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ブルックナー交響曲第7番ホ長調

「ブルックナー交響曲」ハンス=ヨハヒム・ヒンリヒセン2018年3月出版より

 ブルックナー交響曲第7番(特に第2楽章)は、ヴィスコンティの映画「夏の嵐(原題 Senso=官能)」を観てからというもの、耳にするたび伯爵夫人リヴィアと青年将校フランツとの逢瀬が目に浮かんで「メロドラマ音楽」にしか聴こえなくなってしまった私。

 実際、ブルックナーはどういう意図で作曲したのか気になり、最新の研究書を取り寄せて読んでみました。

 著者は、チューリヒ大学音楽学名誉教授。ブルックナーの名前が国際的になったのは、ヘルマン・レーヴィが1885年に指揮した交響曲第7番のミュンヘン上演からなので、7番はブルックナーにとって記念すべき作品なんですね。7番はアダージョとフィナーレにワーグナー・チューバを、アダージョの頂点でシンバルとトライアングルを付加し、オーケストラの拡充を行なっているそうです。特に、第2楽章について「185小節~にブルックナーは短い挿入句をおいた。この挿入句は「ワーグナーチューバ」の使用を説得力を持って正当化している。・・すなわち、テ・デウムの終曲「わが望みはとこしえに空しからまじ」の詩行の動機に由来し、楽章の主調である薄暗い嬰ハ短調で奏させる葬送のコラールである。ブルックナー自身によれば自らを震撼させたリヒャルトワーグナーの訃報への応答としてこのコラールを書いたのだという。」と述べています。

 専門的でよく分からないですが、第2楽章はけっしてメロドラマではなく、ワーグナーの訃報と何か関係しているみたいですね。楽譜を読みながら、注意して聴いてみます。

https://www.youtube.com/watch?v=JfDH3GF_6gY&t=1720s

注)2018年7月15日の過去投稿記事です。

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