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面接試験を上手にクリアする方法―目的と目標

採用試験の面接。
大学や高校受験の面接。

こういうとき、面接試験のお作法とか、模範解答とか、そういうテクニカルなものに先に焦点があたってしまうと先方が求める回答に固執してしまって結果中身がなくなる、なんてことは少なくありません。


先日の中学生との対話。

「今、市が海外留学の募集をしていて、姉妹都市の学校へ行けるかもしれないんです。」
「そうなんだー。いいねぇ。」
「なので、面接試験で聞かれる質問とか教えて下さい。」
「ああ、面接試験があるんだね。それでその対策がしたいってことかな。」
「そうです。どんな質問があるのか、先に対策しとこうと思って。」
「なるほど。ところで、海外留学のどこに興味を覚えたのかな。」
「あ。えっと…。姉妹都市留学募集の広告があったので…。」
「広告を見て、急に興味が出たってこと?」
「うーん…。そうでもないけど…。お金もあんまりかからないで行けるので…。」
「そっか、安く行けるのはいいね。お金がかからなくて、海外行けるなら行ってみようかな、みたいなことかな。」
「まぁそうです。」
「行き先はアメリカなのね。ああ西海岸。なるほど、海外留学って何がしたいの?」
「何がしたい?」
「うん、海外に留学して、わざわざ遠くへ行って、知っているひともいないだろうし、初めての場所なんだろうし、なんか不安な感じしない?そういうのを踏まえて、なお海外へ2週間もホームステイしてみたいと思うってことは、何かやりたいこととか、見たいこと、体験したいこと、があるのかなーって思って。」
「え。あー、…日本とは違う文化を少し体験してみたいというか。」
「異文化体験だね。具体的にどんなところを体験してみたい?」
「うーん。あー。うーん…。」
「あー急に聞いてもパッとは出てこないか、ごめんごめん。じゃぁどうしてアメリカに行きたいと思ったのかな?なにかキッカケみたいなのがあるような気がするのだけれど。」
「え。なんでアメリカ…ですか?いや、広告に出てたのがアメリカだったので…。」


まぁ終始こんな感じで対話は進んでいくのですが、なんとなく大事なところを置き去りにしてる感じがします。

つまるところ面接試験で聞かれたときの説得力の源って「原体験」とか「想い」とかいう、割とこう純粋なものなのです。
ところが、「面接試験の合格法!」とか「よく出る面接質問!」とか、そういう表面的なことにまずスポットを当ててしまうと、大事なところの深掘りができず、結果「説得力のある分厚い話」ができなくなってしまいます。

だから、「目的」「動機」といったところにこそ、最大のエネルギーを注いで欲しい
僕が1on1コーチングでいちばん時間をかけるのも「目的」の深掘りです。

最初に出てくる「目的」って実のところ、目標のひとつでしかないことが多くて、その奥に潜む真の目的を探すことが、目下いちばん始めにやることなのですね。


たとえば留学に行きたいひとが何人か居て、それぞれ

・留学に行きたいひと。
・アメリカに留学に行きたいひと。
・アメリカ留学で、自分が得意な英語を試してみたいひと。
・大好きなバスケットボールの本場で実際にNBAの試合が見たい!中学生や高校生といった自分と同じぐらいの年齢の子どもたちがどれぐらいのレベルのプレイをするのか、できればいっしょにプレイしたり、話を聴いたりして、自分とのギャップを体感してみたい!ひと。
・大好きなバスケットボールの本場で実際にNBAの試合が見たい!中学生や高校生といった自分と同じぐらいの年齢の子どもたちがどれぐらいのレベルのプレイをするのか、できればいっしょにプレイしたり、話を聴いたりして、自分とのギャップを体感してみたい!ひと。そのためには、もうちょっと英語を勉強しなくちゃいけないので、今英会話教室へ通い始めているし、NBAの試合をビデオで何回も見たり、留学先の学校のこともネットでいろいろと調べてみてます(英語が難しくてなかなかわからないことが多いけど!)よ、というひと。


だとすると、下に行くにつれて「アメリカに留学に行きたい」が本当に説得力あるものに聞こえませんか?


どうして留学したいの?に対してどこまで具体的に考えていて、どこまでそれを自分で調べたり、考えたり、実感できるような体験をしたり(これが原体験)しているかということだけで、ひとつは話にいっさいの嘘っぽさがなくなります。当たり前ですよね、本当に一生懸命考えているのですから。

そして実体験を伴った話は、本当に体験したことを話すだけなので、細かいことを演出する必要がありません。ただ体験し、感じたことをそのまま純粋に話せば良いだけです。


《長くなったので次回に続く》

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