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【高校数学】

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高校数学・大学受験数学の勉強法から解説まで。
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2020年7月の記事一覧

図形は量をこなすしかない。

勉強法のコーナー第10回 この勉強法のコーナーももう10回目です。今回はセンスがかなりものを言う[図形]の分野です。高校の図形分野はコンパスも定規も要りません。しかし重要ポイントがたくさん出てきます。(いつも言っていますが…) まず、外分という概念が出てきます。中学校で出てきた内分とは違い、基準点の位置で比が変わるので注意しましょう。なんせ図形なのでまずは描いて意味を考えましょう。ベクトルや座標でも外分を表す方法はありますが、数式上の理解だけでは後が危険です。視覚でも理解し

整数の性質はしれっと出てくる。

こんにちは。今回は習ってなくてもできるけど難しい、[整数]の分野です。 初めに、整数は1、素数(1とその数以外約数なし)、合成数(その他)に分かれます。1は素数ではありません。また、準備として素因数分解、因数分解と公約数、公倍数の考え方を思い出しておきましょう。また、倍数の判定法も理解しておきましょう。これは簡単かつ証明にも利用できますよ。 ここで、考える数を1つから2つに増やし、組を考えます。公約数がない組は 「互いに素」 と言われます。2変数の方程式を考える時にこの性

高校数学・確率 演習以上の近道はないと思われます。

 今回からは高校数学でとても奥が深い数学Aの話です。まずは[確率]を。  この分野は難しい分野のひとつ。とはいえ簡単にしようと思えば簡単にはできますが。  まず、高校の[確率]の分野は図を書いても何も解決しません。そこで記号を用いた計算が必要になり、記号の意味を理解することになります。  大まかには!で表される階乗の記号(1からnまでの整数全ての積)、Pで表される順列の記号(m個のものからn個のものを取ったときの順番も考えたパターン総数)、Cで表される組み合わせ(記号P

データの分析

こんにちは。勉強法のコーナーも早いもので第7回。今回は[データの分析]についてです。最近「統計学」というものが話題ですが、その基礎になるものがこれです。 まずはヒストグラムの見方を覚えましょう。当たり前ですが中央値と平均値は全く別物ですよ。また、四分位範囲を理解し、箱ひげ図の見方も知っておきましょう。これを知らないと、近いところでは共通テストが大問まるまる解けない、遠いところでは間違ったものの見方につながって損するということが起きます。 また、皆さんは「偏差値」という言葉

サイン・コサイン・タンジェント

高校数学といえば「サイン・コサイン・タンジェント」という偏見があります。まあ、とっつきやすいからそうなるのでしょう。というわけで今回は[三角比]についての話をします。  まず、三角比というのは直角三角形の2辺の長さの比のことです。これは三角形の大きさが変わろうと変化しません。ということは直角三角形について1つの角の角度か2つの辺が分かれば後は自動的に決まります。これは力学や波などの物理全般や工学に応用できるので「何に応用できるの」ということを口に出すことはやめましょう。

グラフに書き起こしてイメージする

こんにちは。 このコーナーの 5 回目は [2 次関数と 2 次方程式・不等式] についてです。 2 次関数と 2 次方程式に何の関わりがあるのかと思う人も多いでしょうが、グラフに描けば一目瞭然です。方程式の解と普段いわれているものは x 軸(2次関数風にいうと y=0 の直線)と放物線の交点です。 例えば、文字によって変化する実数解の個数を求める問題がありますね。これは言い換えると「交点が果たしていくつなのか」ということを求めています。また、「2 次方程式の解の公式」

高校の二次関数

こんにちは。 今回は数学Iの中でも一番重要な [2次関数] について書いていきます。 [2次関数] といって何を扱うのか、と思う方も多いかもしれませんが、簡単にいうと「放物線」を扱います。これ自体は中学 3 年生で習ってはいますが、平行移動や不等式が絡んでくるので一層ハードになります。 はじめに身につけて欲しいのは、2乗の因数分解を応用した「平方完成」という手法です。不安な人は2乗の展開・因数分解の復習をしておきましょう。これを使うと座標平面上でグラフを描いたときの軸、

理学部の男が、高校数学「数と式」を語る。

 前回まで2回にわたって数学全体の勉強法を書いてきました。今回からは細かいところを見ていきます。  今回は数学Ⅰの[数と式]の分野です。  この分野は難しい点も含めて全部基本です。それゆえ見所がたくさんあります。3次式や対称式(文字を入れ替えても変化しない式)の因数分解ももちろん重要で、ここは演習を積むのみです。  1次不等式は方程式と同じと見せかけて範囲に気をつける必要があります。不等号の下にイコールをつけるかつけないか、どちらを向いているのかはまず注意しましょう。図