしまう訳です。

いやこれはもったいないだろう、と。

そういう時いつもどうしているかというと、サビ前(Bメロ)の終わり頃から入れることでサビへの盛り上げを足しつつスペースも有効活用するという形をとっています(前作『ファイトソング』ではその形式をとっています)。でもこの『ニュー・マイ・ノーマル』という楽曲、Bメロがありません

これは本気で悩みました。Aメロからそのままサビに突入する、最近のサブスク時代の曲に有りがちな急展開方式です。で、このAメロの最後4小節だけ入れてサビに持っていくかというと、なんかそれも違うなと思って。

実際に聴いてもらうとわかると思いますが、そんなに容易にちぎっていいAメロじゃないと思うんですよね、これ。

ちぎろうとすると、「変わらないものだけを今は数えている」っていうところから作る計算になる訳ですが、これは明らかになんか変だなと思って。これは個人の感想ですが、このAメロはサビまでの入りを含めて1つの塊として完成されすぎていると思っていて、なんとなくちぎってはいけないなと。

ここで、ちょっと考え直しました。別にスピランにこだわる必要もないだろうと思って。正直もう伸びの数字は大した要素ではなくて、自分の中ではそれよりも常連さんのリアクションが楽しみで作っているというのが大きいので、ここはひとつ冒険して、常連さんにぎゃふんと言わせてやろう、と。

歩き演奏のテンポにすれば速さが半分、すなわちポテンシャルが倍(両エリアそれぞれ24小節入る)になりますから、片面でAメロ(16小節)、もう片面でサビ(16小節)という形で十分成立するわけですが、いやそれもいつも通りすぎて面白くないなと。

そんな訳で、色々考えて最終的にとった形が
逆走演奏とON-OFF周回のハイブリッド
という訳です。簡単に言うと、走り演奏でゴリ押しました。

前述の通り私はこういうのをほぼ使わないで演奏してきた人なのですが、いざ作ってみると思っていたより苦戦しないというか、とにかく作っていて楽しかったですね。そういえばこんなやり方もあるんだよなぁと、改めて再認識させられた感覚です。


ちなみにですが逆走演奏というのはON-OFFの周回と違ってパーツが割とギリギリになることが多いです。何故かというと、ON-OFF周回は同じメロディの繰り返しを1回のメロディに集約することができるのに対し、逆走演奏は例え同じメロディでも走る方向が違うわけですので、2回ベタ打ちしなければいけないからです。ですから、いかに音を節約することができるかが大事なポイントになります。

かなり色々試しました。本当にいっぱい試していっぱい消しました(アンドゥ犬様々です)。
最終的に何とか落ち着いた完成形でも、敵パーツは99体。正直開幕のスピードアップに使っている横バネも、最悪の場合削る覚悟でいました。その気になれば逆走開始地点の横バネをアイテムパーツで音符から出すとかしてもう少しくらいなら節約できますが、まあとりあえず何とか足りたということで。

ブラックパックンを四分音符4つ分鳴らす装置


サンボを四分音符2つ分鳴らす装置


どちらから走ってきても成立するループドラム


これがどうしても足りなかったら、この曲は諦めてボツにする予定でした。逆走演奏は1日で仮完成までいきましたが、とりあえずこれが出来た段階でこのコースは何としても完成させようと思いました。


それから、ON-OFF周回の機構も少しだけ他では見ないギミックを搭載しています。
それがこちらです。


10コインを1枚とってからゴール


条件をゴールポールの奥に設置することで、少しだけ1周目の演奏を延長することができるというものです。少しだけというのは本当に少しだけで、2マスとかそのくらいです。

これはまあ、思い付いたのはだいぶ前だったと思うのですが、あんまり現実味が無い上にゴールを横切った瞬間「条件を満たしていません」が画面ど真ん中にデカデカと表示されるのが見た目的にもイマイチなので、苦肉の策というか最終手段にとってあったものです。それを使ってしまいました。

『ニュー・マイ・ノーマル』はサビの終わりが曖昧にしてあるというのが特徴のひとつです。これもサブスク時代の流れとしてあるもので、サビが終わったら間奏無しですぐまたAメロに戻るという構成です。この構成、最近の曲だとよく見かけますが、マリメ演奏に落とし込むにあたってはかなり作りづらくなる要因の1つです。

曲の終わり方というのは、実際のポピュラーミュージックだと割とやりたい放題やっても許される風潮がありますが、マリメ演奏においてはいかに余韻を残せるかというのがとても大切です。

だらららららららっ(ピタッ)で終わるより、
だらららららららじゃ~んで終わったほうが素敵な感じになります(=伸びます)。ふざけて言っていると思うかもですが実は結構冗談抜きにそうなんですよ笑

話を戻しますが、この楽曲はそのじゃ~んが無い訳で、終わり方が非常に難しい訳です。

こういう場合に有効なのが、もう演奏から直でゴールに繋いでしまうという手法。余韻が有る無い以前に、余韻を感じさせる暇を与えないという狙いです。私が尊敬する演奏職人さんの中にも、そのままゴールに繋ぐやり方を実践している方がいます(果たしてその方がそれを意識してやっているのかはわかりませんが)。

先ほども言った通り本当に苦肉の策ではあるんですが、今回はそのままゴールに持っていく手法を採用したかったのでこのような形になりました。なんかもっと上手いことやれた気もしますが、まあいいやってことで。






さあ、気づいたら4000文字を軽く超えています。こんなに書くつもりはありませんでした。マリメ演奏の話になるとつい長話をしてしまうのが私の癖です(経験談)。

こんなに話すくらい、私は今回の『ニュー・マイ・ノーマル』に様々な挑戦を盛り込みました。動画を写すだけで作れる、MIDIから自動的に作れるなどなど色々言われる演奏制作ですが、やっぱりこういう挑戦とか試行錯誤を通して作品と向き合ってこそ得られるものって結構大きいなと思いますね。

(MIDIから自動で演奏を生み出すあれは純粋に
 凄いなと思ってしまった自分がいますが笑)


今回の制作を通して、初心を思い出せた気がします。1人ぼっちで誰にも愚痴ったり進捗を明かしたりしないまま完成まで作り上げ、誰にも予告しないまま突然投稿するというこれは、私がTwitterを始める前の活動スタイルそのものです。『ファイトソング』から『ニュー・マイ・ノーマル』までの一連の流れから、本当に自分の中で大きな何かを思い出したという感覚があって。

『ニュー・マイ・ノーマル』は、私にとって初心を思い出す為の大切な演奏です。この作品のおかげで、私はまだもう少し、スーパーマリオメーカー2と仲良くやっていけそうです。