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ウインエクレールの新馬戦を見て

「一番好きな競走馬は?」と訊かれたら、間違いなくウインブライトと答える。

2020年の香港カップを見ていなければ、私はG1シーズン以外も競馬を見るような人間にはなっていなかっただろう。

ただ、私が競馬を見るようになったのは、2020年秋。
ウインブライトの走りは、秋天とラストランとなった香港カップの2レースしか、リアルタイムで見ることができていない。
もっと早く競馬を好きになれば良かった」。
ウインブライトのラストランを見て以降、何度もそんな後悔をした。

そんな私がウインエクレールの存在を知ったのは、無知ながら年明けのことだった。

香港G1を2勝したウインブライトの半妹。
夏場に入厩して調教を進めていたが、右トモの球節が腫れるなど態勢が整わずに仕切り直した。
(中略)偉大な兄の主戦を務めていた松岡正海騎手が跨り、いずれも併せ馬で先着と軽快な動きを見せた。
(中略)松岡正海騎手も「女の子らしい気性でゲートなどではピリッとするところがあるけど、いいバネをしている。何とか桜花賞に間に合わせたいですね」と春の大舞台を意識している。
ウインブライトの半妹ウインエクレールが松岡正海騎手でデビュー/関東馬メイクデビュー情報

記事を読んですぐ、netkeibaのお気に入り馬にウインエクレールを追加した。
サマーエタニティ産駒、畠山吉宏厩舎、鞍上松岡正海。
応援しないわけがない。

木曜日の午後は、なんとか抽選を突破できるよう神に祈った。
厳しい抽選をくぐり抜け(今回は除外が17頭もいた)、netkeibaから出走確定の通知が来た際は、職場で小さくガッツポーズをした。

普通に走れば新馬戦で負ける馬じゃない
【POG】ウインエクレール ウインブライト異父妹 松岡大絶賛「バネが違う」
桜の香りが香ってきてるよ
桜の香り(美浦)
八分でも勝てる
ディープ産駒ウインエクレール 松岡騎手「八分でも勝てる」/新馬戦

松岡節満載の発言の数々に胸を躍らせながら、ウインエクレールの応援馬券を購入。
1月16日午後1時、中山6Rが発走した。

懸念材料は気性の難しさだと思います。
ゲート内も少し不安定ですし、今後気性が悪い方へいかなければですね。
近況(所属馬情報)/ウインエクレール

強気なコメントを残していた一方、松岡騎手は上記のような発言もしていた。
そのためうまくスタートを切れるか不安に思っていたのだが、それは杞憂に終わった。
好スタートを切った後は、道中好位3番手を追走。
先に抜け出したバンデルオーラが意外としぶとくヒヤヒヤしたが、最後はクビ差をつけてゴールした。

こうしてウインエクレールは、兄・ウインブライトが勝てなかった新馬戦を無事勝利。
私が賭けた200円は、270円になった。

兄の主戦も務めた松岡は「正直、八分の仕上げで、まだ10キロくらい太い。そういう状況で結果を出せたのは良かったし、高い能力を再認識できた。使ってさらに良くなると思う」と称賛。
管理する畠山師は「稽古も含めて初めて本気で追われたので、最後は少しモタついたが、勝てて良かった。まだ良くなる余地を残しているし、初戦で勝てたことで選択肢が広がった」と満足顔だった。
【中山6R新馬戦】良血ウインエクレールが快勝 松岡「高い能力を再認識できた」

八分の出来とは聞いていたが、10キロも太く、調教を含めて初めて本気で追われたという事実には驚いた。

松岡騎手は「正直、仕上げは8分くらいだったけど勝てると思って使ってもらった。しっかり勝ち切るあたりは能力があるし、使ってさらに良くなると思う。今年はこの馬で行きたいですね」と、兄の背を知る鞍上は大舞台を見据えていた。
ウインブライトの半妹ウインエクレール1番人気に応えデビューV/新馬戦

松岡騎手が発した「今年はこの馬で行きたいですね」というコメントに、さらに期待が高まった。

前述の通り、私はウインブライトのレースをラスト2戦しかリアルタイムで見ることができていない。
だから、「好きな馬を新馬戦から応援することができる」ということは、本当に幸せなことなのだと痛感している。
また好きな馬の妹が、兄と同じ厩舎、主戦でレースに出走しているという事実に、「競馬は"縁"のスポーツなのだなあ」と、他のスポーツにはないその魅力を改めて感じた。

コロナの感染状況が悪化の一途をたどっているが、これからウインエクレールが出走するレースは、可能な限り競馬場で見届けたい。
今回の新馬戦を見て、その思いをより一層強くした。
決して無理をしてほしくはないが、できることなら桜花賞ではウインエクレールを応援したいなあ。

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