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第4回fuzzカップ決勝観戦記 3回戦

【担当記者 今田孝志】

最終の3回戦。
逆転を狙う田口・市井・小川の条件を整理すると、以下のようになる。

◆田口
渋川まで59.3ポイント差。
自身トップ、渋川3着以下は無条件で優勝。
自身トップ、渋川2着の場合は、19400点以上の差をつける必要がある。
自身が2着の場合は、小川・田口・市井・渋川の並びだと現実的可能性が残る。
◆市井
渋川まで75.3ポイント差。
自身トップ、渋川4着は無条件で優勝。
自身トップ、渋川3着の場合は、15400点差以上が必要。
自身トップ、渋川2着の場合は、35400点差以上が必要。
◆小川
渋川まで134.6ポイント差
自身トップ、渋川4着で、54700点差以上が必要。田口・市井との素点差も必要。

まずは渋川を沈めて、その上で自身がトップを獲りたいというのが三者の思惑であろう。

東1局。三者の思惑をいきなり打ち砕く渋川。

小川のリーチ宣言牌を一発で捉えて8000のアガリ。

そして3人の心を折るアガリが出たのが東2局2本場。
親の市井がチートイツテンパイを拒否してダブ東・トイトイをテンパイ。發と五萬のシャンポン待ち。

市井が⑧ピンをカン。
新ドラ7索が3枚乗った田口がリーチ。高め6索ツモならハネマンから。

そして小川も来る。
市井のアガリ牌の赤五萬を引き入れてリーチ。
田口のアガリ牌の3索を4枚組みこんでいる。

3人とも勝負手。ここを制して渋川追撃の一番手に名乗りを挙げたい。

ところが渋川もテンパイ。
完全には形を崩さずにいたところ、最後の五萬を引いて3-6索待ち。
田口と同テン。

3索は小川の手に4枚。
6索は小川の捨て牌と新ドラ表示牌と田口の手に1枚ずつ。
小川が最後の6索をツモ切り、田口と渋川の「ロン」の声が重なる。

頭ハネで渋川のアガリ。ピンフ・三色・赤の8000。
よもやの渋川のアガリで大勢は決する。

完全なるトドメは南2局。
市井の最後の親をマンガンで蹴る。

関東・関西の日本プロ麻雀協会所属プロ246名が参加し、1年に渡って激闘が繰り広げられた第4回fuzzカップが決着した。

第4位 小川裕之

決勝こそ振るわなかったが、随所に繊細な守備を見せトーナメントを危なげなく勝ち上がってきた。23期雀王戦のA1リーグを勝ち抜き、雀王決定戦で「決勝×」の赤特を消す活躍を期待したい。

第3位 市井悠太

トーナメントでは攻撃的なリーチ判断が印象的だった。
余談だが、第4回fuzzカップ本戦トーナメント争奪戦の投票において、筆者は市井に投票した。自分が名前を書いた選手が戦い、勝ち残っていく様を観るのは心躍るものがあった。
来期、念願のタイトル獲得を期待したい。

第2位 田口淳之介

空前の10段階昇級は夢に終わったが、大舞台を経験したことは必ず今後に活きるだろう。第4回fuzzカップ決勝戦が、田口淳之介の大いなる飛躍の一歩目となることを確信している。
3月末には特別昇級リーグへの出場が予定されている。こちらも最大9段階昇級の可能性がある。是非ご注目いただきたい。

優勝 渋川難波

コールド勝ちこそならなかったものの、圧倒的な強さでの完勝。
田口・市井・小川が心から願う勝ちたいという想いを捻じ伏せた。有利になっても攻め手を緩めず、最後まで押し通しての完勝だった。
ほぼ同じルールのMトーナメント2023とダブル優勝を果たし、まさしく「トーナメントの鬼」と呼ぶにふさわしい活躍。
協会のトップ選手として、協会員たちの目標であり、また大いなる壁であることを示してくれた。

最後に。
1年に渡って素晴らしい大会を開催していただいたfuzzカップスポンサーの『株式会社fuzz』様。選手が日頃磨いた技をファンの皆様の前でお見せすることができるのも、大会があってこそです。
選手が座っている椅子をご提供いただいている『COUGAR』様
選手が飲んでいるピンク色のドリンクをご提供いただき日本プロ麻雀協会とパートナー契約を締結させていただいている『ピンクイオンアスリート』様。
いつも大変ありがとうございます。心より感謝申し上げます。


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