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芸歴100年目!!

オジンオズボーンのオールナイトニッポン0が、12月17日27時に放送された。

私がお笑いにハマったのは言うまでもなく、
オジンオズボーンがきっかけだ。

中学生の頃、M-1は過去の出来事で、私にとっての最大のお笑いの祭典は、THE MANZAIだった。THE MANZAI 2012決勝戦で、私はオジンオズボーンに出会った。テレビの前にいるボケマシーン篠宮を見て、頭の中のなにかが外れる音がした。ダジャレギャグは何度も学校で真似したり、漫才も完コピしたりした。そんな活動をしていると、学校で「すべりんぞう」という異名を獲得した。初めて劇場にお笑いを見に行ったのも、ザマンザイツアーだった。

オジンオズボーンのDVDをリサイクルショップを回って見つけては買ったりしていた。はじめてのファンレターは、もちろんオジンオズボーン宛。でも少し照れくさくなって結局送れなかった。

そんな人気絶頂のオジンオズボーンが、東京でラジオをするということを知った。約10年前にやっていた、オジンオズボーンオールナイトニッポン0だ。当時radikoもない。YouTubeでアップされることも知らない。どうしても生で聴きたい。どうやったら聞けるのか調べて、なんとか合法(?)的に聞く術を見つけて、夜中3時、勉強も部活も忙しい高校生だったが、布団に篭りながら目を瞑らないよう一生懸命に聞いていた。

「「それでは!ダジャレコーナー!!!」」

ダジャレコーナーとは、ボケの篠宮がお題に合うダジャレを即興で作り、それをリスナーが当てると言う趣旨だ。とにかく速さが命のコーナーなので、思いついたら即送るようにした。何度か送っていたら、人生で初めて、メールが読まれた。内容は覚えていないが、しょうもないダジャレだったと思う。芸人と間接的に関わった経験もなかったので、東京まで自分のメールが届いて、選ばれて、大好きな人たちに文字を言葉にしてもらったことがとにかく嬉しかった。

そんな思い出深いラジオ番組「オジンオズボーンのオールナイトニッポン0」が、2022年に10年ぶりに復活すると知り、今回はradikoのタイムフリー機能を堂々と使わさせてもらい、高校生の時を思い出し、ながら聴きではなく、布団の中で一生懸命聞いてみた。

冒頭から噛みつき合っていたオジンオズボーン。芸歴23年。ザマンザイで一世を風靡したものの、コンビ間で仕事の差が生まれていたのに気付いていたのは私だけじゃないと思う。高松の心がぽきっと折れたから、芸人を辞めると言い、コンビ解散を年末に控えている。よくよく話を聞いていると、コンビで漫才を頑張りたい高松(たぶん、高松一人ではお笑いを続けていくのが難しいことを本人が一番わかっている)と、個々でもお笑いを続ける術を見つけていくのが上手すぎる篠宮(コンビで平場が弱いのは重々承知している模様)の価値観がまったく合っていなかった。時折見せるアツいお笑い魂を聞いて「解散するな…」とも思ったし、二人ともお互いの悪いところばっかりしか見てなくて寄り添えてない様子から「解散した方がいい」とも思ったり、感情が上がったり下がったりだった。

「売れなかったですね」

ポツリと篠宮が言った。なんでうれなかったか、コンビの分析を始めた。

・トークができない
・平場が弱い

これらは技術の問題であったが、一番の要因について高松は的確に話した。
「テレビのロケとかでも、先に作戦を練っておきたくて、俺がお前(篠宮)になにするの?って言っても『テキトーにするから』って言ってなにも相談しなかったじゃん!吉本の芸人さんとかはロケの後とかもネタ作りの時みたいにコンビで話したりして、羨ましかった。」
切なくて涙が出そうになった。なんで篠宮、寄り添えなかったの!こんな悲痛を訴えた高松に対して、篠宮はこう言った。

「ごめんやけど、下に見てた。芸人としても、人間としても」

オジンオズボーンに足りなかったのは、「信頼」だった。こうして、コンビで売れなかった要因を的確に言い合った後、恒例のダジャレコーナーが始まった。

さっきまでの切ない雰囲気を吹き飛ばし、リスナーも巻き込んでコーナーを明るく楽しむ二人。間違いなく『プロ』だった。

お題が3つ終わった後で、放送終了まであと5分。やっと、タイトルコールを言い(高松は言えなかった笑)オールナイトニッポンのテーマ曲が流れた。
bitter sweet SAMBAをBGMに、篠宮はお笑いを116歳まで続けると言い、「16歳からお笑い続けてきたから116歳で、芸歴100年目ーーー!!って言いたいもん」と叫んだ。高松も「こんなんだったら辞めるの悔しい」と言っていたので、なんだかんだ続けていくのかもしれない。

本気の喧嘩ラジオ、M-1直前に心臓に悪い放送でした。M-1の3連単予想する二人が愛おしかったです。二人ともお笑いが大好きなのは一緒だね。

離婚スレスレの夫婦喧嘩を流しているようなこの放送で、新婚の私は寄り添うことの大切さを知りました。引き続き、オジンオズボーンの終活を追っていきます。

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