clusterのイベントを支えるスタジオについて
こんにちは。
クラスター株式会社 エンタープライズ事業部 スタジオ統括グループの中川です。
今回は、clusterのイベントを支えるスタジオについてご紹介します。
なぜclusterのイベントで物理のスタジオが必要なのか?
clusterにはイベントを実施するための機能がたくさん実装されており、物理的に集まることなく遠隔出演、遠隔オペレーションでのイベント実施も可能です。
そんな中、弊社では大きく以下の3点を理由に物理のスタジオでイベント対応を行っています。
物理的に集まることによる、トラブル対応のしやすさ
clusterでイベントを実施することに特化した環境による安定性
スタジオでないと運用が難しい業務用機器による高い品質
スタジオ統括グループのミッション・業務内容
スタジオを管理する我々のミッションは「イベントの安全納品とクオリティの両立」です。
主に以下のような業務に日々従事しています。
イベント当日のテクニカルディレクション
イベント当日の各セクションのオペレーション
クライアントおよびディレクターからの要望をヒアリングし、実現可能性の検証およびテクニカル設計
設備導入を必要とする際の機材の選定や、機材納品された後のシステム構築
新スタジオ設立時の立ち上げや機材選定・レイアウト設計などの全ての業務
各スタジオの保守管理
安全にイベントを実施するだけでなく、可能な限りクライアント様のご希望される要件を実現し、完全実現が難しい場合でも満足度が下がらない形での代案のご提案や設計を意識しています。
また、日々イベントを実施する中で気付いた改善点をスピード感を持って反映させ、常に進化するスタジオを目指して運用しています。
各スタジオの全体概要
ここからは、各スタジオの構成や機材についてご紹介していきます。
スタジオ1つにつき、以下の構成から成り立っています。
オペレーションルーム1つ
VR出演ブース4~5つ
それ以外に、VICON社の光学式モーションキャプチャシステムを構えた大型ブース「KAYABA」Aスタジオに、リアル撮影など汎用的に活用できる「Halliday」がBスタジオに、それぞれ備えられています。
また各スタジオのブースごとに付けられた名前はメタバースに関連性のあるアニメや映画から引用しています。
Aスタジオ ⇒ ソードアート・オンライン(Sword Art Online)
Bスタジオ ⇒ レディー・プレイヤー1(原題: Ready Player One)
Cスタジオ ⇒ 電脳コイル
オペレーション環境
各スタジオには、演者ブースのほかにオペレーションルームを備え、テクニカルディレクターやスタジオエンジニアはここでイベントのオペレーションを行います。
ディレクター席には、トリガーやスライドを操作するためのPCのほかに、出演者様に指示を伝えるトークバックマイクを備えています。
新しく導入した「Model 234」という機材は、最大4系統の出しわけが可能なトークバックシステムとなっており、出演者様に個別で指示を出すことが可能になっています。
音響のマスターミキサーとしては、最大72chのミキシングに対応、最大48chのMix Busを備えるYAMAHA製の最新デジタルミキサー「DM7 Compact」を導入しました。
大量のinput channel、Mix BusとAV-over-IPソリューション「Dante」の組み合わせにより、より柔軟な音声ルーティングが可能になりました。
映像スイッチャーにはBlackmagic Design製「ATEM Television Studio HD8 ISO」を導入。
最大8ソースの映像スイッチングに対応しており、主にプロカメラマンモードで撮影した映像をスイッチングしてYouTubeなどに配信するのに使用しています。
前モデルの「ATEM Television Studio」と比較して、大きなTバーや大型化したボタン類によってかなり操作性が向上しており、オペレーションの精度が向上しました。
また、映像ソースの管理にはBlackmagic Design製「Blackmagic Videohub」を利用しています。
input / Outputのルーティングを自在に変更することができ、イベントの内容やディレクター、出演者様の確認したいソースに応じて柔軟な対応が可能になっています。
アナログで配線していた場合、ルーティング変更に伴う配線作業だけでも大きな負担になっていた作業が数クリックで可能になっており、準備や現状復帰がかなり楽になったとメンバーからも好評です。
出演環境
3つのスタジオを、イベントの規模や内容によって使い分けています。
共通して、clusterにVRで出演するための「出演ブース」を複数備えており、基本的に出演者様はこのブースでVR機器を装着してご出演されます
出演ブースには、HTC ViveやViveTrackerといったVR機器をそなえており、最大11点の全身トラッキングに対応しています。
また、ご自身の声やディレクターからの指示を返すモニター環境、ヘッドセットマイクなどを標準で備えています。
また、イベントの内容によって自由にレイアウト可能な大型ブース「Halliday」は、グリーンバックや背景を設営してのリアルの撮影にも対応しています。
クラスターが制作するイベントではリアル撮影を伴う要件も多く、このブースが活躍する機会もかなり多いです。
社内イベントのATOMもこのブースを大改装して実施しています。
他にも、光学式モーションキャプチャシステム「VICON」を備えた大型ブース「KAYABA」は、精度が求められるモーション収録などで活躍しています。
まとめ
クラスター株式会社のスタジオでは、これまでにご説明した通りさまざまな最新機材を導入してメタバースイベントを運用しています。
まだまだ正解のないメタバースイベントに最適な機材/運用について、日々ディスカッションしながら模索していける環境はクラスターならではだと感じます。
これからもアップデートを続けながら、皆さんに楽しいイベントをお届けできるように頑張っていきます!
▼現在 スタジオ統括グループでは一緒に働いている仲間を募集しています!
このインタビューを読んでクラスター社に興味を持っていただけた方は是非ご応募ください。