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たまねぎ

大人になるってどうゆうことだろう。

成長するってどうなることなんだろう。

わたしはそれを、タマネギの皮を剥くようなものだと思うようになった。

でも、これまではちょっと違う見方をしてた。

どんな見方かというと、ドラクエの主人公が物語を進めていって、よりよい防具を手に入れたり、つよい仲間を手に入れてパーティが充実したり、回復魔法も唱えれちゃったりするような感じ。

人生はRPGみたいなもんだなぁって思ってた。

たしかに、人は成長して大人になっていく過程で、ドラクエのごとく多くのものを手に入れて、色んなことができるようになる。これはRPGっぽい。

でも、RPGっぽくないところもある。
ドラクエのようにたくさん手に入れて、ボスも倒した先を考えてみる。

さらに歳を重ねて成長してくと、今度はどんどん出来ないことが増えてくるよね。耳だって遠くなるし、目も霞むし、記憶や認知だって曖昧になってくる。

だから「大人になる」っていうのは、手に入れて強くなってくことに加えて、また何かを手離して弱くなっていくことなのかもしれない。

ドラクエではひたすら強くなってボス倒してゲームクリアするけど、わたしたちは強くなって色んな人助けて、でもまた弱くなって周りの人や病院や葬儀屋さんに助けられながら終末を迎える。

手に入れて、また手離して
強くなって、また弱くなって

その一連の過程をなんのために経験してるんだろう。

その一連の過程の中で、変わらずに在り続けるものってなんだろう。

タマネギの皮を剥いてくように、一生をかけて近づいていくものが、きっと人それぞれある。

わたしのタマネギの芯には一体なにがあるのだろう。

なにに近づいていってるのだろう。

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