被写体

あなたはカメラを持っています。
被写体から、いったい、何を見せてもらいますか?(濱口竜介)


カメラってどっちだろう?ビデオ?写真?まぁ似たようなものか。
カメラを持つことで、普段と意識が変わる。それはフレームがあるから。それと同時にどの瞬間を切り取るかという問題も生まれる。
被写体側も撮られているという意識が生まれる。
撮られる、盗られる。
今、気づいたけど同じ音だ。もともとは「とる」という日本語のみがあったと考えると、興味深い。
カメラで撮影することを「とる」行為だと昔の人は感じたということだ。
昔の人は写真を撮ると、魂が取られてしまうと言ったが、そこら辺も関係あるだろう。
撮るという言葉は、カメラで撮る以外に使い方は有るのだろうか?
現代では、実際に写真を撮ることで、被写体から本当に何かを奪ってしまうことはないと考えられている。
しかし、本当にそうなのだろうか?
美術館や博物館の撮影禁止は無意味なのか。もちろんフラッシュによるダメージは除いて。
神社や寺でも撮影禁止のところが多い。それは何か大きな理由があるのではないか。
最初の東京オリンピックを境に日本人はキツネにバカされなくなったらしい。
量子力学では、観察者問題と呼ばれる現象がある。要は観察者がいるかどうかで、起きることが変わるということだ。
それってカメラを向けられるとつい緊張してしまう我々と似ている。
現代は誰もがスマホのカメラを持っていて、生活を気軽に撮影している。そんな中で生まれた子供たちはこれからどんな存在になっていくのだろうか。
撮られるときの恥ずかしさみたいなものは無くなるのだろうか。

さて、本題に入ろう。被写体から自分が何を見せてもらうか。
つまらない答えだが、その被写体の部分だろう。その被写体の外面。
そもそも被写体の連続性みたいな問題もある。
昨日の君と今日の君は同じなのか?

まぁいろいろ考えだすとキリがない。
自分はあなた(被写体)に美しさを見出したい。つながりを見出したい。
何とのつながりか?人はなぜ感動するのか?
それは見たもの、感じたものに自分と共通するものを感じからだろう。共感、共鳴、共振。
そう、私はカメラを通して、被写体を通して、自分の中にある美しさ、つながり、縁を感じたいのだ。
#今日の宿題

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